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尾張名古屋に突撃じゃい!~徳川美術館で葵の御紋に平伏する~/ミドル夫婦の飛行機de名古屋旅②

 名古屋旅2日目の朝は、7時前に目が覚めた。
窓を開けてみると、ここはまだ北海道か!?と見紛うような薄雪が散らついている。
 前日の夜中の1時に仮想通貨の何やらがある!と息巻いていた夫は、まだ高鼾をかいて就寝中だ。
わたしは先にシャワーを浴び、夜のライブに備えて爪を整えるのだった。
前記事:尾張名古屋に突撃じゃい!/ミドル夫婦の飛行機de名古屋旅①はコチラから!↓↓↓


1.名古屋喫茶でモーニングを

 風呂から上がったら起きていた夫と共に身支度を整え、わたしたちは次のターゲットを『名古屋モーニング』に定めた。
 そういえば、なぜ名古屋ではモーニングが有名なのだろう?と調べてみると、元々は名古屋ではなく、同じ愛知県内にある一宮市が発祥らしい。
 何でも、愛知県で繊維産業が隆盛を誇った昭和30年代、企業が喫茶店を会議や応接の場にしていたそうで、一宮の喫茶店が常連客に対しておこなうサービスの一環として、飲み物にゆで卵やトーストをつけるようにしたのが一般化していったのだとか。
それが繊維街であった名古屋の長者町にまで広がり、徐々に名古屋一帯に定着していったようだ。
 それにしても些か盛り過ぎでは…?と思うほどのサービスが特徴らしいが、元来が茶の湯文化となじみが深い尾張名古屋では、あまりにも親和性の高い文化だったのかも知れない。
 ともあれ、わたしたちは薄雪の舞う早朝の名古屋の街へ、美味しいモーニングを求めて彷徨い出た。

画像ではよくわからないが、降っている。
地元より雪なのよこれが

 知らない土地での唯一の頼りであるGoogleマップさんを片手に調べてみると、ホテルから徒歩10分のところに【加藤珈琲店】さんという有名店を見つけた。
「内地だし大丈夫だろ!」と比較的薄着で来てしまったことをうっすら後悔しつつ歩いてやっと辿り着くと、さすがの人気店は大行列である。
数分待ってみたが、列は一向に動く気配がない。
 降りしきる雪のキツさに心が折れたわたしたちは、再検索で近くに【喫茶グロリヤ】さんという高評価のお店があることを発見し、そちらへと足を向ける。
 はい!しかしここは閉店!!
 こうなってはもう選んでいる余裕も他に歩いていく気力もなかった。
結局わたしたちは、途中で見かけた【喫茶エーデルワイス】さんにお邪魔してみることに決めたのだった。

 やっとの思いでたどり着いた【喫茶エーデルワイス】さんも、ご多分に漏れず激混み。しかし奇跡的にテーブルがひとつ開いていたため、何とか滑り込むことができた。
 店内は、ご覧の通り装飾がいかついレトロ風。年月を感じさせる重厚なアートがそこかしこに見て取れ、思わず観光客まるだしできょろきょろしてしまった。
 後で調べて知ったことだが、1954年創業のエーデルワイスさんの先代マスターがアートの愛好家で、当時お店に出入りしていた作家たちにお願いして作ってもらった作品の数々が今でも店内に飾られているのだとか。
 なるほど、どうりで安っぽくないわけだぁ…

天井の果てまで装飾が凝らされた店内

 しかし重厚で落ち着いた内装の雰囲気とは裏腹に、鮨詰めの店内の雰囲気はガチャガチャ。
たまたまなのかどうかはよく判らないけれど、昨日の風来坊栄店を除くと、どうも名古屋の接客は比較的塩っぽい傾向にあるような気がする。
 もしかすると、長きに渡る戦乱を経験している土地柄のせいで、打ち解けるまでに時間がかかるのかなぁ、などと考えつつ、大人しくモーニングの到着を待つ。

 予備知識では「飲み物を注文すると、勝手にトーストや卵がついてくる」という触れ込みの名古屋モーニングであったが、現状は『名古屋モーニング』としてメニュー化し、内容も選択できて、それによって価格もきちんと設定されているシステムが多いようだ(この価格高騰時代に当たり前だよな)
 まもなく、夫が注文した小倉トーストと、わたしが注文したハム野菜サンドが運ばれてくる。

