【Lumentum(LITE)Q4 FY2026】粗利率50%は不可逆モートか、時限的な希少性利益か。COHRとの比較で検証する(10-K資料確認後差し替え版)
Lumentum(LITE)のQ4 FY2026決算をアウトプットする。
私は2026年下半期版のFuture 40で、LumentumとCoherentをともに除外した。
AI光通信市場が成長しないと思ったからではない。
むしろ、AIファクトリーが巨大化するほど、GPUやXPUをつなぐ光通信の重要性は上がる。現在も銅接続が中心であるscale-upまで光へ移行すれば、光通信業界には新しい巨大な市場が生まれる。
それでも、巨大化する市場を通過することと、その利益を長期間防衛することは違う。
Coherentについては、6インチInPの量産によってAI光通信のボトルネックを握り始めた一方、その利益が設備投資と在庫を経て、一株当たりFCFとして株主へ残るかを問うた。
Lumentumでは、逆の方向から問う必要がある。
LumentumはすでにQ4 non-GAAP粗利率50.4%、営業利益率36.6%へ到達した。
ボトルネックを握る可能性だけではない。
そこから高い利益率を取るところまで進んでいる。
しかし、その高収益は、技術と製造ノウハウによって防衛される不可逆モートなのか。
それとも、InPレーザーの供給不足、価格引き上げ、高マージン製品への集中によって生まれた時限的な希少性利益なのか。
そしてLITE、COHR、MRVLのうち、今後12か月の決算モメンタムを取りにいくなら、どこに軍配が上がるのか。
この二段階で決算にメスを入れる。
■ 4四半期の決算数字(10-K資料確認後差し替え)
Q1 FY2026 → Q2 FY2026 → Q3 FY2026 → Q4 FY2026
・売上高:$533.8M → $665.5M → $808.4M → $1.006B
YoY:+58.4% → +65.5% → +90.1% → +109.3%
QoQ:+11.0% → +24.7% → +21.5% → +24.5%
売上成長率は四半期ごとに加速し、Q4に初めて$1Bを超えた。
Q4は会社ガイダンス$960M~$1.01Bの上限付近であり、8四半期連続の増収、3四半期連続のQoQ 20%超成長となった。
・Components売上:$379.2M → $443.7M → $533.3M → $649.4M
売上構成比:71.0% → 66.7% → 66.0% → 64.5%
YoY:+63.9% → +68.3% → +77.3% → +102.7%
QoQ:+18.4% → +17.0% → +20.2% → +21.8%
Q4は100G、200G EMLが過去最高となり、200G製品がEML売上の25%超を占めた。
ポンプレーザーはYoY +80%超、狭線幅レーザーは+130%超となり、scale-outだけでなくscale-acrossも成長している。
・Systems売上:$154.6M → $221.8M → $275.1M → $356.9M
売上構成比:29.0% → 33.3% → 34.0% → 35.5%
YoY:+46.5% → +60.1% → +121.1% → +122.6%
QoQ:-3.6% → +43.5% → +24.0% → +29.7%
SystemsはComponents以上の速度で成長している。
Q4はクラウド向けトランシーバが過去最高となり、1.6Tの初期出荷を開始した。OCSも複数年・数十億ドル規模の契約を背景に量産へ進んでいる。
・GAAP粗利率:34.0% → 36.1% → 44.2% → 47.4%
・non-GAAP粗利率:39.4% → 42.5% → 47.9% → 50.4%
non-GAAP粗利率は1年間で11ポイント上昇した。
200G EML、ポンプレーザー、狭線幅レーザーなどの高マージン製品、価格引き上げ、固定費吸収が寄与した。
・GAAP営業利益率:1.3% → 9.7% → 21.6% → 27.8%
・non-GAAP営業利益率:18.7% → 25.2% → 32.2% → 36.6%
Q4は会社ガイダンス35.0%~36.0%の上限を60bp上回った。
売上が1年間で約2倍となる一方、non-GAAP OpEx比率は低下し、強い営業レバレッジが出ている。
・non-GAAP EPS:$1.10 → $1.67 → $2.37 → $3.23
YoY:+511.1% → +297.6% → +315.8% → +267.0%
QoQ:+25.0% → +51.8% → +41.9% → +36.3%
Q4は会社ガイダンス$2.85~$3.05の上限を5.9%上回った。
売上高YoY +109.3%に対してEPSは+267.0%。粗利率と営業利益率の改善が、一株利益へ接続している。
※Q4 GAAP EPSは-$84.65となった。転換社債の株式化などに伴う債務消滅損失$7.8Bが主因であり、通常の事業利益を示していない。
・SBCおよび関連給与税:$46.5M → $47.9M → $46.8M → $50.1M
YoY:+30.6% → +23.5% → -25.5% → +25.3%
売上高比率:8.7% → 7.2% → 5.8% → 5.0%
金額は増えているが、売上高比率は低下した。
なお、FY2026通期のSBC単体は$170.2Mで、売上高比率は5.6%だった。
・non-GAAP希薄化後株式数:78.3M株 → 86.1M株 → 95.2M株 → 101.1M株
YoY:+13.3% → +20.3% → +31.9% → +40.4%
QoQ:+8.7% → +10.0% → +10.6% → +6.2%
EPSは急成長したが、希薄化後株式数も大幅に増えた。
Q4末の普通株式数は88.6M株で、NVIDIAが保有する転換優先株2.9M株を普通株へ換算すると約91.5M株となる。
2026年8月14日時点の普通株式数は89.7M株であり、優先株を含む経済的な株式数は約92.6M株となる。これとは別に、株式報酬と残存転換社債による潜在希薄化があるため、時価総額と一株当たり価値の計算では基本株式数だけを使うべきではない。
・営業CF:$57.9M → $126.7M → $203.8M → $363.0M
営業CFマージン:10.8% → 19.0% → 25.2% → 36.1%
Q4の営業CFは、10-Kで開示されたFY2026通期$751.4MからQ1~Q3を差し引いて算出した。
売掛金と在庫が大きく増えた状態でも、利益率改善と買掛金増加によって営業CFは四半期ごとに拡大した。
・設備投資:$76.2M → $83.6M → $124.7M → $166.8M
売上高比率:14.3% → 12.6% → 15.4% → 16.6%
Q4の設備投資は、FY2026通期の現金支出$451.3MからQ1~Q3を差し引いて算出した。
InP能力、OCS、トランシーバ、Caswell、Greensboroなどへの投資により、金額と売上高比率はともに上昇した。
・FCF:-$18.3M → $43.1M → $79.1M → $196.2M
FCFマージン:-3.4% → 6.5% → 9.8% → 19.5%
Q4は営業CFの増加が設備投資の増加を上回り、FCFは約$196Mまで拡大した。
FY2026通期では営業CF $751.4M、設備投資$451.3M、単純FCF $300.1Mとなり、FCFマージンは約10.0%だった。
ただし、期末の未払設備投資は前年の$43.4Mから$181.4Mへ増加した。現金支出にまだ表れていない設備投資負担があるため、FY2026の単純FCFだけで資本負担が軽いと断定することはできない。
・在庫:$531.6M → $570.4M → $632.8M → $691.6M
YoY:+31.8% → +41.8% → +49.6% → +47.1%
QoQ:+13.1% → +7.3% → +10.9% → +9.3%
在庫は4四半期連続で増加したが、Q4の増加率は売上高YoY +109.3%を大きく下回った。
COHRのQ4在庫YoY +79.5%ほど極端ではない。ただし能力増強後に需要が減速すれば、在庫、固定費、価格が同時に利益を圧迫する可能性がある。
・売掛金:$520.3M
Q4 YoY:+108.1%
10-Kでは4四半期分の売掛金推移を同一形式で開示していないため、期末値のみを記載する。
売掛金は売上高とほぼ同じ速度で倍増した。現在の売上成長が現金回収へ接続するかは、今後も営業CFと合わせて確認する必要がある。
・現金+短期投資:$1.122B → $1.155B → $3.172B → $2.738B
YoY:+22.5% → +28.8% → +266.0% → +212.2%
QoQ:+27.9% → +3.0% → +174.6% → -13.7%
Q3はNVIDIAからの$2B出資を受け、現金と短期投資が急増した。
