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「海外進学はほんとうに必要?」ー 逆算してたどり着いたわが家の進路選択

 最近、メディアで「国際教育」や「海外進学」についての記事をよく目にします。

「グローバル人材を育てるなら、インターや国際高校からの海外大学」というイメージが強まっています。

ほんとうにそうなのでしょうか?

今日は、海外進学からグローバルキャリアを歩んでいるわが家の子ども達の経験をふまえた「海外進学と進路選択」についてお伝えしたいと思います。

わが家の子どもたちの海外進学


わが家には、現在グローバルな環境で仕事をしている2人の子どもがいます。

息子は国内大学(理系)を経て、ヨーロッパの大学院で修士号(M.Sc.)を取得、現在はグローバル企業の研究職に就いています。

娘は高校留学を経て、ヨーロッパのデザインスクールにて英国大学の学士号(B.A.)を取得、現在は世界有数のデザインスタジオでデザイナーとして働いています。

子どもたちの簡単な経歴は、自己紹介記事に書いています。


兄妹で進んだ分野はまったく違いますが、共通しているのは「日本の教育から海外進学で専門スキルを深め、現在はグローバルな環境で仕事をしている」ということです。

ありがたいことに就活では2人とも数々の企業からオファーをいただくことができましたが、特に戦略的に考えて海外進学を選んだわけではありませんでした。

わが家の子どもたちは公立小・中に通い(息子は小学生の頃に数年インター)、基本的に日本の教育を受けています。

しかし、海外で専門分野のスキルを身につけたことは、結果的に就活の際に大きな強みになったと感じます。

ただ、わが家の場合、海外進学はあくまでもプロセスのひとつであり、決してゴールではありませんでした。

リーズナブルな教育コストで海外進学へ


ところで、話をすすめる前に、多くの家庭にとって教育費は大きな課題だと思います。

海外進学となると尚更、円安の今は教育費が気になる方も多いと思います。

意外に思われるかもしれませんが、わが家は海外進学にもかかわらず、教育費は日本国内で進学する場合とほぼ変わりませんでした。

話題が広がり過ぎるので、今回は教育費については言及しませんが、別の記事で教育コストの最適化についても書きたいと思っています。

海外進学の現実


冒頭に書いたように、今は国際教育や海外進学が毎日のように話題になっています。

しかし、その先にある現実について、少し冷静に見ておく必要があると感じています。

政策とAIが変えた今の就職事情


十数年前は、海外の大学・大学院を卒業後の現地就職は比較的スムーズでした。

しかし現在、欧米・オーストラリア・カナダなどの主要国では移民政策や就労ビザの規制が大幅に強化されています。

  • 米国ではH-1Bビザの抽選競争が激化し、当選確率は大幅に減少。

  • 英国では2024年にスポンサー要件の給与基準を大幅に引き上げ。

  • オーストラリアも永住権取得の要件を厳格化。

  • カナダも移民受け入れ数の削減方針を打ち出す。

企業側もビザスポンサーのコストや手続き負担が大きいために、最初から外国人を対象外とする求人が増加しています。

結果として、海外留学後に現地就職を実現できる日本人学生の割合は十数年前と比べて著しく減少しています。

また、前回の記事にも書きましたが、今の時代はAIの登場で「ホワイトカラーリセッション」といわれるように、いわゆるホワイトカラーの求人市場がAIによって急速に縮小しています。

現在は、ビザを持つ現地の学生ですら新卒就職が難しい状況です。当然、留学生にとっては、ビザの問題に加えてさらに高いハードルとなります。

こうした現実を踏まえると、「海外大学を卒業すれば、自動的にグローバルなキャリアが開ける」という構図は、大きく変化しつつあると感じます。

なぜ海外進学なのか?


そのような背景からも、海外進学を考える方々は「なぜ海外なのか?」ということをしっかり考える必要があると思います。

メディアで話題になっているからと、何となく今の流行り的な感覚で海外進学を検討するのではなく、

「将来的に海外進学には自分にとってどのようなメリットがあるのか?」ということを具体的に考える必要があると思います。

海外大学の先にあるものとは?


