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【SpaceX(SPCX)】IPOで勝っても、それは本当に価値ある勝ちなのか?

SpaceX(SPCX)のIPOが近づいている。

私は数年前から楽しみにしていた。
そして、上場した暁には、必ず勝負したいと思っていた。
今思い返せば、その勝負に勝つストーリーを何年も前から随分と楽観的に考えていた。

SpaceX。Starlink、宇宙インフラ、AI、防衛、火星、ドリーム、Elon Musk。

これだけの言葉が並ぶIPOは、投資家として絶対に無視できない。

SECに提出されたS-1では、「SPCX」のティッカーで上場申請していることが確認できる。
SpaceXは6月4日にロードショー、6月11日に価格決定、6月12日にNasdaq上場を目指しているとされる。さらに、約750億ドルの調達、約1.75兆ドル評価が想定されており、実現すれば史上最大級、あるいは過去最大の株式市場上場になる可能性がある。

これは、単なる宇宙企業のIPOではない。

公開市場に、SpaceXという「宇宙・通信・防衛・AIインフラ複合体」が出てくる。
その意味で、投資家として胸が騒ぐのは当然だと思う。

今回のアウトプットは、私の作戦と心境の変化、そしてこのSPCXのIPOを起点に、どう投資家としてあるべきかまで再定義に至ったすべての過程を記す。

またもや1万文字を超える大作になったが、今回の読み進めでは知的疲労は伴わないはずなので、さらっと読んでもらえたら嬉しく思う。

■ 目論見書から見えるメリットとデメリット


まず、SpaceXの魅力は圧倒的だ。

一つ目は、Starlinkだ。
SpaceXの収益を支えているのは、ロケット打ち上げだけではなく、衛星インターネットのStarlinkである。SpaceXの収益はStarlinkが牽引しており、約10,000基の衛星ネットワークを通じて、消費者、政府、企業向けにブロードバンドを提供している。

しかも、Starlinkはすでに利益を出している。
Q1 FY2026において、Starlinkを中心とするconnectivity部門は営業利益11.9億ドルを出している。これはかなり強く、SpaceXの中には、すでに巨大な収益エンジンが存在している。

二つ目は、再利用ロケットによる宇宙インフラの支配力だ。
SpaceXは、再利用ロケットによって宇宙へのアクセスコストを大きく変えた。これは単なる技術優位ではなく、衛星網、政府契約、防衛、通信、将来的な宇宙データセンター構想までつながる土台になる。

三つ目は、公開市場での希少性だ。
SpaceXに直接投資できる上場企業は存在しなかった。そこに、世界最大級の宇宙インフラ企業が出てくる。これは、機関投資家にも、個人投資家にも、テーマ投資家にも、かなり強い引力を持つ。

ただし、デメリットも強烈だ。

一つ目は、全社では赤字であることだ。

Q1 2026のSpaceX全体は売上46.9億ドルに対して営業損失19.4億ドルだった。Starlinkが利益を出していても、全社では赤字になっている。

二つ目は、AI部門の赤字とCapExだ。
Q1 2026のAI部門は売上8.18億ドルに対して損失24.7億ドルだった。さらに、xAI買収後のAI関連支出はQ1の資本支出101億ドルの76%を占めていたとされる。

つまり、SpaceXは「Starlinkが稼ぐ会社」であると同時に、「AIが巨大に資本を食う会社」でもある。
つまり、単純にSpaceXやStarlinkはすごい、だから買いだ、とはならない。

三つ目は、Elon Muskの支配構造だ。
ちなみに、私は彼をファーストネームで呼ぶことに違和感があるので、あえて今回はマスクと呼ぶ。
そのマスクは上場後も85.1%の議決権を保持する見通しであり、Class B株には1株10議決権、公開投資家が買うClass A株には1株1議決権というデュアルクラス構造が採用される。
これは長期ビジョンを守るという意味ではメリットでもあると思うが、少数株主から見れば、会社の方向性を変える力はほとんどない。
つまり、投資家はマスクのビジョンに乗ることはできるが、基本的に止めることはできない。