Q4は転換社債の買い戻しと転換時の現金決済、株式報酬に伴う源泉税、設備投資などに資金を使用したが、前年同期の3倍を超える流動性を維持している。
・総有利子負債:約$3.244B → 約$3.287B → 約$3.282B → 約$1.637B
YoY:+25.7% → +27.9% → +27.6% → -36.4%
QoQ:+26.0% → +1.4% → -0.2% → -50.1%
Q1は2032年満期転換社債の発行などによって負債が増え、その後Q3までは約$3.3Bで推移した。
Q4は額面総額$1.125Bの転換社債を株式で決済したことなどにより約半減したが、これは単純な返済ではなく、負債から株式への移転を含む。
期末負債$1.637Bに対して、現金と短期投資は$2.738Bであり、期末時点では約$1.10Bのネットキャッシュとなる。ただし、8月14日までに額面$757.8Mの追加転換請求を受けており、その元本部分は原則として現金で決済されるため、期末ネットキャッシュをそのまま現在の企業価値計算へ使うことはできない。
・購入義務:$2.354B
1年以内:$2.113B
1年超:$241.9M
FY2026売上高比率:約78%
購入義務は、在庫などの購入に関する法的拘束力のあるコミットメントである。
COHRの仕入先コミットメント$11.8B、売上高比約166%より相対的に軽いが、需要が減速した場合には在庫、購入義務、固定費が同時に負担へ変わる可能性がある。
・最大顧客の売上構成比:26.6%
・第2顧客の売上構成比:15.0%
・上位2顧客合計:41.6%
最大顧客の売上構成比はFY2025の15.4%から26.6%へ上昇した。
高い利益率を得ている一方、少数の大口顧客が調達先、数量、価格を変更した場合の影響も大きくなっている。
(数字だけ見た結論)
売上成長率、粗利率、営業利益率、EPS、営業CF、FCFは同時に改善している。
さらに、Componentsだけでなく、トランシーバとOCSを含むSystemsも加速している。
COHRが能力増強のためFY2026に約-$1.02BのFCFとなったのに対し、LITEは約+$300MのFCFを確保した。現時点の利益捕捉とキャッシュ転換では、LITEが明確に先行している。
一方、期末未払設備投資は$181.4M、購入義務は$2.354B、上位2顧客への売上集中は41.6%に達した。
また、希薄化後株式数はYoY +40.4%となっている。
LITEは高収益を獲得するところまで進んだが、その利益を供給正常化後も維持し、一株当たりFCFとして株主へ残せるかは、まだ完全には証明されていない。
■ Q1 FY2027ガイダンスは、成長の継続を示した
会社はQ1 FY2027について、次のガイダンスを示した。
・売上高:$1.225B~$1.275B
中央値:$1.250B
QoQ:+24.2%
YoY:+134.2%
・non-GAAP営業利益率:39.5%~40.5%
中央値:40.0%
QoQ:+340bp
YoY:+2,130bp
・non-GAAP EPS:$4.05~$4.35
中央値:$4.20
QoQ:+30.0%
YoY:+281.8%
・希薄化後株式数:約102M株
QoQ:約+0.9%
会社は2026年3月時点で、四半期売上$1.25B、non-GAAP営業利益率35%への到達に9~12か月を見込んでいた。
Q1 FY2027ガイダンスでは、売上$1.25Bだけでなく、営業利益率40%へ一気に到達する。
目標売上は前倒しされた。
利益率は当初目標を5ポイント上回った。
少なくとも現在まで、経営陣の需要、価格、製品ミックス、営業レバレッジに関する主張は、実績が上回ってきた。
■ 先に結論
今回の決算は、LITEがAI光通信の利益プールを現在捕捉していることを証明した。
COHRは6インチInPの能力増強が売上と粗利率へ接続し始めた段階だが、LITEはすでにnon-GAAP粗利率50.4%、営業利益率36.6%まで進んでいる。
一方、その高収益が供給正常化後も残るかは証明されていない。
したがって、LITEをFuture 40へ入れる判断にはならない。
ただし、決算モメンタムだけを比較すれば、現時点ではCOHRよりLITEが上である。
問題は企業ではなく価格にある。
現在株価は、LITEが強いだけでは上がらない。
強さが市場予想を上回り続けることまで要求している。
■ LITEは、AI光通信の上流で光を作る会社
LITEの最大の価値は、光トランシーバを組み立てることだけではない。
その上流にあるレーザーを設計し、自社のInP工場で製造できることである。
レーザーは、一般的なシリコン半導体のように、設計と製造工程を完全に分離しにくい。
材料成長、レーザー構造、出力、線幅、ノイズ、熱、寿命、歩留まりを相互に調整しながら製造レシピを作る必要がある。
LITEは主として、
* 100G/200G EML
* CWレーザー
* ultra-high-powerレーザー
* ポンプレーザー
* 狭線幅レーザー
を供給する。
このうちEMLは、レーザーと変調器を一体化した部品である。
200G EMLは1.6Tトランシーバに使われ、経営陣によれば、100G EMLに対してASPはおおむね2倍となる。
Q4には200G EMLが全EML売上の25%超まで拡大した。
LITEの売上成長は、単なる数量増加ではない。
100Gから200Gへの製品ミックス変化によって、同じレーザー能力から得られる売上と粗利が増えている。
■ レーザーのモートは、性能だけでなく顧客の歩留まりに現れる
LITEが主張する競争優位は、単にレーザーの出力が高いことではない。
顧客がLITEのレーザーを使って光トランシーバや光エンジンを製造すると、完成品の歩留まりが上がるという。
数百ドルのモジュールを大量生産する場合、歩留まりが数ポイント変わるだけでも、顧客の製造コストは大きく変わる。
この場合、LITEのレーザー価格だけを比較しても意味がない。
単価が高くても、完成品の良品率が上がり、再作業や廃棄が減れば、顧客にとっての総コストは下がる。
さらに、CPO向けUHPレーザーには狭い線幅、低ノイズ、高出力、長期信頼性が同時に必要になる。
LITEは海底光増幅器で使われてきた高信頼性レーザー技術を転用している。
海底に設置された光増幅器は、故障するたびに容易に交換できない。
長期間の信頼性を要求される製品で培った技術を、CPOへ持ち込んでいる。
これは短期間で構築されたものではない。
顧客認証、製造レシピ、信頼性試験、量産歩留まりを含めれば、競合が同じ設備を買うだけで直ちに再現できるものではない。
■ それでも、粗利率50%のすべてがモートではない
重要なのは、LITEのCEO自身が、直近の粗利率改善について、
* 価格
* 製品ミックス
* 原価改善はごく一部
と説明していることである。
価格には二種類ある。
一つは、高性能、高信頼性、高歩留まりに対して顧客が支払う構造的な価格プレミアム。
もう一つは、需要が供給を上回っているために生じる一時的な希少性価格である。
前者はモートになり得る。
後者は供給能力が増えれば縮小する。
LITEはEMLとCPOレーザーについて、需要に対して30%以上供給できていないと説明している。
一部の顧客とは2~5年のtake-or-pay契約、前払い、価格条件を含む長期契約を結んでいる。
このため、価格が明日突然崩れるとは考えにくい。
しかし、COHRの6インチInP能力が増え、LITEのGreensboroも立ち上がり、他社がCWレーザーや一部EMLへ参入すれば、現在の極端な供給不足はいずれ緩和する。
LITEの粗利率50%が不可逆かどうかは、需要が強い現在には判定できない。
本当の試験は、供給が増えた後にも価格と歩留まり優位を維持できるかである。
■ OCSでは、レーザー以上に長い実証がある
LITEのもう一つの重要な資産が、OCS、Optical Circuit Switchである。
OCSは光信号を電気信号へ変換せず、光のまま接続経路を切り替える。
GPUやラックの稼働状況に応じて接続構成を変更し、障害が発生したGPUを迂回させ、空いている計算資源へ処理を振り分けられる。
LITEのOCSはMEMS式である。
小さな機械式ミラーを動かし、光を別のポートへ反射させる。
LITEは現在300×300、300ポートから任意の300ポートへ光を切り替える製品を中心に出荷している。
MEMS式の利点は、光を別の光学材料へ通すのではなく、ミラーで反射させるため、挿入損失を抑えやすいことにある。
一方、機械式ミラーには可動部の信頼性という疑問がある。
しかしLITEは、同じMEMS技術を使ったWSSを20年以上、通信事業者のネットワークへ供給してきた。
OCSは突然生まれた新製品ではない。
長期間稼働する通信網で実証したMEMS、光学設計、製造工程を、AIデータセンターへ転用した製品である。
