混乱する魔力感知1
*『本好きの下剋上』のネタバレになりますので、未読の方はご注意ください
そもそも魔力感知とは?
ユルゲンシュミットの貴族達にはいわゆる第二次性徴としての「魔力感知」というものがあり、これが発現すると魔力が釣り合う(子作りが可能)範囲の人間の魔力を感知できるらしい。
昔の日本で初潮を迎えた女の子のお祝いに赤飯を炊いたように一人前とみなされ、政略結婚も含めて釣り合う年頃の男子を集められたりもするなかなかにセンシティブな能力です。男子は発現後貴族院で中央神殿で性教育も受けるらしいが詳細はあまり語られない。
(ユーディット視点『ふぁんぶっく4 書き下ろしSS 魔力感知と結婚相手の条件』に女性側の居心地の悪さが語られている)
発現がない間は子供扱いされます。
ローゼマインの場合は身体の成長も遅く見た目も幼く、一方で魔力量は大きすぎて釣り合う相手も居なかった為発現が遅く。
ローゼマインの魔力感知発現が確認できたのは次期ランツェナーヴェ王だったジェルヴァージオ登場時でした。
それまでも恐らく魔力が釣り合っていたはずのフェルディナンドが近くに居たのにも関わらず。このことがどうにも不思議だったのだけどあちこちに出てくるヒントで
(どうやらローゼマインはフェルディナンドに染められているっぽいぞ?)となりました。
魔力を動かして感知することも出来る
発現の有無がある魔力感知とは別に魔力を流されたら反発を感じる①や自分の魔力を動かして異なる魔力を感じる能力②もあるので、色々なことが明らかになっていく過程では読んでいてけっこう頭が混乱しました。
なので第二次性徴としての感知は「自然感知」と呼んで区別したりするようです。
①ですぐ浮かぶのはトロンべに巻き付かれた時の傷の手当ての描写(他者であるフェルディナンドの魔力を流し込みそれへの反発で傷を塞いだ)←この時点で2人の魔力は全く別物
https://ncode.syosetu.com/n4830bu/128/
自分ではないものが無理やり自分の中に入って来ようとしているような違和感と苦痛で全身に鳥肌が立った。生理的な涙が込み上げてくる。涙を零さないように上を向いて、ふーっとゆっくり息を吐いた。
ハンネローレの持つ神具にローゼマインが魔力を流してお互いに反発を感じた場面などもありました。(異なる魔力を流されると反発する描写)(「コピーしてぺったん」の場面はこれの少ない反発版なのでは?とちょっと思っている)
https://ncode.syosetu.com/n4830bu/497
わたしはハンネローレの杖に触れて、少し魔力を流す。魔法陣が浮かび上がるのと、「きゃっ!?」とハンネローレから小さな叫び声が上がって、魔力が反発するのはほぼ同時だった。
②魔力を動かして異なる魔力を探す例として聖典を入れ替えられた時の場面もあります。部屋の中で自分の魔力を薄く広げて探知していくが、そこではなぜかフェルディナンドの魔力には反発を感じないことが語られていました。(←この頃はもう完全に2人はほぼ同質)
https://ncode.syosetu.com/n4830bu/446/
不思議なことに、向かいの椅子に座ったままの神官長の魔力にほとんど反発を感じない。もしかしたら、もらったばかりの簪はもちろん、身に着けている魔術具の数々のせいでわたしが神官長の魔力に慣れすぎているせいだろうか。
フェルディナンド側からもローゼマインの魔力が自分に近いことに首を傾げている場面があります。
https://ncode.syosetu.com/n4830bu/438/(この時のフェルディナンドの心理について、自分の魔力に近いことを訝しんでいた(大意)(『ふぁんぶっく5』)
神官長ができあがった素材を手に取って、わずかに眉を寄せた。予想外に長い間じっと素材を見ている様子にだんだん不安になってくる。≪
トロンべの際の魔力流し→枯渇の際に飲ませた自分の液状魔力→記憶を覗く為に飲ませた同調薬
この3回の行為で実はフェルディナンドに染められていたローゼマイン。
最初に同調薬を飲ませた段階で「甘い」と言っていたのは(誰かに染まっていない状態の)身食いには誰の魔力でも飲みやすいらしい(『ふぁんぶっく5』Q&A)ですが、身食いの中でも特殊な”エーヴィリーベの印の子”であるローゼマインはフェルディナンドに魔力器官ごと染められてしまったので魔力がまったく同質になっていたからと思われる記述があちこちに出てきます。
ここまで混乱しつつも、どうやら魔力量が釣り合っているのに魔力感知したローゼマインがフェルディナンドの魔力では感知しなかったのは魔力が同質のせいじゃないのか?という推測をするようになりました。
→長くなるのでこの件「混乱する魔力感知2」に続く
https://note.com/amanoakimi/n/nddbdaae9310f