四つ目は、バリュエーションだ。
SpaceXが約1.75兆ドル評価を目指していると報じている。一方、2025年売上高は約186.7億ドルとされる。

単純にPSR、つまり時価総額を売上高で割る倍率で見ると、約94倍になる。


これにはちょっと驚かされる。
Starlinkの収益性、再利用ロケットの競争優位、宇宙インフラの支配力を考えても、現在の売上に対して相当な未来を織り込んだ価格だと思う。

もちろん、SpaceXを普通の製造業や通信会社のPSRで評価するのは違う。Starlink、ロケット、防衛、AI、将来の宇宙インフラを含む企業だからだ。
ただし、それでも約94倍のPSRという数字は無視できない。

つまり、SpaceX IPOは「良い会社を買う」だけではなく、「すでに巨大な未来が織り込まれた株を、さらに市場が買い上げるか」という勝負でもある。

目論見書から見えるSpaceXは、非常に魅力的だが、同時に非常に難しい。

Starlinkは強い。
ロケットも強い。
宇宙インフラの支配力も強い。
市場の希少性も強い。

しかし、AI赤字は重い。
CapExも重い。
ガバナンスはマスク支配。
バリュエーションは非常に高い。

良い会社かどうかで言えば、間違いなく良い会社だと思う。しかし、良い会社が、IPO初動で良い株価になるとは限らない。

ここを冷静に見ていく時間は入った。

■ 市場の注目はとてつもない


ただし、評価が難しいことと、市場が熱狂することは別だ。

むしろ、今回のSpaceX IPOは、評価が難しいからこそ熱狂しやすい。
比較対象がほとんどない。
宇宙、AI、防衛、通信、マスク、火星という巨大な物語がある。
そして、公開市場では代替不能に近い。

SpaceX IPOが、個人投資家の「究極のFOMOトレード」になる可能性がある。さらに、マスクの支持者、希少性、未来的なビジョンが、伝統的なバリュエーション指標以上に投資家心理を動かすのではないだろうか。

また、SpaceXのIPOが非常に巨大であるため、他のIPO希望企業がSpaceXとの衝突を避ける可能性すらあり、それは投資家の関心と資金がSpaceXに吸われるほどのイベントだということだと思う。

市場の反応はすでに出ている。

SpaceXのIPO期待を背景に、宇宙関連株への物色も強まっている。また、SpaceXのIPO目論見書とStarship関連ニュースに合わせて、Firefly Aerospace(FLY)、Voyager Technologies(VOYG)、Virgin Galactic(SPCE)、Redwire(RDW)など、出遅れ宇宙関連株が大きく動いた。

つまり、市場は明確に反応し始めた。

SpaceXそのものはまだ上場していない。
それでも、周辺の宇宙株、関連銘柄、間接的にSpaceXに接続する銘柄が動いている。
これは、評価がどうこう以前に、市場の注目がとてつもないことを示している。

だから、私も思う。

これは乗らなければいけないのではないか。
この需給を取りに行かないのは、投資家としてもったいないのではないか。

私も胸が騒ぎはじめてきた。


■ 過去の注目IPOからの経験則

ざわつく期待を、作業に落とし込んでいく。

まず、過去の注目IPOを整理しておく。

Rivian(RIVN)は、IPO価格$78に対して初日終値$100.73。その後、2021年11月16日に終値$172.01、日中高値$179.47まで上昇した。つまり、上場から数営業日で最大の熱狂が来た典型だ。

Snowflake(SNOW)はIPO価格$120、初日終値$253.93、初日高値$319。その後、2020年12月に$429まで上昇,これは「初日で終わらなかった」珍しい強い型で、背景には、クラウドデータという巨大テーマ、BerkshireとSalesforceの参加、2020年の成長株相場があった。

Coinbase(COIN)はIPO価格$250に対して初値$381、日中高値$429.54、終値$328.28。つまり、初日に上へ突き抜けたものの、終値は初値より大きく下だった。これは「初日高値が事実上の短期ピーク」になった型だ。

Airbnb(ABNB)はIPO価格$68、初日終値$144.71、日中高値$165。初日で2倍超になったが、ブランド力とポストコロナ回復期待があり、単純な初日天井では終わらなかった。

Robinhood(HOOD)はIPO価格$38、初日は弱く、その後数営業日で急騰しましたが、急騰翌日に27.6%下落した。これは個人投資家・短期筋が主導する場合、上昇も下落も極端になる例だ。