LITEは現在、少なくとも3顧客へOCSを出荷し、そのうち1社とは複数年・数十億ドル規模の購入契約を結んでいる。
OCSは、LITEの技術モートを最も認めやすい領域である。
ただし、売上が一部顧客へ集中していること、他のハイパースケーラーがOCSを運用するには制御ソフトウェアの学習が必要であることは残る。
Googleは長い年月をかけてOCSの運用を完成させた。
良いハードウェアがあれば、すぐに全社採用されるわけではない。
■ CPOとNPOは、同じ市場ではあるが同じ時間軸ではない
CPOは、光学部品をスイッチ半導体やXPUのすぐ近くへ配置する。
NPOは、光エンジンをパッケージ外部の近い場所へ置く。
NPOはCPOより交換しやすく、導入も容易だが、電力効率と密度ではCPOに劣る。
LITE経営陣は、NPOを顧客がCPOへ進むまでの中間段階と見ている。
第一世代のscale-upでは、CPOを使う顧客とNPOを使う顧客が混在する。
その後、技術と供給網が成熟すれば、CPOへ収斂するという見方である。
したがってNPOは、CPOと別の永久市場として二重計上するべきではない。
ただし、中間段階でも光レーン数が大きければ、LITEにとって短期的な売上機会は大きい。
CPOも、最初はscale-outの一部で使われる。
本当の追加市場は、現在ほぼ銅接続であるscale-upである。
scale-out向けCPOは既存トランシーバの一部を置き換える。
scale-up向けCPOは銅を置き換える。
後者は光通信業界全体にとって純増市場になる。
LITEはscale-up向け製品を2027年後半から出荷し、2028年初頭から顧客製品へ搭載されると見込んでいる。
現在の決算には、本格的なscale-up売上はまだ入っていない。
■ NVIDIAの$2B出資は、モートと限界の両方を示した
NVIDIAはLITEへ$2Bを出資し、UHPレーザーについて長期購入契約を結んだ。
ただし、出資契約と購入契約は別の契約である。
購入契約には数量、価格、take-or-payなどの条件が含まれる一方、契約は非独占である。
NVIDIAはCOHRにも$2Bを出資し、同様に長期供給能力を確保した。
これはInPレーザーがAIファクトリーのボトルネックである証拠になる。
同時に、NVIDIAが一社依存を避け、複数調達を維持している証拠でもある。
LITEはボトルネックを握っている。
しかし、そのボトルネックから生まれる利益を独占しているわけではない。
顧客がLITEとCOHRの両方へ資金を出し、両社の供給能力を増やす構造は、需要の確実性を高める一方、将来の供給不足を顧客自身が解消する動きでもある。
■ Greensboroの$5Bは、売上予想ではない
LITEはNorth Carolina州GreensboroのInP工場を取得した。
会社は、この工場が最終的に年間$5Bの追加売上能力を支え得ると説明している。
ただし、これは確定売上、受注、ガイダンスではない。
設備能力の上限である。
Greensboroは6インチInPを前提としているが、LITEは6インチについて、ウェハー外周部の歩留まりなど技術的な難しさを認めている。
そのため、6インチ装置は4インチにも対応できるようにしている。
6インチが計画どおり立ち上がらなければ、4インチへ戻せる設計である。
これは合理的なリスク管理だが、同時に6インチ量産がまだ完成したモートではないことを示す。
Greensboroは2027年に認証を進め、2028年から出荷する計画である。
現在の利益率を評価するときに、2028年以降の設備能力を現在の実績へ加えるべきではない。
■ COHRは6インチで追い、LITEは高性能と価格で先行する(10-K資料確認後差し替え)
COHRとの比較によって、LITEの現在地が明確になる。
・Q4売上高
LITE:$1.006B
COHR:$2.046B
・Q4売上高YoY
LITE:+109.3%
COHR:+33.7%
・Q4 non-GAAP粗利率
LITE:50.4%
COHR:40.2%
・Q4 non-GAAP営業利益率
LITE:36.6%
COHR:21.8%
・次四半期売上ガイダンスYoY
LITE:+134.2%
COHR:+45.4%
・次四半期EPSガイダンスYoY
LITE:+281.8%
COHR:+68.1%
・FY2026設備投資
LITE:$451.3M
COHR:約$1.10B
・FY2026 FCF
LITE:約+$300M
COHR:約-$1.02B
・Q4在庫YoY
LITE:+47.1%
COHR:+79.5%
・購入義務/仕入先コミットメント
LITE:$2.354B
COHR:$11.8B
・購入義務/コミットメントのFY2026売上高比率
LITE:約78%
COHR:約166%
・上位2顧客の売上構成比
LITE:41.6%
COHR:32%
・InP戦略
LITE:高性能レーザーを優先し、Greensboroで6インチへ移行
COHR:TexasとSwedenで6インチInPをすでに量産
・OCS
LITE:MEMS式、300×300、20年以上のWSS実績
COHR:液晶式、64×64/320×320、制御ソフトウェア
LITEは、現在の利益捕捉で明確に勝っている。
Q4の売上規模はCOHRの約半分だが、売上成長率は3倍を超え、粗利率は10.2ポイント、営業利益率は14.8ポイント上回った。
さらに、LITEはFY2026に約$300MのFCFを生み出した。
COHRは6インチInP、トランシーバ、OCS、CPOなどへの能力増強により、FY2026のFCFが約-$1.02Bとなった。
したがって、現在の売上高が大きいのはCOHRだが、売上から利益とキャッシュを取り出す能力はLITEが上にある。
ただし、両社は同じ方法で競争しているわけではない。
LITEは、EML、UHPレーザー、ポンプレーザー、狭線幅レーザーなど、製造難度が高く、顧客の完成品歩留まりへ影響する製品へ経営資源を集中している。
200G EMLは100G EMLに対してASPがおおむね2倍となり、CPO向けUHPレーザーでは、高出力、狭線幅、低ノイズ、長期信頼性を同時に満たす必要がある。
この性能差と供給不足が、価格プレミアムと50%を超える粗利率へつながっている。
一方、COHRが狙っているのは、6インチInPによる生産能力と単位コストの構造的な改善である。
COHRによれば、6インチウエハーは3インチに対して1枚から取れるデバイス数が4倍を超え、デバイス当たりコストは半分未満になる。
さらに、EML、CWレーザー、フォトダイオードのすべてで、6インチラインの歩留まりが成熟した3インチラインを上回っていると説明している。
COHRはTexasとSwedenですでに6インチInPを量産しており、2026年末までにInP能力を2倍へ引き上げ、2027年末までにさらに2倍超へ増やす計画である。
この増産が計画どおり進めば、AI光通信業界の供給量は大きく増える。
それはCOHRの売上機会になると同時に、LITEが現在享受している希少性価格を弱める可能性がある。
ただし、COHRの6インチが低コストだからといって、LITEの高性能レーザーが直ちに代替されるわけではない。
ウエハー当たりのチップ数を増やす製造能力と、狭線幅、低ノイズ、高出力、信頼性、顧客のモジュール歩留まりを同時に満たす製品能力は別の論点である。
COHRがLITEの利益率を崩すには、供給量を増やすだけでなく、同等の性能と歩留まりを顧客の量産工程で実証する必要がある。
また、COHRの増産には大きな資本負担が伴っている。
FY2026の設備投資は約$1.10B、在庫はYoY +79.5%、仕入先への購入コミットメントは$11.8Bまで増加した。
需要が続けば、これらは売上と利益へ変わる。
需要成長が供給能力の増加を下回れば、在庫、購入義務、減価償却、固定費が同時に利益を圧迫する。
LITEの資本負担はCOHRより軽い。
しかし、無視できる規模ではない。
LITEにも$2.354Bの購入義務があり、期末の未払設備投資は$181.4Mまで増加した。さらに、上位2顧客がFY2026売上の41.6%を占めている。
COHRより高い利益率とFCFを生み出している一方、その利益は少数顧客の需要と価格条件へ強く依存している。
現在の構造を整理すると、
LITEは、高性能製品、顧客歩留まり、価格プレミアムによって利益を先に取っている。
COHRは、6インチInP、垂直統合、広い製品群への先行投資によって、供給能力とコスト構造から追っている。
現在の利益捕捉とキャッシュ転換ではLITEが上である。
製造能力の規模、6インチ量産の実証、製品方式の広さではCOHRが上である。
両社の本当の勝負は、需要が強く供給が不足している現在ではない。
LITEのGreensboroとCOHRの追加6インチ能力が本格稼働し、供給量が大きく増える2028年以降である。