先述のとおり、メディアでは国際教育について連日熱心に語られていますが、あたかも海外大学に進むことがゴールのような風潮すら感じられることもあります。

しかし、現実問題として、多くの方にとっての関心ごとは、海外進学後のキャリアだと思います。

今のメディアの国際教育の記事には、海外進学後のキャリアについては具体的に語られることが少ないと感じます。

わが家の子どもたちの逆算的な進路選択


わが家の場合は、子どもたちが海外で生まれ、夫や私は仕事やプライベートでもグローバルな環境で生活していたため、海外進学については特別なものという感覚はありませんでした。

また、子どもたちの将来的な進路については、本人たちにまかせることにしていたので、「好きなこと、得意なことに関連する仕事がいいんじゃない?」程度のアドバイスをしていたと思います。

そうこうしているうちに、子どもたちは中高生ぐらいになると漠然とながらも、将来的にはグローバルな環境で好きな分野の仕事をしたいと思うようになっていたようです。

そんなふうに将来の姿をイメージしていたことが、自然と進路選択につながったように思います。

まさに逆算的に考えて進路を選択したということになります。

順算ではなく、逆算することで見えてくるもの


最近は「グローバル化がすすむ今、海外大学へ進学するのが正解」のような風潮があります。

わが家の子どもたちも海外進学しましたが、それは先述のように、イメージする仕事から逆算的に考えた上での海外進学でした。

卒業後の姿をイメージできずに海外進学がゴールになってしまうと、卒業後の方向性が具体的に決まらずに、就職で苦戦する可能性もあるので、長期的な視野をもつことが大切だと思います。

専門分野+日本語+英語


結論からいうと「日本育ちの日本人」にとって、今の時代のグローバルキャリアという視点で見た場合、

専門分野+日本語+英語


を習得できる進学ルートを選ぶと大きな強みになると思います。

わが家の場合も、子どもたちがそれぞれの「学位取得後の姿」から逆算して見えてきたのは、専門分野を日本語と英語で学ぶというものでした。

そのために日本の学校を卒業した後に、海外進学することを決め、専門分野に特化した進学先を選びました。

海外進学を先に決めたわけではなく、目標へのプロセスとして海外進学を選んだということになります。

<英語について>


この場合の英語は「英語で何を学ぶのか?」いうことが重要です。

高等教育で専門分野を英語で学ぶためには、高い英語力が必要です。

海外の大学や大学院の講義を受けて課題をこなす日々の中では、英語を勉強する余裕はありません。

海外進学の前にしっかり英語力を高めておくことはとても大切です。

<日本語について>


多くの人が見落としがちなのが日本語の能力です。

日本語は日本育ちの日本人にとってあたりまえ過ぎるので、多くの人は意識することはないと思います。

しかし、今回の子どもたちの就活で、上記の2つ(専門スキルと英語)に加えてビジネスレベルの日本語を操る力があることによって、選択肢の大きな広がりにつながると実感しました。

専門スキルと英語に日本語が加わると、企業からのオファーの数が圧倒的に増えます。

日本はここ数年で一気に円安がすすみ経済力が失速しているとはいえ、GDP世界4位と依然として市場が大きく、何よりもインフラが整い、治安を含めて社会が安定しています。そのあたりが、多くの外資系企業が日本市場への参入を続けている主な理由のようです。

バイリンガルであり、また、バイカルチャーな人材は、日系企業のグローバル展開や外資系企業の日本拠点など、様々な需要があります。

国内外のビジネスの架け橋への「日本語 + 英語 + 専門性」を兼ね備えた人材へのニーズは、想像以上に大きいことがわかりました。

AIの時代に日本人であることのメリット


また、グローバルな視点で見ると、AIの時代に、日本人が日本語を操ることができることには大きなメリットがあると思います。

AIが処理できない日本人的な感覚や日本人ならではの抽象的な概念は貴重なものです。

「日本人として深く理解している」という独自の価値は、容易には代替されません。

今の時代に求められること


今は、地政学的にもテクノロジーにおいても時代の変化がとても激しいです。

過去5年を振り返ると、ウクライナ紛争、アメリカ大統領選挙、イラン情勢など、また、AIの活用化など様々な出来事が私たちの実生活に大きな影響を与えています。今の時

そして、それらの出来事は就活の現場にも大きな変化をもたらしています。

今後も、AIの活用化により10年後の世界は誰にとっても未知の世界だと思います。

今の時代に生きる人々は、就活に限らず変化に応じて柔軟に対応できる力をもつことが必要だと思います。

どのような進路であれ「なぜそれを選ぶのか?」という問いに自分なりの答えを持っていること——それが、変化の激しい今の時代を生き抜くための最初の一歩になると思います。



国内大学から世界につながるキャリアを目指す方や、海外大学と国内大学の間で進路を検討している方の参考になればと思い、まとめました↓





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