Facebook(META)はIPO価格$38、初日は$38.23でほぼ変わらず、翌営業日にIPO価格を割り、数か月後に$17.55まで下落。大型・有名IPOでも、発行規模、価格、需給、成長疑念が重なると失敗するという重要例。

つまり、注目IPOにはいくつかの型がある。

初日から一気に上がる。
翌週まで熱狂が続く。
数営業日でピークを打つ。
初値が高すぎて、そこから崩れる。
材料出尽くしで指数入り前後が天井になる。

SPCXは、おそらく初動はかなり強い。
そして、私は RIVN + SNOW + COIN の混合型かと思う。

RIVNに近いのは、巨大テーマと個人投資家の熱狂。
SNOWに近いのは、希少な超一級資産で、公開市場で代替しづらいこと。
COINに近いのは、「誰もが知っている巨大テーマIPO」で、初日から個人と短期資金が殺到しやすいこと。

ただし、SPCXにはFacebook的なリスクもあるのではないかとおも思う。
つまり、あまりにも巨大すぎるIPOは、熱狂だけでは株価を支えきれないというリスクだ。

そして、今回のポイントは、浮動株であること。報道のとおり750億ドル調達、1.75兆ドル評価なら、単純計算で新規公開部分は時価総額の約4.3%だ。
これは少ない。少ない浮動株に、個人、機関、テーマETF、指数先回り資金が殺到すれば、初動は上に飛びやすい。

一方で、750億ドルという公開株そのものは絶対額として巨大だ。
つまり、float比率は軽いが、売り物の絶対額は重い。
ここの判断が難しい。


■ SPCXの具体的なシミュレーション

ここからはIPO価格比で投資行動を事前にシミュレーションしておく。このシミュレーションが無ければ戦場で行動がぶれるため、必須だと思う。

* +20〜50%:かなり健全と判断。そこから数日走る余地ありと一旦判断。
* +50〜80%:熱いが、まだ勝負圏内。ただし買いサイズは抑えるべき。
* +100%以上:かなり危険。初日高値が短期ピークになるリスクが強い。

SPCXのブランドに加えて、Nasdaq-100採用の期待を考えると、初値が+50%以上になる可能性は普通にある。
問題は、そこからさらに上がるかだ。

私は、初日終値が初値を上回るかを最重要視する。

初日が大陽線で、終値が高値圏なら、Day2〜Day5までモメンタム継続の可能性が高い。
逆に、初値で大きく飛んで、日中高値から大きく押して、終値が初値を下回るならCoinbase型として、その場合、初日がほぼピークだった可能性を強く見てそれ以後は触らないかもしれない。

ただおそらく、過去のRIVN、HOOD等の典型パターンを見ると、個人投資家と短期筋が殺到する銘柄は、上場後3〜5営業日前後で一度ピークを打つことが多いと考える。

短期的な需給の市場心理を読むことは得意ではないのだが、一応考えてみる。

初日に買えなかった個人がDay2で買う。
SNSとYouTubeが煽る。
短期筋が出来高を見て入る。
機関の一部も「指数入り前に持たないリスク」を意識する。
その結果、初日ではなく数営業日後に高値をつける。

SPCXもこの型は十分ありえると考える。

私のベースシナリオでは、初日から5営業日目までに一度大きなピークをつける可能性が高い。
特にIPO価格比で+80〜+150%まで行った場合、そこで一部利確しないのは危険かとも思う。

さらに、Nasdaq-100のエントリーは、SPCXにとって非常に重要な需給材料になるはずだ。Nasdaqの公式資料では、トップ40規模のFast Entry候補は15営業日後に追加され得るとされ、低float銘柄には3倍float capが適用されるとのことで、これは短期筋にとって強い材料だと思う。
ただし、私はここを買い材料であると同時に、利確材料として見る。

なぜなら、みんなが知っている指数イベントは、たいてい「実際の指数買い」よりも前に先回りされる。
つまり、Nasdaq-100採用が見えてくる局面で株価が上がるなら、採用発表前後、または実際の組入れ前後が短期ピーク候補になる。

