父の本を半分にして、自分の家でずっこけた話
※このシリーズ「わたしのディナチャリア」は、こちらの90日実験から枝分かれした、毎日の養生の連載です。
※アーユルヴェーダを知らない人にこそ読んでほしい連載です。カタカナは意味を都度そえるので、わからなければ飛ばして、気楽にどうぞ。
今日は、掃除の話。というか、「手放す」話です。番外編として。
わたしはカファ・ピッタという体質で、カパ(重さ・水の性質)が強めです。
このカパというのが、とにかく溜め込む。
物も、やらなきゃいけないタスクも、感情も。全部、溜め込んでしまう。
癖みたいなものなんです。
溜め込む自分に嫌気がさすのに、なかなか手放せない。
「もったいない」「いつか使うかも」で、どんどん抱え込んでいく。
でも、そんなわたしにも転機がありまして。──実家の話をさせてください。
収集癖の父と、ミニマリストの母
うちの父は、ともかく収集癖のある人でした。
お箸の袋から、本から、お菓子の空き箱まで、何から何まで集めてしまう。
一方の母は、どちらかというと節約家のミニマリスト。
要らないものは、さっと手放すタイプ。
見事に、正反対の二人です。
その二人が歳をとって、小さな古民家を買って、移住しました。
母の退職金で。
老後の住処として、大きな庭のある家を。
先に退職した母が移り住んで、それはそれは綺麗に、庭を整えて。
しばらくして、遅れて退職した父も合流することになりました。
そして、母のストレスが爆発した
きれいに整った家に、父が大量の本を持って移り住んできたわけです。
もう、想像できますよね。
ミニマリストの母のストレスが、爆発しました。
で、そのあいだで毎度毎度、仲介役をやらされるのが、わたしです。
溜め込みたい父と、手放したい母。
両方の言い分を聞いて、なだめて。
最終的に、父の荷物を整理したのは、わたしでした。
捨てられない本。サラリーマン時代の分厚い資料。もう会うこともない人の名刺の束。
優柔不断で、なかなか首を縦に振らない父を、宥めて、すかして、やっとの思いで、荷物を半分くらいまで減らしました。
父は、要らないもののなかで暮らしていた
その作業をしながら、思ったんです。
父は、父にとってさえ要らないもの──こんなこと言ったら失礼ですが、正直、この先の父の人生に必要でないもの──に囲まれて、暮らしていたんだなあ、と。
そして、こんなに捨てられないことが、母を、わたしを、周りの人たちをイラつかせている。
溜め込むって、自分を重くするだけじゃないんですね。
周りの人まで、巻き込んで重くしてしまう。
自分の家に帰って、ずっこけた
さんざん父にイライラして、へとへとになって、自分の家に帰ってきました。
そして、冷静に、自分の家を見わたして──ずっこけました。
わたしも、人のこと言えなかった。
要らないものに囲まれて、抱え込んで。
父を片付けてる場合じゃなかった。
カパの血は、しっかり受け継いでいたわけです。
血筋なのか体質なのか、とにかく溜め込む、わたし。
カパは、動かすと軽くなる
アーユルヴェーダでは、カパが増えすぎると、重く、動きにくく、停滞します。それをゆるめるには、その逆──軽くする、動かす、手放す。
これが効くとされています。
これ、掃除とまるっきり同じなんです。
溜め込んだものを、手を動かして、仕分けして、手放す。
そうやってモノを動かすと、不思議なことに、頭につかえていたタスクも、心の澱みも、いっしょに流れていく。
わたしはカパの心のデトックスには、掃除がいちばん効くと思っています。
以前、「週にいちど火を休ませる安息日」の話を書きました(アーマパーチャナといって、溜まった未消化のものを、体のなかで整理する日)。
掃除は、いわばその"部屋バージョン"、"心バージョン"。
定期的に、溜まったものを仕分けして流す日。
やってる最中から、浄化されている
それに、掃除って、終わったあとのさっぱり感だけじゃないんです。
やってる最中も、いいんですよ。
だって、汚れているところが、確実に、目に見える形で綺麗になっていく。ここを拭いた、ここを片付けた、ここが片づいた──成果がはっきり見える。
手を動かしているそばから、心まで浄化されていく感じがします。
そして、終わったあとは、もっとさっぱり。
プロセスの最中も、ゴールも、両方が気持ちいい。
最高のデトックスだと思っています。
ちなみに、うちのパートナーも同じカパ入ってます。
だから、二人で定期的に、せーので捨てる日をつくって、いっしょにスッキリしています。
同じ体質同士だと、「これ要る?」「要らないでしょ」の判断も早い(笑)。
カパの人には、ほんとうに、定期的にやることをおすすめします。
ちなみに、わたしは今、本棚をやっつけたいと思っています。
今は、捨てるの大好き人間です
あんなに「もったいない」で捨てられなかったわたしが、今では、捨てるの大好き人間になりました。
なぜか。
だって、好きなものだけに囲まれるようになるし、本当に必要になったら、また買えばいいんだから。
「いつか使うかも」で握りしめていたものを、手放してみたら、案外なんにも困らない。
それどころか、家も、頭も、心も、びっくりするほど軽くなる。
ただね、体質は変わらない
とはいえ、正直に言います。
体質は、変わらないんです。
だからわたし、やっぱり、すぐにまた溜め込みます。
せっかく綺麗にしても、気づけばまた、物もタスクも感情も、抱え込んでいる。
でも、それでいいんだと思っています。
「自分はそういう人だ」って、思うしかありません。
カパはカパ。溜め込む性質は、治すものじゃなくて、付き合っていくもの。
だからこそ、定期的に手放す日をつくる。
一度で完璧にしようとしないで、また溜まったら、また流す。安息日と同じで、くり返すことに意味がある。
溜め込むのは、たしかに癖です。
でも、手放すのだって、くり返せば癖になる。
もし、あなたにも溜め込む癖があって、そんな自分に少し疲れているなら。まずは1箇所だけ、いっしょに手放してみませんか。義務でも大掃除でもなく、自分を軽くしてあげるために。
90日間のアーユルヴェーダ実験、本編はこちら。
#アーユルヴェーダ #掃除 #手放す #カパ #ディナチャリア #丁寧な暮らし
