2024年10月31日(木)|二人の被写体
昨日は、黒いレース下着に包まれた美嘉さんの姿をカメラに収めることができた。 ファインダー越しに見つめるうちに、カメラマンとしてではなく、ひとりの男としての昂ぶりを隠せなくなっている自分がいた。
今日も「お昼間の1時間ほどなら」と、13時に自宅へ伺う約束になっている。 大学を出て坂道をマウンテンバイクで駆け上がると、頬を打つ冷たい秋風がやけに心地よかった。
古木家までは自転車で30分ほど。街路樹は静かに葉を落とし、街は秋から冬へと装いを変えようとしていた。
自宅前に到着し、自転車にワイヤーロックをかける。呼吸を整えてチャイムを鳴らすと、すぐにインターホン越しに美嘉さんの落ち着いた声が流れた。
『鍵は開いているから、そのまま台所へ来て』
重い扉を開け、静まり返った廊下を通って台所へ向かう。 扉を開けて入ってきた美嘉さんは、上品なピンク色のワンピースを身にまとっていた。
「私ばかりこんな姿になるのは嫌よ。洋平先生も……脱いでくださる?」
予想外の言葉に息を飲んだ。戸惑いながらもシャツを脱ぎ、トランクス一丁になると、美嘉さんは楽しそうにクスリと笑った。
「ふふ……先生、ぜんぶ脱いでくださいな」
促されるまま全裸になると、昂ぶりを隠せない無防備な私の姿を、美嘉さんの視線がじっと射抜いた。 どちらが撮影する側で、どちらが被写体なのか――境目が完全に分からなくなっていく。
震える手でシャッターを切るたび、美嘉さんもまた、私の裸体に妖しい視線を絡ませてくるのだ。
「洋平先生みたいな頭のいい先生が、まぬけに裸になって……興奮してる姿、好きよ」
悪戯っぽく、けれど冷ややかに囁く美嘉さん。 私は彼女の「決して見てはいけない本性」を覗き込んでしまった気がした。 だが、それすらもまだ、恐ろしい底なし沼の「入り口」に過ぎなかったのだ。
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→次回の投稿 2024年11月1日(金)|嘲笑う美嘉
☕ 筆者のあとがき
最後までお読みいただきありがとうございます! 「洋平先生も脱いでくださる?」という美嘉からの予期せぬ要求。 ファインダーを覗いていたはずの洋平が、いつの間にか美嘉の視線に晒され、主導権を完全に奪われていく――。 ピンクのワンピースという上品な外見の裏に隠された、美嘉の歪んだ支配欲と冷ややかな本性がついに覗き見えました。 1,000PV&50スキを突破し、物語は二人視点の「背徳と狂気」が交錯する最高潮へ突入します! 作品を応援していただける方は、ぜひ【スキ】や【サポート】で背中を押していただけると執筆の励みになります! 明日の更新もどうぞお楽しみに!
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