その段階でもLITEが50%前後の粗利率を維持できれば、高収益は単なる供給不足ではなく、性能、歩留まり、信頼性によって防衛された利益である可能性が高まる。
反対に、供給増加とともに価格と粗利率が下がるなら、現在の利益の一部は不可逆モートではなく、時限的な希少性利益だったことになる。
■ MEMS式OCSとは、微小ミラーの角度で光の出口を選ぶ装置
LITEのOCSは、3D-MEMS方式である。
MEMSとは、Micro-Electro-Mechanical Systems、微小電気機械システムの略である。
難しく聞こえるが、仕組みは比較的単純だ。
シリコン上に作った極めて小さなミラーを上下左右へ傾け、入力ファイバーから入ってきた光を、指定された出力ファイバーへ反射させる。
300本の入力ファイバーと300本の出力ファイバーがある場合、制御ソフトウェアが接続先に必要なミラー角度を計算し、光の進行方向を変える。
多数の懐中電灯と多数の標的の間に、小さな鏡を置くイメージに近い。
鏡の角度を変えることで、それぞれの光を目的の標的へ向ける。
LITEのR300では、最大300入力×300出力の中から任意の光路を設定できる。
重要なのは、光信号を一度電気信号へ戻して処理するのではないことだ。
一般的な電気式スイッチでは、
光信号を受信する。
電気信号へ変換する。
半導体で転送先を判断する。
再び光信号へ変換する。
という処理が必要になる。
OCSは、光を光のまま反射させて接続先を変える。
そのため、電気変換に必要なDSP、SerDes、スイッチ半導体などを光路の途中に置かず、消費電力と遅延を抑えられる。
ただし、OCSはデータのパケットごとに接続先を変える装置ではない。
学習ジョブ、推論モデル、GPU障害、負荷状況などに応じてネットワーク構成を変更し、設定した光路を一定時間維持する装置である。
GPUクラスターの接続構成を組み替える、光学的なポイント切り替え装置と考えた方が分かりやすい。
MEMS式の強みは、光が主として自由空間を進み、ミラーで反射されるため、光学損失を小さくしやすいことにある。
光学損失が大きくなると、受信側へ届く光が弱くなる。
その分、より高出力のレーザー、高感度の受信器、短い伝送距離が必要となり、システムの電力とコストが増える。
LITEはR300の標準的な挿入損失を1.5dB以下としている。また、光を電気的に読み取っていないため、400G、800G、1.6Tと通信速度が上がっても、原理的には同じスイッチを使用できる。
一方、MEMSには実際にミラーを動かす機構がある。
したがって、ミラーの位置精度、駆動機構の耐久性、振動、長期的な光軸のずれが問題になり得る。
ただし、ここで動いているのは一般的な機械式スイッチの大型部品ではない。
半導体製造技術で作られた微小な単結晶シリコンミラーである。
LITEは、単結晶シリコン構造によってヒンジ疲労を抑え、数億回の動作でも故障が確認されていないと説明する。さらに、同じMEMS技術を使ったWSSを通信ネットワークで20年以上運用してきた実績を持つ。
これはMEMSの機械的な弱点が完全に消えたことを意味しない。
しかし、信頼性が研究室内の主張だけではなく、長期間の量産と実運用によって一定程度実証されていることは、LITEの重要な優位性である。
対するCOHRのOCSは、デジタル液晶方式を採用している。
液晶分子の向きを電圧によって変え、光の進行方向を制御する。
ミラーを機械的に傾ける必要がないため、可動部がなく、10V未満の低い駆動電圧で動作できることをCOHRは強みとしている。
COHRにも18年以上の液晶式WSSの経験があり、海底通信を含めて16万台以上を出荷している。したがって、液晶式を実績のない新技術として扱うことはできない。
両社の主張を整理すると、
LITEは、ミラー反射による低い挿入損失、自由空間光学、MEMS式WSSで積み上げた信頼性を強みとする。
COHRは、機械的な可動部がないこと、低い駆動電圧、液晶式WSSで積み上げた信頼性を強みとする。
どちらにも合理性がある。
ただし、両社が開示している数値は、ポート数、光学条件、波長、測定方法が統一されていない。
同一条件における挿入損失、故障率、スイッチ時間、消費電力、保守費用を直接比較した一次データも確認できていない。
したがって、MEMS式と液晶式のどちらが最終的な標準になるかは、現時点では断定できない。
現在の実証でLITEが先行して見える理由は、MEMSという方式だけではない。
300×300のR300を既に量産していること。
標準的な挿入損失を1.5dB以下と開示していること。
複数顧客へ出荷し、売上へ接続していること。
そして、複数年・数十億ドル規模の受注まで進んでいることである。
COHRも64×64と320×320を量産し、10社を超える顧客と開発を進めているため、技術競争は決着していない。
現時点のLITEの優位は、MEMS式が理論的に絶対優位だからではなく、低損失、量産、顧客採用、契約規模が一歩先に実証されていることにある。
したがってOCSは、供給不足の影響を受けるレーザー事業とは分けて評価する必要がある。
レーザーの高収益が時限的な希少性利益である可能性を残す一方、OCSには、長年の技術蓄積と顧客運用へ組み込まれることで防衛力が拡大する、別のモート候補が存在する。
■ 最大のリスクは、需要減速より供給正常化である
現在のLITEに需要不足の兆候はない。
むしろ会社は、EMLと初期CPOレーザーについて需要の30%以上を供給できていないと説明している。
長期契約、前払い、take-or-payもある。
短期的な売上視認性は高い。
しかし、株主が警戒すべきなのは需要が突然ゼロになることではない。
需要成長率が供給能力の成長率を下回ることである。
LITE、COHR、中国企業、基板供給者、後工程企業が同時に能力を増やしている。
需要が増えても、供給がそれ以上に増えれば、価格プレミアムは縮小する。
粗利率50%が45%へ下がるだけでも、売上規模が大きくなった後の営業利益とEPSへの影響は大きい。
しかも、LITEは価格と製品ミックスが粗利率改善の中心であり、原価低減の寄与はまだ小さい。
LITEのモートを監査するには、売上成長率だけでは足りない。
供給能力が増えた後のASP、歩留まり、粗利率を見る必要がある。
■ 資本投下は受注で裏付けられているが、無リスクではない(10-K資料確認後差し替え)
LITEの能力増強は、需要予測だけを根拠にした投機的な設備投資ではない。
NVIDIAを含む顧客との長期購入契約があり、一部にはtake-or-pay、数量、価格、前払いなどの条件が含まれる。
OCSでも、複数年・数十億ドル規模の購入契約を獲得している。
200G EML、UHPレーザー、OCS、1.6Tトランシーバについては、製品開発、顧客認証、受注、設備投資、量産が順番に売上へ接続し始めている。
FY2026の営業CFは$751.4M、設備投資の現金支出は$451.3M、単純FCFは$300.1Mだった。
COHRが約$1.10Bを設備投資へ使い、約-$1.02BのFCFとなったのに対し、LITEは能力増強とプラスFCFを両立している。
少なくとも現在まで、LITEの資本投下は売上とキャッシュへ変わっている。
ただし、現金支出だけを見ると、実際の投資負担を軽く見積もる可能性がある。
LITEの期末未払設備投資は、前年の$43.4Mから$181.4Mへ増加した。
これは、設備を取得したものの、期末時点ではまだ現金支出に反映されていない金額である。
したがって、FY2026の単純FCF $300.1Mだけを見て、LITEが軽い資本で成長していると結論づけることはできない。
さらに重要なのが、仕入先への購入義務である。
FY2026末の購入義務は$2.354Bに達した。
そのうち$2.113B、全体の約90%が1年以内に支払期限を迎える。
購入義務は、在庫などの購入に関する法的拘束力のあるコミットメントであり、FY2026売上高$3.014Bの約78%に相当する。
需要が計画どおり伸びれば、これは供給を確保する武器になる。
需要が減速すれば、購入義務は在庫、稼働率低下、価格下落とともに利益を圧迫する。
ここで、顧客契約と仕入先契約を同じものとして扱ってはいけない。
経営陣は、一部の顧客契約にtake-or-payや前払いが含まれると説明している。
一方、10-Kで確認できる期末の繰延収益と顧客預り金は、流動$15.4M、非流動$1.4M、合計$16.8Mにとどまる。
つまり、LITEが負う$2.354Bの購入義務すべてに対して、顧客から同額規模の前受金を受け取っているわけではない。
長期契約は需要の視認性を高めるが、設備投資と仕入れの資金負担まで顧客が全面的に引き受けているわけではない。
また、LITEは残存履行義務について、契約負債とキャンセル不能のバックログで構成されると説明しているが、その総額を定量開示していない。
10-Kでは同時に、バックログは将来の売上高や売上時期を正確に示すとは限らないとも警告している。
