住宅ローンの頭金はいくら必要?入れるべきかを家計目線で解説

我が家は頭金を100万円だけ入れました
我が家が住宅ローンを組んだとき、頭金は100万円だけ入れました。
ただ正直に言うと、しっかり計算して決めたわけではありません。
なんとなく「頭金は入れるもの」という感覚があり、銀行の担当者にもそんな話をされた気がします。「少しでも自己資金を入れた方が、審査の心証が良くなりますよ」という感じだったと記憶しています。
そこで深く考えず、「とりあえず100万円入れておこうか」という感じで決めました。
実はこの100万円、売買契約のときに支払う手付金がそのまま物件代金の一部(頭金)に充当される仕組みなので、「契約のときに払った100万円=頭金100万円」という形になっただけ、という側面もあります。
今から思えば、頭金100万円は意味があったのか?
家を買ってしばらく経ったいま、改めて考えてみると、「あの100万円、本当に正解だったのか?」という疑問が湧いてきます。
もっと入れるべきだったのか。それともゼロでも良かったのか。そもそも頭金の金額って、何を基準に考えれば良いのでしょうか。
頭金を入れると何が変わるのか
頭金を入れることで直接変わるのは、次の3点です。
①借入額が減る ②月々の返済額が減る ③総返済額(利息込み)が減る
たとえば3,000万円の物件に対して100万円の頭金を入れれば、借入額は2,900万円になります。毎月の返済も、35年間で払う利息の合計も、わずかではありますが確実に減ります。
具体的な金額はもう少し下に出しています。
そもそも住宅ローンの頭金とは?
頭金とは何のお金か
住宅ローンの「頭金」とは、物件の購入価格のうち、金融機関からの借り入れに頼らずに自己資金で賄う部分のことです。3,500万円の物件を購入するとき、300万円を自分で出して残りの3,200万円をローンで借りるなら、「頭金300万円」ということになります。
頭金と諸費用は別物
住宅を購入するときには、物件代金のほかに「諸費用」が発生します。仲介手数料・登録免許税・印紙税・融資事務手数料・火災保険料など、物件価格の5〜10%程度が目安です。頭金と諸費用は必ず分けて考えてください。
手数料と聞くとあまり気にならないと思いますが、金額が大きいので注意です。5%でも4000万の5%なら200万円です。

昔は「2割必要」と言われていた
かつては「頭金は物件価格の2割が必要」というのが常識でした。しかし現在は状況が変わっています。フルローン(物件価格の100%融資)も一般的になり、「頭金2割」は過去の目安に過ぎなくなっています。
住宅ローンの頭金はいくら入れる人が多い?
平均的な頭金
住宅金融支援機構「2023年度フラット35利用者調査」によると、物件種別ごとの平均頭金は以下の通りです。

最近は頭金ゼロも増えている
近年、とくに若い世代を中心に、頭金なしのフルローンを選ぶ人が増えています。2021〜2024年に住宅ローンを組んだ人のうち、36.9%が「頭金なし」を選択。30代に限ると42.8%に達します。

頭金は必須ではありません。ゼロでも住宅は買えますし、ゼロを選ぶことが合理的な場合もあります。
住宅ローンの頭金を入れるメリット
借入額・月返済・利息が減る
頭金を入れれば、当然ながら借入額が減ります。月々の返済も減り、35年間の総利息も減ります。
金利が有利になる場合がある
フラット35では、融資率(物件価格に対する借入割合)が9割を超えるかどうかで、適用金利が変わります。

審査が有利になる場合がある
自己資金を準備できる借り手は「計画的な貯蓄能力がある」と評価され、金融機関の審査で好印象になります。
住宅ローンの頭金を入れないメリット
手元資金を残せる
住宅は極めて流動性の低い資産です。いちど頭金として入れた現金は、売却でもしない限り取り出せません。手元に現金を残しておけば、急な病気・転職・教育費など不測の事態にも対応できます。
投資に回せる
今の住宅ローンはまだ1%前後です。この支払いを減らすために頭金を入れるよりも、投資に回して5%の利益を得ることができれば、差し引き4%分の利益を得ることができます。
もちろん、投資にはリスクが伴いますが、長期運用することでリスクを下げれば、十分計算に入れることができます。
教育費など将来の資金に回せる
子育て世帯にとって、教育費は住宅ローンと並ぶ「人生の大きな出費」です。頭金に現金を使い果たすと、子どもの大学入学時に高金利の教育ローンを使わざるを得なくなるリスクがあります。
教育その他、住宅購入後に増えていく資金については、こちらの記事にまとめています。
低金利環境では「逆ザヤ」が起きることも
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)は、年末ローン残高の0.7%を所得税・住民税から差し引ける制度です。現在の変動金利型ローンの金利が0.7%を下回っているケースでは、支払う利息よりも戻ってくる税金の方が多い「逆ザヤ」が発生します。

頭金はいくら入れるべき?判断のポイント
① 生活防衛費は必ず残す
住宅購入後に最も避けるべきは、現金が底をついて生活が回らなくなることです。頭金はあくまで余裕資金の中から出すものです。

② 教育費を考える
子どもの年齢や進路によって、数年後にまとまったお金が必要になる時期が見えています。

③ 住宅ローン返済比率を確認する
借入額を決める客観的な基準として「返済負担率」があります。理想的な目安は手取り年収の20〜25%以内です。手取り年収は額面年収の約80%として計算します。
返済比率はしっかり計算して下さい。詳しくはこちらからご覧ください。
まとめ|住宅ローンの頭金は「いくら」より家計全体で考える
住宅ローンの頭金について、我が家の体験をもとに整理してきました。
頭金は「入れるほど良い」とは言い切れない時代になっています。現在の低金利環境と住宅ローン減税を考えると、あえて借入額を多くして手元資金を残す方が合理的なケースもあります。「頭金2割」はもはや過去の常識です。
大切なのは、次の優先順位で考えることです。
① 生活防衛費を確保する(現金で3〜12ヶ月分)
② 教育費など将来の支出を確保する
③ 残った余剰資金の中から頭金を決める
住宅ローンは35年という長期の決断です。「いくら入れるか」よりも「入れた後に家計が回るか」を軸に、ご自身のライフプランに合った判断をしていただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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