SPCXが初動で強いまま2週目に入った場合、短期のピークは次のどちらかになりやすいのではなかろうか。

1つ目は、Day3〜Day5の個人投資家熱狂ピーク。
2つ目は、Nasdaq-100採用期待の直前〜発表前後ピーク。

そして私の考えは、後者まで引っ張れるのは、初日と1週目の値動きがかなり強い場合だけだと思う。

次に、当日から数週間で見るべきピークサインを具体的に整理しておく。

一番重要なのは、大出来高の陰線だ。
初日または数営業日後に、出来高最大で上ヒゲを作り、終値がその日の安値圏なら、短期ピークの可能性が高い。

二つ目は、初値割れだ。
初値は個人投資家の心理的な基準になる。初値を明確に割ると、短期組は含み損化し、そこから売りが出やすい。

三つ目は、Nasdaq-100採用期待で上げた後の材料出尽くしだ。
採用発表または組入れ実施前後で出来高が膨らみ、上がらなくなったら、いったん降りるべきか?

四つ目は、S-1のリスク論点がメディアで再燃すること。
AI部門の赤字、マスク支配、関連当事者取引、ロックアップ、早期売却可能株が改めて嫌気されると、短期資金はすぐ逃げる可能性が高まる。


■ 戦略的投資額の検証


私の最初に頭に浮かんだのは、かなり大きなロットだった。

私はご存知のとおり、ポートフォリオを広く分散するタイプではない。
普段から5銘柄程度にかなり集中させている。
だから、SpaceX IPOに参加するなら、ポートフォリオの1%、2%、3%では正直インパクトがない。

仮に3%入れて10%取れても、ポートフォリオ全体に与える影響はかなり小さい。
それでは、世紀のIPOに参加したという感覚はあっても、資産上の意味は薄い。

そう考えると、最初に浮かんだのは、ポートフォリオの10%。場合によっては20%近いロットだった。

20%入れて、短期で20%取れれば、それなりに資産に効く。
30%取れればかなり大きい。
もし初動で50%上がれば、かなり美味しい。
もしかしたら、熱狂次第ではもっと上もあるかもしれない。

皮算用は膨らむ。

SpaceXという世紀のIPOに、投資家として本気で参加したい。
この需給を取りに行きたい。
短期で大きく勝てるチャンスかもしれない。
正直、期待に胸が騒いでいる。

そのうえで、まずロットを考えた。

初動参加:5%
強ければ追加:10%
相当条件が良ければ最大15%
でも、20%は初日からはやらない

20%が許されるのは、以下のような場合だけにした。

* 初値が過熱しすぎていない
* 初日終値が高値圏
* Day2以降も初値を割らない
* 出来高が細らない
* Nasdaq-100採用期待がまだ織り込まれ切っていない
* 市場全体がリスクオン
* 自分の取得単価から+30〜50%で一部利確する前提がある、もしそれ以上にならならば、+100%でさらに利確。

つまり、20%は「最初から張る比率」ではなく、勝っているポジションを短期的に太らせる上限とした。
指数入り期待まで残すのは一部だけ。初回決算でモートと財務を確認して、長期コア化を判断する。

SPCXは、確率の高いギャンブルになり得る。
ただし、勝ち方は「初動で厚く突っ込む」ではなく、初動の熱狂を取りに行き、熱狂が続く限りだけ持ち、長期保有の判断は決算後に切り分けることになる。

我ながら良い作戦で綺麗にまとまったではないか。
それにしても野心的にも見える。
しかし、まだ思考が足りない。もっと自問自答をしていかなければならない。


■ ポジションサイズは「利益額」ではなく「許容損失」から逆算すべき


ここから考えを深くしていく。

いつもは具体的な数字を使わないのだが、ここは分かりやすくするため、あくまでも参考として500万円という数字を用いて表現する。500万円という投資額は人によって大きく意味が異なるかもしれないが、仮に資産を5,000万円、年収1000万円、40歳としておこう。

では、資産の10%である500万円のケースでお得意の皮算用を行う。
「500万円入れれば20%で80万円取れる」
税引後80万円をたった数日で取れるならば嬉しい。
やはり、厚くロットを張らなければ旨味は出ない。

しかし、逆もまたしかるべきで、「500万円入れて20%の損切りで100万円失う」ことになる。
つまり、「この勝負で最大いくら失っても精神的・資産運用上壊れないか」から逆算することを考えなければならず、負の皮算用というアプローチをしなければならないことに気づく。

つまり、500万円を入れるなら、-15%で75万円、-20%で100万円、-30%で150万円、それ以上も見ておく必要がある。

おそらく、SPCXのIPO初動で-20%は十分あり得る。
特に初値が高すぎた場合、初日終値から数営業日で-20%は全然おかしくない。

だから、もし500万円を入れるなら、この勝負でまずは、100万円前後の損を受け入れられるか。

ここを飲めるなら500万円はあり。
飲めないならロットを減らすべきだ。

■ いくらで乗って、いくらで降りるのか?

