消せない夢

時々、ばったり再会する人がいます。

 忘れた頃に思いがけない所で再会するのです。いつもその場で少し立ち話をして別れます。転職が多いためか以前の職場で一緒に仕事をしていた人です。そんな人が2〜3人。大抵は書店なのですが、道端で行き会うこともあります。その他にもこれまで直接的な関わりのない人なのにホームセンターとかドラッグストアとか…それからやっぱり道端とか。

 田舎町ゆえに人口が少ないからなのか、行く所が少ないからなのか、行動パターンが似ているのか解りません。

 今日も買い物ついでに立ち寄った書店で以前同じ職場だった人にばったり再会しました。彼とはメールアドレスの交換もしていますが、共通点と言ったら世代が近いことくらいなのでメール交換も長続きしません。それでも偶然再会すると立ち話で近況報告をします。

 前回会ったのは1年以上前でしょうか。前に何を話したかも忘れています。そもそも彼とはどこの職場で一緒だったかが思い出せない始末。忘れてしまっているということは、たぶん大した問題ではないと言うことなのでしょう。それでも話していれば少しずつ思い出すもので、彼が以前から資格試験にチャレンジしていることを思い出しました。現在の状況を聞いたら、あと少しのところで試験に合格出来ないとのことでした。

 現在、彼は契約社員として働いているものの職場環境に満足しておらず、長くは続けられないと言っていました。それでも辞めずに勤めているので、少しずつ信頼も厚くなっているとか。この辺りがボクと大違いです。ボクは将来が見えなくなると、居ても立ってもいられなくなり自ら苦境を選んでしまいます。

 彼にとってその資格試験は進みたい業界に必要なものと言うことのようです。その道に進めば人生が開け、生活が楽になり、社会的地位も上がると考えているようでした。正直な所、第三者的視線のボクから見ると非常に厳しい選択をしようとしているように感じます。その業界関係の知り合いから厳しい話ばかりを耳にするからなのですが、それを伝えた所で彼の夢を壊してしまうだけのことです。少なくても日々の生活を仕事で支え、会社に貢献した上で夢を追いかけているわけですからボクがとやかく言うことではありません。
 多くの夢追い人がそんなふうにまだ見ぬ未来を夢見ているのでしょう。

 ただ…彼のことを心配しているボクはどうなんだと考えるきっかけにはなります。彼の心配をしたそっくりそのままがボク自身にも当てはまることだからです。ボクもまた楽な選択をしているわけではありません。その先にある希望に向かって進もうとしているに過ぎないのです。やり方や目的地は違えどその点はボクも彼と変わらないわけです。

 お互いに消せない夢を追いかけているのです。

 偶然再会する人との交流が人生全体の方針を見つめるきっかけになるのは不思議です。そしてこのタイミングでボクにはnoteという希望があることをありがたいと思うのでした。

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