顧客による発注延期、仕様変更、需要予測の変更、競合への切り替えが発生した場合、LITEが仕入先への購入義務を同じ速度で減らせるとは限らない。
このリスクは顧客集中によって大きくなる。
FY2026は最大顧客が売上高の26.6%、第2顧客が15.0%を占め、上位2顧客の合計は41.6%となった。
大口顧客との契約が能力増強を裏付ける一方、その顧客が製品構成、発注時期、調達比率を変更した場合の影響も大きい。
供給網にも制約が残る。
LITEはInP基板について長期契約を結んでいるが、需要予測の上昇によって追加供給源が必要になったと説明している。
InP基板、製造装置、後工程、組立、検査のいずれかが不足すれば、設備を持っていても完成品を出荷できない。
反対に、供給網全体が同時に増強された後に需要が減速すれば、過剰能力が固定費と価格低下として表れる。
したがって、現在の資本投下には受注による裏付けがある。
営業CFとFCFも、投資が実際のキャッシュへ変わり始めたことを示している。
しかし、購入義務$2.354Bに対して、期末の顧客預り金は$16.8Mである。
長期契約があることと、資本投下が無リスクであることは同じではない。
今後確認すべきなのは、設備投資額そのものではない。
購入義務と能力増強が売上へ変わり、在庫が回転し、粗利率を維持したままFCFとして回収されるかである。
■ Future 40の四つの問いにかける
第一問:5年後に価値創造のボトルネックを握るか
暫定評価は「可能性が高い」である。
AIファクトリーは計算能力だけでは拡張できない。
InPレーザー、光接続、帯域密度、電力効率、OCSによるGPU利用率がボトルネックになる。
LITEは高出力レーザー、EML、ポンプレーザー、狭線幅レーザー、MEMS OCSを持つ。
第一問はかなり明確に点灯している。
第 問:未来の利益プールを十分な割合で捕捉できるか
現在は捕捉している。
Q4 non-GAAP粗利率50.4%、営業利益率36.6%は、単なる売上通過企業の利益率ではない。
Q1 FY2027には営業利益率40%へ到達する見通しである。
ただし、現在の供給不足を除いた正常時利益率は未確認である。
第二問は現在通過しているが、5年間の通過証明にはなっていない。
第三問:その利益を他者へ漏らさず維持できるか
未通過である。
NVIDIAはLITEとCOHRの両方へ$2Bを出資した。
契約は非独占であり、顧客は複数調達を維持する。
COHRは6インチInPを量産し、能力と単位コストを改善している。
中国企業はCWレーザーから参入し、より難しい製品へ上がる可能性がある。
LITEには設計、歩留まり、信頼性、顧客認証の防衛構造がある。
しかし利益が漏れない構造までは確認できていない。
第四問:その防衛構造は5年間さらに拡大するか
方向は拡大である。
200G EML、UHPレーザー、ELS、OCS、CPO、NPO、scale-up、scale-acrossへ製品範囲が広がっている。
ただし、本格的なscale-up、Greensboroの6インチ、複数顧客向けELSはまだ初期段階である。
現在の実証として認められるのは、EML、scale-acrossレーザー、初期CPO、OCSまでである。
したがって、四問すべてを通過させることはできない。
LITEをFuture 40へ入れない判断は維持する。
■ 不可逆モートは認めない。しかしCOHRより利益捕捉は進んでいる(10-K資料確認後差し替え)
LITEとCOHRは、Future 40ではともに除外している。
しかし、同じ理由で除外しているわけではない。
COHRは6インチInP、EML、CWレーザー、Silicon Photonics、トランシーバ、OCSを横断する垂直統合によって、AI光通信のボトルネックを握り始めた。
一方、その能力を作るため、FY2026に約$1.10Bを設備投資へ使い、在庫はYoY +79.5%、仕入先への購入コミットメントは$11.8Bまで増加した。
FY2026のFCFは約-$1.02Bである。
COHRは、将来の利益プールを取りにいくための製造能力を先に作っている。
しかし、その利益が一株当たりFCFとして株主へ残るところまでは実証できていない。
LITEは一段先に進んでいる。
Q4 non-GAAP粗利率は50.4%、営業利益率は36.6%となり、FY2026の営業CFは$751.4M、単純FCFは$300.1Mだった。
COHRが設備、在庫、購入コミットメントへキャッシュを先行投入しているのに対し、LITEは能力増強を進めながらプラスのFCFを生み出している。
現在の事業利益とキャッシュ転換では、LITEが明確に上である。
ただし、「企業が利益を取っていること」と「既存株主が一株当たりで利益を受け取っていること」は分けて考える必要がある。
LITEのQ4 non-GAAP希薄化後株式数は101.1M株となり、前年同期比で40.4%増加した。
NVIDIAへの転換優先株発行、転換社債の株式化、株式報酬によって、売上と営業利益の拡大と同時に、一株当たり価値の分母も大きくなった。
FY2026に額面$1.125Bの転換社債を株式で決済したことで負債は減少したが、それは価値が消えたのではなく、債権者の請求権の一部が株主側へ移転したことを意味する。
したがってLITEは、営業利益の捕捉ではCOHRより進んでいる。
しかし、利益を既存株主の一株当たり価値として残す実証では、希薄化を含めて監査する必要がある。
さらに、LITEの高収益がすべて技術モートから生まれているとも断定できない。
経営陣は、直近の粗利率改善について、価格と製品ミックスの寄与が大きく、変動原価の改善はまだ小さいと説明している。
高性能、信頼性、顧客歩留まりによる構造的な価格プレミアムと、供給不足による一時的な希少性価格が混在している。
COHRの6インチInP、LITEのGreensboro、他社の能力増強によって供給が増えた後にも、LITEが50%前後の粗利率を維持できるかは確認できていない。
また、LITEにも$2.354Bの購入義務、$181.4Mの未払設備投資、上位2顧客への41.6%の売上集中がある。
COHRより資本負担が軽く、キャッシュ転換も進んでいるが、需要と供給の変化から独立した利益構造ではない。
Future 40の四つの問いで整理すると、COHRは第一問と第四問が点灯し始めた一方、第二問の利益捕捉が弱い。
LITEは第一問と第二問を現在通過しているが、第三問の利益防衛が弱い。
さらに、一株当たり価値で見れば、LITEの第二問にも希薄化という留保が付く。
COHRは、能力を利益へ変えられるかが問われている。
LITEは、現在の利益を供給正常化後も維持し、希薄化を抑えながら株主へ残せるかが問われている。
したがって、現時点でも両社に不可逆モートを認めることはできない。
ただし、現在の利益率、FCF、投資回収の実証では、LITEがCOHRより明確に先行している。
■ 市場は、強い決算をさらに買った
決算発表翌日の2026年8月12日、LITEは$932.47で引け、前日比+13.63%となった。
日中高値は$966.60、安値は$836.31だった。
8月14日終値は$926.14。
過去1年間の上昇率は+708.01%となっている。
市場は単にQ4実績を買ったのではない。
Q1売上ガイダンス中央値$1.25B、営業利益率40%、EPS $4.20によって、売上と利益率がさらに加速することを買った。
一方、株価は200日移動平均約$636を約46%上回る。
決算モメンタムは強い。
価格の期待も極めて高い。
■ バリュエーションは、相当な実行を織り込んでいる(10-K資料確認後差し替え)
2026年8月14日終値$926.14に対して、Seeking Alphaでは、
* non-GAAP P/E TTM:110.65倍
* non-GAAP P/E Forward:42.83倍
* EV/Sales Forward:12.93倍
* EV/EBITDA Forward:29.22倍
* EV/EBIT Forward:31.57倍
* Price/Sales Forward:13.10倍
となっている。
Forward P/E 42.83倍から逆算される予想EPSは、
$926.14 ÷ 42.83=約$21.63
である。
Q1 FY2027のEPSガイダンス中央値$4.20を単純に4倍すると、年率換算EPSは$16.80となる。
市場は、Q1ガイダンスの達成だけではなく、Q2以降も売上、営業利益率、EPSが連続的に増えることを織り込んでいる。
ただし、LITEの現在のバリュエーションを見るうえでは、株式数を整理する必要がある。
2026年8月14日時点の普通株式数は89.7M株である。
さらに、NVIDIAが保有する転換優先株約2.9M株は、普通株と同じように配当へ参加し、1対1で普通株へ転換できる。
この優先株を普通株へ換算すると、経済的な株式数は約92.6M株となる。
