見出し画像

『VIVANT』を見て思った「正義」と、戦後世代のこと

アマプラでドラマ『VIVANT』を見た。
一言で言うと、めちゃくちゃ面白かった。

1話からスケールが大きく、ハラハラドキドキ。頭脳戦と情報戦と肉弾戦。どうなっちゃうの!?と一気に物語へ引き込まれた。
キャラクターも魅力的で、「次が気になる」が最後まで止まらなかった。

前半では、「え!?主人公!?」「騙されてた!」と視聴者をも騙すという展開。

最後には、あまりにも有能な主人公が仲間や国まで騙していた。
そして、それをも見越していた親子のやりとりがなんともいえなかった。

見終わったあとに考えたことは、有能さがすごいと思っただけではなく、それをどう用いるかの方が大事、ということだった。
能力を何のために使うのか、ということ。

有能なキャラがたくさん出てきた。それぞれが自分の立場で、自分の能力を、自分の信じる正義のために使っていた。

誰か一人だけが絶対的に正しいわけではない。それぞれに守るべきものがあり、それぞれの役目を果たそうとしていた。
命を懸けて自分の役目を全うする人々の姿が、とても格好よく見えた。

劇中で登場する「別班」は、冷戦時代に実在した秘密部隊。
今も実在するのかどうかについては、専門家の間でも見解が分かれているという。

もちろん、ドラマはフィクション。
でも、日本が比較的平和に暮らせている背景には、私たちが知らないところで、多くの人が役割を果たしているのだろうと感じた。

また、こういう流行には、国防や安全保障について考えるきっかけを与える作品でもあるのでは、と思う。

国を守るという使命を見ているうちに、「時代が違えば、人の価値観も変わる」のでは、ということを考え始めていた。

それは、戦後を生きてきた世代と、今の世代の違いだ。

戦後を生きた人たちは、本当に「生きるか、死ぬか」の時代を経験してきた。

食べること。働くこと。家族を守ること。
それだけで精一杯だった人も多かったと思う。

そんな時代に、「心が苦しい」「生きづらい」といった問題に向き合う余裕は、ほとんどなかったはずだ。

だから、発達障害やうつ、不安障害などが今ほど理解されていなかったことも、不思議ではない。

「気のせいだ。」「根性が足りない。」
そんな言葉が返ってきた背景には、生きた時代があったのだと思う。

もちろん、その言葉で私のように傷ついた人がいたことも事実だ。

だからといって、「あの世代が悪い」と単純に言える話でもない。
事実、戦後世代の人たちは偉大なことを成し遂げてきたと思う。
私の父は80代で健在だが、本当に今でもすごい。到底、敵わないと思う。

生きるか死ぬかの時代

でも、時代が違えば、求められるものも、生き方も変わる。

心の問題を語れるようになったのは、
社会が少しずつ落ち着き、生き延びることだけではない時代になったからなのかもしれない。

逆にいうと、今、心の問題が増えてきているのは、
戦後の親世代たちから引き継いだ「見えない負の連鎖」を抱えているからなのかもしれないと、最近は考えている。

人が生きていて、変化や回復という流れの中にいるとしたら、人の集まりである「国」も有機的な流れの中にあるからだ。

もちろん、これは私の推測。
でも、人の心の傷は、本人だけで終わるとは限らない。

親から子へ。子から孫へ。
言葉や接し方、見えない無意識の領域でも、価値観や人生観として受け継がれていくこともある。

そう考えると、戦後世代が背負ってきた痛みの一部を、私たちも知らないうちに受け継いでいるのかもしれない。

善悪だけではなく、時代背景や流れも知ること。

その視点を持つだけで、世代間のすれ違いも、誤解も争いも、少し違って見えてくる気がした。

だからドラマを見終えたあと、私の中に残ったのは、
「誰が正しいのか」ではなく、「人は、どんな時代を生きてきたのか」とだった。

その違いを知ろうとすることが、理解の第一歩なのかもしれない。

人は回復の途中にいるように、国や時代もまた、回復の途中にあるのかもしれないから。

このテーマについては、別の記事でもう少し掘り下げて書いてみたいと思っている。


✦ このnoteについて

はじめての方へ

✦ 最近の人気記事

  1. アクセス爆発、その後

  2. 夫婦の過ごし方が分からなかった頃

  3. 自己紹介|紬と悠人のモデルは、私たち夫婦|Character File #001 / #002

みんフォト用イラスト

画像を作っていたら、みんフォト用になりそうなものができた。

いいなと思ったら応援しよう!

凪瀬 紬 | 観測記録作家 迷ったりこじらせたりしながら、それでも生存してきた記録です。 「もう少し読んでみたいな」と思ったら、気が向いたときにチップで応援してもらえたら嬉しいです。