こちらがハム野菜サンド
こちらが小倉トースト

 値段は、いずれもコーヒーがついて(ん?正確にはフードがついて、か?)いずれも570円。確かに充分お安いと言えよう。
盛り付けは、ご覧の通り些かお雑…。まぁ本当にお忙しそうなので、これは致し方あるまい。

 わたしは注文に踏み切れなかったのだが、一口齧らせてもらった夫の小倉トーストは、バターの塩味とあんこのマリアージュが大変に美味しかった。
 なるほどこれが定番の人気メニューになるわけだな!
それが、ちょっぴり酸味のある濃い目のコーヒーとよく合って、本当にうまい。
ゆで卵の半熟加減も絶妙で、すっかり気に入った夫は、明日も絶対他のお店のモーニングを食べるんだい!と息巻いていた。
 こうして、わたしたちの名古屋初モーニングの時間はゆったりと過ぎていったのであった。

ごちそうさまでした!

2.徳川美術館で、徳川家の功績に圧倒される

 名古屋モーニングを堪能しながら、わたしたちは次の行き先を検討した。
 天候は、あいにく雪まじりの曇り。よって、屋外の観光地は些かきつい気温である。
そうなると、とりあえず名古屋城は晴れ予報の明日に回した方が良さそうだ。

 夜にはXGのライブを控え、少し早めに夫の友人たちと合流する予定になっていた。逆算すると、あと6時間ほどしか観光に回せる時間はない。
 昨今ネットで検索すると、たいていの施設は見学のための所要時間を知ることができるのだが、わたしたちは「だいたい40分くらい」と書かれている施設に2時間を費やしてしまったことがある。とすれば、せいぜい回れて2か所ほどかな…とアタリをつけた。

 何はさておき、せっかく内地まで来たのだから、とにかく歴史と関りがある観光地に行きたい!ということで、まずは【徳川美術館】に行こう!ということになった。
 マップで調べてみると、徒歩45分。
晴れていれば不可能ではない距離だったが、何しろ気温と天候がキツすぎる。
 またしてもバスや地下鉄という選択肢を見いだせなかったわたしたちは、やむを得ずタクシーを拾うことにした。

 余談だが、名古屋はタクシーの運転手さんも比較的塩かった。
ここまで来ると、もはや風土的な何かなのかもな、という思いが更に強くなる。
自分の知る尾張の戦国武将たちも、どことなく合理主義なイメージ(?)なので、やはり県民性みたいなものがあるのかな?
北海道のタクシーの運ちゃんなんか、聞いてもないのにめっちゃ観光案内とかしてくる人が多い印象なので、名古屋のことを色々聞いても「はぁ」「いやあ知らないですね」「……(無言)」みたいな応対は、逆に何だか新鮮で面白かった。
余計な愛想を振りまかないってことは、裏表がないってことなんだろうね。

 さて、たどり着いた【徳川美術館】の正門を見るなり、わたしたちはタクシーの塩っぽさもすっかり忘れてテンションをブチ上げてしまった。
 だって!見て!この佇まい!!

どんっっ
これは門衛所として機能していたという脇長屋。
嬉々として入場する夫氏

 この徳川美術館は、江戸時代のはじめには尾張徳川家・二代光友卿の【大曾根下屋敷】と呼ばれる広大な別邸だったそうだ。
 後にそこはご家老たちに与えられたそうだが、明治維新後に再び尾張徳川家の所有となり、昭和に入って十九代義親候が「これだけのものを個人の所有とするのは時勢に合わない」とし、殆どを名古屋市に寄付したのだとか。
 しかし、第二次世界大戦によって、当時の遺構のほとんどは焼失してしまったらしい。
 『黒門』と呼ばれるこの表門と脇長屋は奇跡的に焼失を免れた当時の遺構だそうで、大曾根下屋敷の面影を残す数少ない建築遺産らしいが、建てられたのは明治33年というから、思ったより新しかった。
冷静に考えたら、明治維新も遠い過去になった33年にまだ脇長屋つきの武家屋敷を作れる徳川家って…なんだかんださすがの将軍家なのですな…。

 黒門をくぐると、まもなく左手に『蓬左文庫』という施設が見えてくる。
 ここは『駿河御譲本』と呼ばれる徳川家康公の遺産( !! )である三千冊の蔵書を含めた貴重な古典籍を収蔵する文庫で、その収蔵数は何と12万点!
書籍のほかには古地図、屋敷図、庭園図なども収蔵されているそうで、重要文化財もゴロゴロ眠っている。
 たった今Wikipediaを見ていて驚いたのだが、そもそもここは名古屋城内に創設された『駿河御譲本』を収蔵するために作られた『御文庫』を起源とした施設だそうで、江戸時代から広く公開されていたのだそうだ。
 何でも、あの本居宣長が『古事記伝』を執筆する際に資料閲覧の場として御文庫を利用していたという逸話もあり、興味深い。
 つまり、江戸時代からの尾張徳川家の心意気をしっかり今に伝える施設ということになるのだろう。