株価$926.14に対する普通株時価総額は約$83.1B。
NVIDIA優先株を普通株へ換算した株式価値は約$85.8Bとなる。
FY2026末の現金+短期投資は$2.738B、総有利子負債は$1.637Bだった。
これを使うと、NVIDIA優先株を含む概算企業価値は、
$85.8B+$1.637B-$2.738B=約$84.7B
となる。
ただし、これは完全希薄化後の企業価値ではない。
Q4のnon-GAAP希薄化後株式数は101.1M株で、Q1 FY2027ガイダンスは約102M株を前提としている。
普通株とNVIDIA優先株の合計約92.6M株との差は、株式報酬や転換社債などによる潜在希薄化である。
さらにLITEは、2026年8月14日までに額面$757.8Mの転換社債について追加の早期転換請求を受けている。
転換時には元本部分を原則として現金で支払い、株価上昇による転換価値の超過部分を現金または株式で決済する。
したがって、今後は負債と現金が同時に減る一方、追加株式が発行される可能性がある。
また、残存する2032年満期転換社債$1.265Bの転換価格は$187.77、capped callの上限は$268.24である。
現在株価$926.14はこの上限を大幅に超えているため、capped callによって転換社債の希薄化がすべて相殺される状態ではない。
もっとも、Seeking AlphaのForward P/Eが直ちに誤っていることを意味するわけではない。
P/Eは株価を希薄化後EPSで割るため、分母となるアナリスト予想EPSが最新の希薄化を反映していれば計算は成立する。
問題は、表示された倍率だけでは、どの株式数と将来利益が使われているか分からないことである。
Seeking AlphaのPrice/Sales Forward 13.10倍を普通株時価総額約$83.1Bから逆算すると、売上高の分母は約$6.34Bとなる。
Forward P/Eから逆算したEPSは約$21.63である。
つまり市場は、おおむね、
* NTM売上高:約$6.3B
* NTM EPS:約$21.6
* 高い利益率の維持
* Q2以降も連続的な増収増益
を織り込んでいる可能性が高い。
LITEは高い倍率で評価されているだけではない。
FY2026売上高$3.014Bに対して、今後12か月で売上を約2倍へ増やしながら、40%前後のnon-GAAP営業利益率を維持することまで要求されている。
現在のバリュエーションは、需要が強いことだけを織り込んだ価格ではない。
能力増強、製品ミックス、価格、歩留まり、顧客需要、希薄化のすべてを管理し、高成長と高利益率を同時に維持することを織り込んだ価格である。
■ 独自NTMバリュエーション(10-K資料確認後差し替え)
NTMは今後12か月を意味する。
LITEは成長速度が極めて速いため、過去12か月の利益を分母にしたTTM P/Eでは、現在の実力を適切に評価できない。
一方、会社はQ1 FY2027までしか正式なガイダンスを示していない。
したがって、Q1は会社ガイダンス中央値を使用し、Q2以降は現在確認できる製品立ち上がりと能力増強から独自に仮定する。
なお、FY2027は53週で、Q3が14週間となる。
Q3のQoQ成長には、製品需要だけでなく、通常より1週間多い影響も含まれる。
基準ケースの売上高は次のように置く。
* Q1 FY2027:$1.25B
* Q2 FY2027:$1.45B
* Q3 FY2027:$1.65B
* Q4 FY2027:$1.85B
NTM売上高は$6.20Bとなる。
Q1は会社ガイダンス中央値である。
Q2以降は、200G EML、1.6Tトランシーバ、OCS、ポンプレーザー、狭線幅レーザー、scale-out向けUHPレーザー、初期ELSが段階的に加わると仮定した。
一方、本格的なscale-up向けCPOは2027年後半から出荷が始まり、顧客製品への搭載は2028年初頭とされている。
したがって、基準ケースには本格的なscale-up売上を大きく織り込まない。
non-GAAP営業利益率は、
* Q1:40.0%
* Q2:40.5%
* Q3:41.0%
* Q4:41.5%
と置く。
Q1は会社ガイダンス中央値である。
Q2以降は、高マージンの200G EML、OCS、UHPレーザーの構成比上昇と固定費吸収によって緩やかに改善すると仮定した。
一方、1.6TトランシーバはレーザーやOCSより粗利率が低いため、売上成長に比例して営業利益率が急上昇するとは置いていない。
この前提によるNTM non-GAAP営業利益は約$2.53B、営業利益率は約40.8%となる。
EPSは次の方法で計算する。
Q1は会社ガイダンス中央値$4.20を使用する。
Q2以降は、各四半期のnon-GAAP営業利益に純金利収益などのその他利益$12Mを加え、税率16.5%を適用する。
希薄化後株式数は、
* Q1:約102M株
* Q2:約103M株
* Q3:約104M株
* Q4:約105M株
と置く。
Q1は会社ガイダンスの前提である。
Q2以降は、株式報酬と転換社債の影響によって、希薄化後株式数が緩やかに増えると仮定した。
この結果、四半期EPSは、
* Q1:$4.20
* Q2:約$4.86
* Q3:約$5.53
* Q4:約$6.20
となる。
基準ケースのNTM EPSは約$20.79である。
現在株価$926.14に対するNTM P/Eは、
$926.14 ÷ $20.79=約44.6倍
となる。
Seeking AlphaのForward P/Eから逆算したEPS約$21.63は、独自基準ケースの$20.79を約4%上回る。
つまり市場は、私の基準ケースよりやや強い売上成長、利益率、または一株利益を織り込んでいる。
次に、企業価値を使って確認する。
NVIDIA優先株を普通株へ換算した株式価値と、FY2026末の現金・負債を使った概算企業価値は約$84.7Bである。
これを基準ケースに当てはめると、
* NTM EV/Sales:約13.7倍
* NTM EV/non-GAAP営業利益:約33.4倍
となる。
このEVは、8月14日の株価と6月27日の貸借対照表を組み合わせた概算値である。
期末後の転換社債決済によって現金、負債、株式数が変化するため、完全な現在値ではない。
ただし、現在の評価が高いという結論は変わらない。
基準ケースでは、売上高がFY2026の$3.014BからNTM $6.20Bへ約2倍となる。
non-GAAP営業利益率も40%を超える。
EPSはQ4 FY2026の$3.23から、NTM最終四半期には約$6.20まで増加する。
それでもNTM P/Eは約44.6倍、EV/Salesは約13.7倍である。
現在価格を正当化するには、単にQ1ガイダンスを達成するだけでは足りない。
Q2以降も売上とEPSが上昇し続け、粗利率50%前後と営業利益率40%前後を維持し、希薄化後株式数の増加を抑える必要がある。
さらに、12か月後も40倍を超える評価が維持されるためには、2028年以降のscale-up、CPO、NPO、OCS、Greensboroまで市場が信じ続ける必要がある。
したがって、現在価格は「高成長だから正当化できる価格」ではある。
しかし、「会社が計画どおり実行すれば十分な上昇余地が生まれる価格」ではない。
市場予想を上回り続けることが前提となった価格である。
■ 弱気・基準・強気で見る(10-K資料確認後差し替え)
LITEのバリュエーションは、一つの予想だけでは判断しにくい。
売上成長だけでなく、製品ミックス、価格、営業利益率、希薄化後株式数が同時にEPSへ影響するためである。
そこで、弱気、基準、強気の三つに分ける。
弱気ケース
* NTM売上高:$5.70B
* non-GAAP営業利益率:約39.8%
* NTM EPS:約$18.66
* 現在株価に対するNTM P/E:約49.6倍
弱気ケースでも、FY2026売上高$3.014Bから約89%成長する。
弱気とは需要が崩壊するケースではない。
1.6T、OCS、200G EMLの立ち上がりが想定より緩やかになり、粗利率と営業利益率がQ1ガイダンス付近で伸び悩むケースである。
基準ケース
* NTM売上高:$6.20B
* non-GAAP営業利益率:約40.8%
* NTM EPS:約$20.79
* 現在株価に対するNTM P/E:約44.6倍
* NTM EV/Sales:約13.7倍
* NTM EV/non-GAAP営業利益:約33.4倍
Q1は会社ガイダンス中央値を使い、Q2以降も200G EML、1.6T、OCS、UHPレーザーなどが段階的に拡大すると仮定した。
本格的なscale-up向けCPOは大きく織り込んでいないが、現在確認できる製品だけでも高い連続成長が必要になる。
強気ケース
* NTM売上高:$6.60B
* non-GAAP営業利益率:約41.4%
* NTM EPS:約$22.39
