【投資メモ】直近のソフトウェア株の風向きの変化と行政における生成AIの調達・利活用ガイドライン
最近、ソフトウェア関連株の動きが良くなってきた。
決算ではPalantir、リクルートを筆頭に、良い業績に対して株価がストレートに反応する銘柄が多いと感じた。
以前から注目しているNECも強い動きを続けている。
日経平均が調整を始めた頃から、少しずつ資金の入り方が変わってきたように感じる。
そこで今回は、個別銘柄ではなく、
「なぜ今、ソフトウェア株なのか」
について考えてみたい。
AIブームの次に来るもの
これまでのAI相場では、「AIを作る会社」に注目が集まってきた。
半導体、データセンター、GPU、通信など。
これはもちろん重要だ。
しかし、AIが実際の社会に入り始めると、次に必要になるものがある。
それが、
AIを既存のシステムに組み込む仕事
だと思っている。
企業にはすでに基幹システムがある。
行政にも、何十年も使われてきたシステムがある。
AIを導入するからといって、それらを全部捨ててゼロから作り直すわけではない。
既存システムとAIをどう接続するのか。
データをどう扱うのか。
セキュリティをどうするのか。
業務をどう変えるのか。
そして、実際に現場で使える状態まで持っていく。
ここにSIerの仕事がある。
行政もAIを「使う側」へ
この流れで非常に気になったのが、デジタル庁の動きだ。
2026年6月12日、デジタル庁は「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)」を策定した。
これは単なるAI利用の注意事項ではない。
政府における生成AIの利活用を促進しながら、同時にリスク管理も行うためのガイドラインだ。生成AI技術の進展やユースケースの拡大を踏まえて改定された。
ここが個人的には重要だと思っている。
つまり、
「行政でAIを使っていいのか?」
という段階から、
「行政でAIをどう調達し、どう安全に使うのか?」
という段階に移ってきている。
これは大きな変化だ。
AIは「買って終わり」ではない
AIサービスを導入するだけなら簡単に見える。
しかし行政の場合はそうはいかない。
扱う情報には個人情報や機密情報も含まれる。
どのデータをAIに入力していいのか。
生成された回答をどこまで信用するのか。
AIサービスをどのような条件で調達するのか。
契約上、どのような点を確認するのか。
そして、導入後に誰が管理するのか。
実際、ガイドラインには生成AIシステムのリスク判断や調達仕様書、契約書作成などを支援する別紙も含まれている。
ここを見ると、
AIを作る企業だけが恩恵を受けるわけではない
ということが分かる。
AIを安全に「使える状態」にする企業にも仕事が生まれる。
だからSIerを見る
「既存システム × クラウド × AI × データ × セキュリティ」
AIそのものを作る会社ではなく、AIを社会に実装する会社を見る。
この視点でソフトウェア関連株を見ると、少し景色が変わってくる。
今回の決算シーズンを見ていて、
ソフトウェア株に対する市場の見方が少し変わってきたのではないか
と感じている。
もちろん、単なる短期的な資金移動の可能性もある。それでも、「AI」というテーマが、半導体やデータセンターだけではなく、ソフトウェア、DX、セキュリティ、SIerへ広がっていく可能性は考えておきたい。

