はじめて「また戻ってきたい」と思える仕事に出会った話
「5年後、10年後の自分なんて描けない」
長いこと、そう思いながら働いてきた私。
第一子の育休、そして時短での復帰をきっかけに、
自分のキャリアを見つめ直し、
「ありたい自分」や「やりたいこと」が少しずつ見えてきていました。
だから、育休復帰後はじめてのキャリア面談の日。
これまでの面談ではずっと、
リーダーにウケがよさそうなビジョンや
それらしいキャリアプランを並べて、
なんとなくやり過ごしてきたけれど、
この日は違いました。
相手の話をちゃんと聴ける人でありたい。
ただ伝えるだけじゃなく、「ちゃんと届く言葉」で背中を押せる人でありたい。
そしていつか、
一人ひとりがイキイキと力を発揮しながら、
その成長がチームや組織の力にもつながっていく。
そんな環境づくりに関わる仕事がしたい。
その日の面談でははじめて、
自分の言葉で、自分の希望を伝えられた、
という感覚がありました。
しかも不思議なことに、
話しながら、その未来の景色まで、ちゃんと目に浮かんでいました。
だから、その年の秋。
「人事への異動」という辞令を受けたとき、
急なことに少し驚いたと同時に、
「あの日、ちゃんと伝わっていたんだ」
そんなふうにも思ったんです。
着任したポストは、
採用と人材開発に関わるチームのリーダー。
社員一人ひとりの成長と、会社の未来をどうつなげていくか。
そんな問いに向き合う仕事でした。
実際に仕事がはじまってみると、
難しい。
でも、おもしろい。
すごくやりがいがある。
気づけば、これまでの経験を何度も振り返っていました。
自分は、どんなときにモチベーションが上がったんだろう?
伸び悩んでいた後輩がブレイクスルーしたのは、どんなきっかけだった?
チームが一枚岩になっていたとき、リーダーはどんなふうに関わっていた?
会社をまたいで出向した経験も、
慣れない経営企画の仕事に、四苦八苦しながら食らいついた日々も。
バラバラの「点」に見えていたこれまでの自分の経験が、
全部「線」としてつながり、
「面」になっていくような感覚。
課題に直面したとき、
「ここが解決に向けたセンターピンなんじゃないかな?」と
自分なりの仮説がふっと立ち上がる。
こんな仕掛けをしてみたらどうだろう?と、ワクワクしながら考えている自分もいました。
もちろん全てうまくいくわけじゃなくて、
関係者との調整が思うように進まず神経をすり減らしたり、
役員の「鶴の一声」で企画がひっくり返ったり。
時短で管理職として働きながら、家庭と両立する大変さもありました。
でも、やらされ感ではない、単なる歯車でもない、
ちゃんと自分の意志で、自分で手綱をとって取り組めているという手ごたえがありました。
「ここが、私の場所なのかも」ーー
そんなふうに思いはじめた、着任から2か月後。
第二子の妊娠がわかりました。
「え、このタイミングで?」
そう思わなかったと言えば、嘘になります。
でも不思議と、強い不安や喪失感はありませんでした。
むしろ、根拠なんて何もないのに、
「また戻ってこられる気がする」
そんなふうに思えたんです。
はじめて「与えられた場所」じゃなくて、
「自分で見つけた場所」「また戻ってきたい場所」に
立てた感覚があったからかもしれません。
もしそうだとしたら、
少しぐらい離れたり遠回りしたりしても、この場所はなくならない。
そんなふうに思えることが、今はなんだか心強いんです。
▼「ありたい自分」や「やりたいこと」と向き合ったときのことを、こちらの記事に書いています。