* 現在株価に対するNTM P/E:約41.4倍
強気ケースでは、売上高がFY2026実績から約119%増加する。
1.6T、OCS、200G EML、ポンプレーザー、UHPレーザーが計画を上回って立ち上がり、高マージン製品の構成比上昇によって営業利益率も改善する前提である。
それでも、現在株価に対するPERは約41倍となる。
Seeking AlphaのForward P/Eから逆算したEPS約$21.63は、基準ケース$20.79と強気ケース$22.39の間にある。
市場はすでに、基準ケースをやや上回る業績を織り込んでいる。
12か月後の評価倍率を40倍とすると、
* 弱気ケース:株価約$746
* 基準ケース:株価約$832
* 強気ケース:株価約$896
となる。
いずれも現在株価$926.14を下回る。
45倍を維持できれば、
* 弱気ケース:株価約$840
* 基準ケース:株価約$936
* 強気ケース:株価約$1,008
となる。
つまり、基準ケースが実現しても、現在価格からの上昇余地を作るには約45倍の評価を維持する必要がある。
強気ケースまで成長しても、PERが40倍へ低下すれば現在株価を下回る。
現在価格には、業績成長だけでなく、高い評価倍率が維持されることまで織り込まれている。
したがって、現在のLITEは「業績が強ければ上がる株」ではない。
業績が強気ケースへ近づき、その先の2028年成長も市場が信じ続けた場合に、初めて十分な上昇余地が生まれる株である。
■ LITE、COHR、MRVLのモメンタムを比較する(10-K資料確認後差し替え)
LITE、COHR、MRVLはいずれもAIファクトリーの接続需要から成長する。
しかし、握っているレイヤー、利益率、資本負担、現在価格が要求する成長は異なる。
・NTM売上高
LITE:約$6.20B
COHR:約$10.60B
MRVL:約$12.75B
・NTM EPS
LITE:約$20.79
COHR:約$9.27
MRVL:約$4.53
・NTM P/E
LITE:約44.6倍
COHR:約35.1倍
MRVL:約49倍
・概算NTM EV/Sales
LITE:約13.7倍
COHR:約6.3倍
MRVL:約16.0倍
・直近non-GAAP粗利率
LITE:50.4%
COHR:40.2%
MRVL:58.9%
・直近non-GAAP営業利益率
LITE:36.6%
COHR:21.8%
MRVL:約35%
・直近通期FCF
LITE:約+$300M
COHR:約-$1.02B
MRVL:約+$1.40B
・主な成長要因
LITE:200G EML、OCS、1.6T、UHPレーザー、CPO/NPO
COHR:6インチInP、1.6T、OCS、PhotonLink、CPO/NPO
MRVL:Custom XPU、DSP、SerDes、Switch、TIA、DCI、CPO
・Future 40
LITE:除外
COHR:除外
MRVL:採用
業績成長率ではLITEが最も強い。
Q1 FY2027ガイダンス中央値は、売上高YoY +134.2%、EPS +281.8%、non-GAAP営業利益率40.0%を示している。
200G EML、1.6T、OCS、ポンプレーザー、狭線幅レーザーは、すでに売上へ接続している。
本格的なscale-up向けCPOが始まる前に、既存製品だけで売上と利益率が加速している点は強い。
COHRは、三社の中で最も倍率が低い。
NTM P/E約35倍、EV/Sales約6.3倍であり、LITEとMRVLより期待値は低い。
ただし、低い倍率には理由がある。
FY2026のFCFは約-$1.02B、在庫はYoY +79.5%、仕入先への購入コミットメントは$11.8Bまで増加した。
COHRのモメンタムが株主価値へつながるには、6インチInPの能力増強を売上へ変えるだけでは足りない。
粗利率、営業利益率、営業CF、FCFまで改善する必要がある。
LITEはCOHRより高い倍率で評価されているが、すでに粗利率50.4%、営業利益率36.6%、通期FCF約$300Mへ到達している。
したがって、両社の倍率差は、単なる人気の差ではない。
LITEが利益捕捉とキャッシュ転換を先に実証していることへの評価でもある。
MRVLは、利益の質と長期防衛力で最も上にある。
DSP、SerDes、TIA、ドライバー、スイッチ、Custom XPUなど、顧客の半導体設計とネットワークアーキテクチャへ組み込まれるIPを持つ。
自社で大規模なInP工場を建設する必要がなく、LITEやCOHRより資本負担が軽い。
直近non-GAAP粗利率58.9%、営業利益率約35%、FY2026 FCF約$1.40Bは、この構造を示している。
一方、MRVLのNTM P/Eは約49倍、EV/Salesは約16倍である。
三社の中で最も利益の質が高いが、バリュエーションも最も高い。
また、MRVLの成長はCPOだけで作られているわけではない。
Custom XPU、XPU attach、DSP、Ethernet switching、DCIが現在の成長の中心であり、CPOは将来の追加オプションである。
したがって、三社を単純な光通信銘柄として比較するべきではない。
整理すると、
* 業績成長率と上方修正モメンタム:LITE
* 倍率の低さと業績改善余地:COHR
* 利益の質、FCF、長期防衛力:MRVL
となる。
ただし、株式投資では「最も成長している企業」が、そのまま「最も期待リターンが高い株」になるわけではない。
LITEは最も強い成長を示しているが、その強さを最も大きく株価へ織り込んでいる。
COHRは倍率が低いが、能力増強をFCFへ変換する実証が足りない。
MRVLは長期的な利益構造が最も強いが、現在価格では高い成長を維持することが前提になっている。
■ モメンタム投資の軍配はLITE。しかし現在価格では追わない(10-K資料確認後差し替え)
時限的な決算モメンタム投資で最も重要なのは、5年後のモート完成度だけではない。
今後数四半期に、
* 売上予想
* 粗利率予想
* 営業利益率予想
* EPS予想
* 顧客需要
* 生産能力
が同じ方向へ上方修正されるかを見る。
この条件を最も強く満たしているのはLITEである。
Q4売上高はYoY +109.3%。
non-GAAP粗利率は50.4%。
営業利益率は36.6%。
Q1ガイダンス中央値は売上高YoY +134.2%、営業利益率40.0%、EPS YoY +281.8%を示した。
会社が2026年3月時点で9~12か月後に見込んでいた四半期売上$1.25Bを、1四半期以上前倒しで達成する見通しである。
さらに、200G EML、1.6T、OCS、ポンプレーザー、狭線幅レーザーは、将来の物語ではなく、すでに売上へ接続している。
本格的なscale-up向けCPOは、まだ現在の決算に大きく入っていない。
したがって、企業業績のモメンタムではLITEに軍配が上がる。
COHRには、6インチInP能力の増加によって売上予想を上回る可能性がある。
倍率もLITEより低い。
しかし、COHRの投資判断では、売上成長だけでなく、粗利率、在庫、営業CF、FCFの改善を同時に確認する必要がある。
現在のCOHRは、業績上方修正の余地はあるが、能力増強が株主利益へ残るかの実証がLITEより弱い。
MRVLは長期的な利益防衛力で最も高く評価できる。
しかしNTM P/E約49倍であり、時限的モメンタム投資として割安ではない。
また、私はすでにMRVLを保有し、長期コア候補として検証している。
短期的な決算モメンタムを理由に、同じ銘柄の位置づけを変える必要はない。
問題はLITEの株価である。
株価は1年間で約8倍となった。
基準ケースNTM EPS約$20.79に対するPERは約44.6倍。
強気ケースEPS約$22.39まで伸びても約41.4倍である。
12か月後にPERが40倍へ低下すれば、強気ケースでも株価は約$896となり、現在価格$926.14を下回る。
つまり、LITEは強い決算を出すだけでは足りない。
強気ケースへ近い業績を実現し、その先のCPO、scale-up、OCS、Greensboroまで市場が高く評価し続ける必要がある。
さらに、Q4のnon-GAAP希薄化後株式数はYoY +40.4%となった。
業績上方修正が続いても、転換社債と株式報酬による希薄化が続けば、一株当たり価値の伸びは抑えられる。
したがって、結論は二つに分ける必要がある。
企業モメンタムの勝者はLITEである。
現在価格におけるモメンタム投資の勝者は、まだ存在しない。
LITEを買う条件は、単に株価が下がることではない。
EPS予想が上方修正される一方、株価が横ばいまたは下落し、NTM P/Eが30倍台へ低下することである。
あるいは、現在価格を維持したままでも、NTM EPSが基準ケースを大きく超え、倍率が業績成長によって自然に低下する必要がある。
反対に、
* 売上ガイダンスの上方修正停止