ここは事前に決めるべきで、SPCXは当日判断だと欲が勝ちやすい。

・初値がIPO価格比+50%未満
これは比較的健全で、初日にポートフォリオの5〜10%買ってよいとすると、初日終値が強ければ、Day2〜Day5で最大15%まで検討できるかもしれない。

・初値がIPO価格比+50〜100%
最も悩ましいゾーン、初動の上昇確率は高いが、火傷もある。最初は5%程度。初日終値が高値圏なら10%まで。15%はDay2以降の値動きを確認してからか。

・初値がIPO価格比+100%以上
ここで10〜20%突っ込むのは危険か。RIVNやCOINのようにさらに上へ走る可能性はあるが、リスクリワードは悪化する。この場合は、買っても3〜5%。むしろ初日の値動きを見て、Day2以降の押しを待つべきなのか。

SPCXはモートを確認する戦いではない。上場というイベントの需給を時限的モメンタムサテライトとして短期勝負する話だ。だから、利確ルールは厳格化しておがなければならない。

取得単価から+30〜50%で3分の1利確。
+80〜100%でさらに3分の1利確。
残り3分の1をNasdaq-100採用期待または初回決算まで観測。

これが一番合理的で、分割利確が合っているように思う。特にSPCXは、短期では需給、長期ではモートの銘柄だこそ、この2つを戦い方を混ぜると判断を誤るので注意が必要だ。

ただ、色々と考えているうちに一つ大事な問いに戻った。

これは本当に、自分が勝てる勝負なのか?


■ 私が得意な勝ち方


今年に入ってから、私の資産は大きく伸びている。

Planet Labs(PL)とMarvell(MRVL)の時限的モメンタムサテライトの影響が大きい。
サテライトのくせに、いつの間にか2銘柄でポートフォリオの50%以上比率を占めていた。

普通のポートフォリオ理論で見れば、偏っていると言われるかもしれない。
ただ、私はそこにあまり興味がない。

テーマが燃えているなら、そこに乗らなければ資産は増えない。
重要なのは、何%までなら安全かという形式論ではなく、そこに勝てる構造があるかどうかだと思っている。


PLやMRVL以外にも、直近でCRDOを売買した判断は間違いではなかったと思う。
QCOMの決算を見た時も、今後のモメンタム形成をかなり強く感じた。
INODにも今注目している。

私は、気になる銘柄の決算数字やカンファレンスコールを確認し、市場が何を発見するのかを考える。
そのうえで、「これは評価軸が変わる」と判断したものに大きく素早く跳び乗る。

サテライトにもコアにも共通していることは、いまから始まる美味しい部分を探している。

一方で、もうそれなりに上がった銘柄には、無理に手を出さない。
チャンスはいくらでもある。
自分が勝てると思える場所でだけで、リスクを取ればいい。


私の手法は、単純で分かりやすい。

私はチャートをほとんど見ない。
決算を見る。
ファンダメンタルズを深掘りする。
構造分析に挑む。
そして、モートの深さとモメンタムを見比べて、投資時間軸を決めている。


この先3か月、6か月、さらに次の四半期、その次の四半期まで、モメンタムが続く可能性を見ている。
そう判断できるなら、サテライト枠として出口を見据えながら、かなり厚く張る。

そこには、自分なりの分析の手触りがある。
もちろん、マーケットのベクトルがパフォーマンスをかなり決める。
だからこそ、市場が新しい評価軸を探しているかどうかを感じる必要がある。

そのうえで、決算を通じて構造変化を拾う。
単なる勢いだけのテーマ株には乗らない。
テーマの中でも、なるべく硬い銘柄を選ぶ。
リスクを取りながらも、リスクを最小化しようとする。


そこに、自分のエッジがあると感じている。

コア銘柄を長期で持つ判断も同じだ。
短期の値動きではなく、不可逆にモートが深まっているか。
そこに資本を置けるか。
RBRKやIOTのような銘柄を長期で持てるなら、それなりのリターンが返ってくるという自信もある。

