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【回復の記録㉓】人生で一番うまくいった選択|安心できる人と生きるということ

回復の記録|鎧を脱ぎ、愛へ還るまで 23話目。

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BGMを流しながらどうぞ。


「人生で一番うまくいったことは何だろう。」

そう考えたとき、
仕事でも、お店でも、趣味でもないと思った。

私にとって一番成功したことは、
安心できる人と結婚したことだと思った。

仕事は変わる。
住む場所も変わる。
人の評価も変わる。
資産の価値も変わっていく。

どれだけ頑張っても、思うようにならないことはたくさんある。

でも、一緒に生きる人は、毎日の土台になる。
その積み重ねは、一生をかけて人生を形づくっていく。

その土台が安心できるものかどうかで、
人生は思っていた以上に変わるのだと、今になって思う。

安心できる人の隣で

夫と出会うまで、
私は安心というものを知らなかったようだ。

責められないこと。
急かされないこと。
失敗しても見捨てられないこと。
疲れたら休んでいいこと。

それは知識としては知っていた。
でも、自分がその中で生きることは、想像したこともなかった。

だから最初は、戸惑うことの方が多かった。

「どうして怒らないの?」

「どうして待ってくれるの?」

「どうしてそんなに落ち着いていられるの?」

私にとっては、その「普通」が一番不思議だった。

『普通』の生活に戸惑う

夫は、
私を変えようとはしなかった。
無理に励ますこともなかった。
過去を消そうともしなかった。

ただ、一緒に生活していた。
朝起きて、ご飯を食べて、仕事をして、眠る。

その繰り返しの中で、私は少しずつ
「安心」という感覚を覚え直していった。


回復は、特別な出来事から始まったわけではない。
毎日の積み重ねだった。

静かな会話。
安心して眠ること。
歩幅を合わせて歩くこと。

そういう小さな出来事が、
少しずつ私の土台を作り直していった。

最近になって思う。

人生で一番大切なのは、
何を手に入れるかではなく、誰と生きるかなのかもしれない。


もちろん、未来のことは分からない。
これから先も、思い通りにならないことはあるだろう。

それでも、今まで歩いてきた道を振り返ると、一つだけ言えることがある。
私の人生で一番うまくいった選択は、安心できる人と共に生きることを選べたことだった。と。

今でも時々、不安になる。
昔の癖は簡単には消えない。


でも、隣を見ると、同じ歩幅で歩いてくれる人がいる。

そのことを知っただけで、私の世界は少しずつ変わっていった。

回復とは、強くなることではなく、
安心できる場所があると知ることなのかもしれない。

一緒の歩幅で歩く(イラスト)


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凪瀬 紬 | 観測記録作家 迷ったりこじらせたりしながら、それでも生存してきた記録です。 「もう少し読んでみたいな」と思ったら、気が向いたときにチップで応援してもらえたら嬉しいです。