* 粗利率50%割れの定着
* OCSまたは1.6Tの立ち上がり遅延
* 在庫と購入義務の先行
* 希薄化後株式数の想定以上の増加
が確認された場合、時限的モメンタム投資の前提は弱くなる。
現時点の結論は、
「業績モメンタムではLITEが最も強い。しかし、その強さを現在株価がほぼ織り込んでいるため、新規投資では三社とも追わない」
となる。
■ ポートフォリオへどう接続するか(10-K資料確認後差し替え)
私はすでにNVDA、MRVL、DELLを通じて、AIファクトリーへ大きな投資比率を持っている。
LITEやCOHRを追加しても、ポートフォリオ全体の分散効果は大きくない。
むしろ、
* NVIDIAとハイパースケーラーのAI設備投資
* 800Gから1.6Tへの移行
* CPO/NPO
* scale-up/scale-out/scale-across
* InPレーザーの需給
* AIデータセンターの建設速度
への感応度をさらに高める。
LITE、COHR、MRVLは、同じ会社ではない。
MRVLは、DSP、SerDes、TIA、ドライバー、スイッチ、Custom XPUなど、電気信号の処理とネットワークアーキテクチャを握る。
LITEは、EML、UHPレーザー、ポンプレーザー、狭線幅レーザー、OCSなど、実際に光を作り、制御する部品とサブシステムを握る。
COHRは、6インチInP、EML、CWレーザー、Silicon Photonics、トランシーバ、OCS、ファイバーなどを幅広く持つ。
同じCPOシステムの中で、MRVLのDSPやTIAと、LITEまたはCOHRのレーザーや光学部品が同時に使われる可能性もある。
したがって、製品レベルでは完全な代替関係ではない。
しかし、ポートフォリオの経済的なリスク要因は重なる。
AI設備投資が減速すれば、三社とも影響を受ける。
GPUやXPUの出荷計画が遅れれば、接続部品の需要時期も後ろへずれる。
1.6T、CPO、NPO、OCSの採用が遅れれば、現在織り込まれている成長率は下がる。
LITEを追加するなら、MRVLの代替ではない。
MRVLは、長期的な利益プール、防衛構造、資本効率を検証する長期コア候補である。
LITEは、200G EML、1.6T、OCS、UHPレーザーによる業績予想の上方修正を取りにいく、期間と出口条件を定めた決算モメンタム型サテライトになる。
COHRも同様に長期コアではない。
COHRを保有する理由は、6インチInPの能力増強が売上、粗利率、EPSへ接続し、市場予想が上方修正される局面を取ることにある。
ただしCOHRでは、売上成長だけでなく、在庫、営業CF、FCFの反転まで確認する必要がある。
現在の三社を整理すると、
MRVLは、すでに保有している長期コア候補。
LITEは、企業モメンタムが最も強い監視銘柄。
COHRは、能力増強の利益転換を待つ条件付きサテライト候補である。
LITEの企業評価は今回の決算と10-Kによって上がった。
粗利率と営業利益率だけでなく、FY2026に約$300MのFCFを確保し、COHRより利益捕捉とキャッシュ転換が進んでいることを確認できたためである。
一方、現在株価$926.14では、基準ケースNTM EPS約$20.79に対して約44.6倍となる。
さらに、普通株、NVIDIA優先株、転換社債、株式報酬による希薄化を監視する必要がある。
現在価格でLITEを追加することは、光通信の成長へ参加する判断ではない。
基準ケースを超える業績と、40倍を超える高い評価倍率が維持されることへ賭ける判断になる。
私はすでにNVDAとMRVLを通じて、AI計算と接続レイヤーの利益プールへ参加している。
LITEを持っていないことは、AI光通信の未来を逃していることを意味しない。
したがって、現在はLITEを追いかけて追加しない。
EPS予想の上方修正によって分母が増えるか、株価調整によってNTM P/Eが30倍台へ低下した場合に、小さな時限的サテライトとして改めて検討する。
■ 暫定的な投資判断(10-K資料確認後差し替え)
LITEは、現時点では長期コア銘柄ではない。
AI光通信のボトルネックを握る可能性だけでなく、そこから高い利益率とプラスのFCFを得るところまで進んだ。
Q4 non-GAAP粗利率50.4%、営業利益率36.6%、FY2026 FCF約$300Mは、LITEが単なる売上通過企業ではないことを示している。
利益捕捉の現在地では、COHRより明確に先行している。
しかし、その利益が5年間維持される不可逆モートであることは証明されていない。
現在の粗利率改善には、
* 高性能製品へのミックス改善
* 200G EMLへの移行
* 供給不足による価格上昇
* OCSなど高マージン製品の拡大
* 売上増加による固定費吸収
が混在している。
技術、信頼性、顧客歩留まりによる構造的な価格プレミアムと、一時的な希少性価格を完全には分離できない。
COHRの6インチInP、LITEのGreensboro、競合他社の能力増強によって供給が増えた後にも、LITEが50%前後の粗利率を維持できるかが本当の試験となる。
さらに、LITEには$2.354Bの購入義務、$181.4Mの未払設備投資、上位2顧客への41.6%の売上集中がある。
Q4のnon-GAAP希薄化後株式数も前年同期比40.4%増加した。
企業が利益を増やすだけでなく、その利益を一株当たり価値として既存株主へ残せるかを確認する必要がある。
したがって、Future 40からの除外は維持する。
一方、今後12か月の企業モメンタムは極めて強い。
200G EML、1.6T、OCS、ポンプレーザー、狭線幅レーザーはすでに売上へ接続している。
Q1 FY2027ガイダンスは、売上高YoY +134.2%、営業利益率40.0%、EPS YoY +281.8%を示した。
本格的なscale-up向けCPOは、まだ現在の決算に大きく入っていない。
LITE、COHR、MRVLの中で、短期的な業績上方修正モメンタムが最も強いのはLITEである。
ただし、現在価格は基準ケースNTM EPS約$20.79に対して約44.6倍、強気ケースEPS約$22.39に対しても約41.4倍である。
現在価格から十分な上昇余地を生むには、強気ケースに近い業績を実現するだけでなく、高い評価倍率も維持する必要がある。
したがって、
企業モメンタムではLITEが勝つ。
現在価格の新規投資では勝者なし。
という結論になる。
LITEを長期コアへ昇格させる条件は、供給正常化後にも高い粗利率とFCFを維持し、顧客集中と希薄化を抑えながら、OCSとCPOを複数顧客へ広げることである。
時限的サテライトとして組み入れる条件は、業績予想の上方修正が続く一方、株価調整またはEPS分母の拡大によってNTM P/Eが30倍台へ低下することである。
現時点の刻印は、
「長期コアではない。企業モメンタムではLITEが優位。しかし現在価格では監視にとどめる」
とする。
■ 次回チェックポイント(10-K資料確認後差し替え)
* Q1 FY2027売上$1.225B~$1.275Bの達成
* non-GAAP営業利益率39.5%~40.5%への到達
* non-GAAP EPS $4.05~$4.35の達成
* 希薄化後株式数約102M株の前提
* ComponentsとSystemsの売上成長率および構成比
* 200G EMLの売上構成比とASP
* 100Gから200Gへの移行速度
* 1.6Tトランシーバの売上高、顧客数、利益率
* OCSの3桁ミリオン売上への到達
* OCSの顧客数、出荷台数、受注残
* CPO向けUHPレーザーの出荷と年末ランレート
* ELSの追加受注、顧客数、利益率
* NPOからCPOへ移行する時期
* scale-up向け製品の2027年後半出荷計画
* 価格、製品ミックス、原価改善それぞれの粗利率寄与
* non-GAAP粗利率50%前後の維持
* 営業CF、設備投資、FCFの四半期推移
* 未払設備投資$181.4Mの現金支出への反映
* 在庫増加率が売上成長率を下回るか
* 売掛金YoY +108.1%の現金回収
* 購入義務$2.354Bの減少または売上への転換
* 顧客預り金$16.8Mと長期契約の前払い条件
* 最大顧客26.6%、上位2顧客41.6%の変化
* 追加転換請求$757.8Mによる現金、負債、株式数への影響
* 転換社債と株式報酬による希薄化の停止
* Greensboroの6インチ認証、歩留まり、2028年出荷計画
* InP基板、製造装置、組立、検査能力の確保
* COHRの6インチInP増産によるEML、CWレーザー価格への影響
* COHRの粗利率、在庫、営業CF、FCF改善
* 独自NTM売上高$6.20B、EPS $20.79を上回る上方修正
* Fabrinetとの1.6T、利益率、FCF、資本効率の比較
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