私の投資は、銘柄分析であると同時に、自分自身の投資手法を磨く作業でもある。
失敗も受け入れながら、常に少しずつ進化していく。


多く語りすぎた。読み返すと随分生意気だ。
でも、それも味があっていい。
失敗すればやり方を再構築するだけだ。


■ SpaceX IPO初動は、まったく違う勝負だった


SpaceXのIPO初動は、明確に戦い方が違う。

これは、決算を見て構造変化を拾う私の得意勝負ではない。

上場初日の初値。
初日の終値。
翌営業日のギャップ。
短期資金の流入。
個人投資家の熱狂。
指数入り期待。
利確売り。
出来高。
上ヒゲ。
初値割れ。

つまり、かなり「需給の勝負」だ。

私は、正直に言えば、こういう勝負が得意ではない。

チャートをずっと見続けるのは好きではない。
夜中に画面へ張り付くのも好きではない。
米国市場なので、日本時間ではかなり遅い。
しかも初日だけでは終わらない。

スイングでやるなら、金曜の夜だけではない。
翌週の月曜、火曜、水曜と、数日間は値動きを気にし続けなければならない。

それは、自分が好きな時間の使い方ではない。

最初は、ポートフォリオにインパクトを出すには、大きなロットが必要だと思った。
たとえばポートフォリオの20%を入れれば、20%上昇でポートフォリオ全体に大きく効く。

最初は、いくら入れればインパクトが出るかを考えていた。そして、本当に考えるべきは、いくらまでなら負けを許容できるかだった。

ポートフォリオの20%を入れるなら、20%下落で全体の4%を失う。30%下落なら全体の6%を失う。

その損失を、短期需給の勝負で本当に受け入れられるのか。中長期と違い明確に期日内に損切りボタンを押さないといけない。しかも、自分が得意ではないギャンブル性の高い需給という勝負で。

もちろん、損切りルールを決めればいい。
たとえば、投入額の30%下落で必ず切る。
あるいは、最大損失はポートフォリオの5〜6%までと決める。

理屈ではそうできる。
実際にもできる。

ただ、慣れていないことをするのは、物凄く疲れるはずだ。




■ Planet Labs(PL)で勝ったからこそ、ギャンブルする必要はない


もう一つ考えたのは、PLの利益だ。

SpaceX IPOの前哨戦のように、宇宙テーマのPLには昨年から入っていた。
決算を見て、これは時限的モメンタムサテライトとして取れる可能性があると判断した。

結果として、直近で70%を利確し、SPCX上場前にはすべて利確する。

これは自分の中では、かなり満足している。
個別決算とテーマを見て、それなりに時間をかけて取った。
これは私らしい勝ち方だった。

だからこそ、ここでさらに欲を出して、PLで取った利益をSpaceX IPOの数日スイングに大きく入れるのはどうなのかと自問した。

決算を分析して利益構造とテーマを検証してそれなりに時間をかけた利益を、今度は短期需給に再投入する。
しかも、自分が得意ではないやり方なので、あれこれシミュレーションして考えてみる。

それは、どこまで考えてもギャンブルなのだ。

最初は、「SpaceX IPOだから大きく勝負する価値がある」と思っていた。
しかし、考えれば考えるほど、これは自分の勝ち方ではないと感じた。

それは、私の言葉で言うと投資ではない。


■ 勝っても、本当に嬉しいのか?


仮にSpaceX IPOで短期的に勝ったとする。

先のケースで言うならば、500万円入れて運良く100%取れたとすると、利益400万円は数字としてはすごい。
そうなれば、もっと入れておくべきだったと思うだろう。そして、次のOpenAIでは1,000万円入れて、その次にAnthropicでは全財産入れるかもしれない。
そして全部利益が出たとする。

でも、それは本当の意味で自分が求めている勝ちなのかだろうか?

私は違う。
勝ちには明確な色がある。

自分が本当に喜べるのは、勝ちの再現性が見えた時だ。

私の勝ち方は、決算を読むことだ。
会社の構造を理解することだ。
市場がまだ気づいていない変化を拾うことだ。
その仮説が、株価で証明されることだ。

自分の分析が市場と接続した。
自分の見立てが合っていた。
企業価値の構造を掴めていた。

その再現が喜びであり、その喜びが投資への情熱の源泉になっている。そして、特別な才能がなくても努力次第で長期的に資産を大きくできる可能性が高い唯一の方法だと理解している。

SpaceX IPOの初動で勝ったとしても、それはかなり運に近い。

もちろん、需給を読む技術はある。
それで勝ち続けている投資家もいる。
そこに技術がないとは思わない。

ただ、それは自分の技術ではない。

私は、需給を読むことはできない。
板を見て、出来高を見て、短期心理を読んで、数日のピークを当て続ける投資家ではない。
そして、今からそこを主戦場にしたいとも思っていない。

短期需給を読む力は欲しい。
でも、すべてを得意にする必要はない。

自分が勝てる場所で戦う。
これは投資において、かなり大事なことだと思う。



■ 結論:SpaceX IPOは参加権でいい


最終的に、自分の中ではかなり腹落ちした。

SpaceX IPOには、参加してもいい。
ただし、主戦場にしなくていい。

ポートフォリオの20%を張る必要なんかない。
5%でも、今の自分には大きいかもしれない。

今の感覚では、3%以下でいいと思う。

例えばだけど、分かりやすく話をすると、100万円入れて、10%取れても利益は10万円。
税金を払えば、実質7〜8万円程度だ。

ポートフォリオ全体から見れば、ほとんど意味はないかもしれない。
でも、それでいい。

そのお金で美味しいものを食べに行けばいい。
日帰り温泉に行けばいい。
家族で少し良い時間を使えばいい。

それくらいの一応参加した距離感が、自分には合っている。

SpaceX IPOは、投資家として見逃したくないイベントではある。ただし、それは自分の資産形成の主戦場ではない。

何よりも、徹夜で画面に張り付くことは好きではない。
初日だけでなく、翌週まで睡眠不足になりながら、需給を追い続けることも自分には合わない。

初動の需給で大きく勝つことより、自分の勝ち方を崩さないことの方が大事だ。

■ 私の最終的な参加スタイル


今回、自分の中で決めたことはシンプルだ。

SpaceX IPOは、初日から画面に張り付かない。
デイトレーダーのような勝負はしない。
いつも通り眠る。

初日終値が初値より強いのか。
初日が大きな上ヒゲで終わっていないのか。
翌営業日以降も市場が買い続けるのか。

そこを見てから、Day2以降に参加権として入る。

ロットは、ポートフォリオの3%以下にする。

そして、短期需給で入ったものを、負けた瞬間に長期投資へすり替えない。

長期で持つかどうかは、初回決算を見てから判断する。
Starlinkの利益、CapEx、FCF、経営陣の説明、関連当事者取引、公開企業としてのガバナンス。

それを見て、得意の決算分析で判断する。

そこからなら、SpaceXを長期コア候補として考えることは十分できる。
むしろ、本当に見るべきなのはそこだと思う。


■ 投資家としての再定義


今回、SpaceX IPOについて考え続けたことで、自分の投資スタイルが逆に明確になった。

私は、画面に張り付いて需給を読む投資家ではない。
イベント待機に時間と資金をロックすることもしない。
改めて私は、決算を読み、構造を見て、モートの変化を考え、市場の評価軸が変わる瞬間を拾う投資家だと再定義にいたった。


投資は、すべてのチャンスを取りに行くことではない。
自分が勝てる場所を見極め、そこに資本を集中することだと思う。


SpaceX IPOは世紀のイベントかもしれない。
でも、自分の投資人生にとってもっと大事なのは、そこで勝つことではない。

自分の勝ち方を崩さないことだ。

一方で気づいたこともある。

少額でもギャンブルをするのだ。

私はギャンブルが好きなのだ。



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本執筆内容は、執筆者個人の意思決定の整理及び記録等を目的として公開するものであり、迷い・再考・修正・仮説更新を伴います。また、本執筆によって提供される情報は正確性等を保証するものではございません。つきましては、読者の方々にとって必ずしも適切であるとは限らないことから、投資を行う際は、株式への投資は大きなリスクを伴うものであることをご認識の上、ご自身の判断と責任の基で投資をされるようお願いします。なお、いかなる金融商品や個別株への投資勧誘や投資手法を推奨するものではありません。


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