 普通に中二病的な感じで小説から歴史に興味を持ち始め、ゲームや漫画を通してハマってきた身としては、どちらかというと徳川家康公は倹約家のイメージがあり、地味で、キャラクターとしてあまり好もしい印象を持ったことがなかった。
 しかし、大人になるにつれて天下泰平・徳川二百六十年の礎を築いた凄さ、そして現代に戦国・江戸時代の文化・芸術を伝えるにあたって遺した功績の大きさを思うとき、思わずハっとするようなご威光を感じてしまうのだ。
 おそらく江戸時代があれほど長くなかったら、日本の優れた芸術はこんなにも円熟を迎えていなかったのではなかろうか。

 まぁ、ネットを調べればすぐに出てくるようなにわか知識や素人の感想はさておき、蓬左文庫である。

これが蓬左文庫入り口。入場料は¥400
朝鮮王朝から来た書物などもある
基本的に撮影OK

 文庫内には、現存最古の源氏物語完本なども展示されていた。
「現存最古の源氏物語完本」ってさ…。パワーワードすぎん?
もう、展示物が背負っている歴史の濃さに圧倒されて、次第に無言になってゆく我々。
館内は基本的に撮影OKだったが、何故か古地図だけが撮影禁止なのが不思議で面白かった。
 たっぷりと時間をかけて見学し、どこもかしこも美しい建物の中をてくてくと歩いてゆく。

中庭もド渋いんだこれが
ちょっとしたとこにまで枯山水

 蓬左文庫にあまりにも圧倒されてしまったため、建物を出たわたしたちは、少し一息入れようと先に売店に立ち寄ってみることにした。

 ちなみに【徳川美術館】は、前述した大曾根下屋敷跡に造成された日本庭園【徳川園】に隣接しており、入場料は別々にかかることになっている。
 売店も、庭園側と美術館内それぞれに設置されており、全然毛色の違う商品を取り扱っていた。
決して観光地によくある「どうせどっちに行っても同じものしか売ってないんでしょ?」というタイプのショップではないので、歴史好きで訪れた方はぜひとも両方回ってみて頂きたいと思う。

 この時わたしたちが立ち寄ったのは【徳川園】側に作られている【ショップ葵】さんというお店で、ここでしか買えないオリジナルグッズが豊富に並んでいた。
 わたしはここで、パッケージに葵の御紋がプリントされたくそでかどら焼きを発見してしまい、ソッコー掴んで会計までダッシュしたのだが、いい年した観光客丸出しのおばさんがどら焼き一個しか持たずにレジに行くのが妙に恥ずかしくなってしまい「えとえと、わたしは、全国のどら焼きを手当たり次第に食べて記事にしているのです」と、言い訳がましく説明してしまった。
 記事ったって、ご存じの通りただの素人が食べたどら焼きを忘れないように書いてるだけのメモなんだけどね!!いつもはそんなこと言ったって「はぁ、そうですか」くらいしか言われないから安心してたんだけど!
 こちらの【ショップ葵】の女性スタッフさんはお二人とも最高にフレンドリー(not塩対応は風来坊栄店に続いて名古屋旅2例目)で、一通り会計を済ませたあとに「あの…」と遠慮がちに話しかけてこられたかと思うと「失礼でなければそのどら焼きの記事、どこで読めるか教えてもらえませんか?」と仰るではないか!
 そうなると、慌てるのは当方だよね。
いやいやいやあのえええ記事って言ってもですね!!素人のおばさんが書いてる日記!そう!日記なので!とても人様にお見せできるほどのものでは…!と言い訳すると「実はわたしもどら焼きが!!大好きなんです!!」と宣う。
 仕方なく大いに恐縮しつつマガジンのURLをお教えすると、すぐにブックマークしてくださっていた。
 何ていい人たちなんだぁ…!!
 あの時のスタッフさん!!本当にくそ素人のド下手記事でごめんなさい!!
 こうなったらもののついでだ!と、わたしはお二人に名古屋で美味しいどら焼きのお店がないかをお尋ねしてみた。
すると、名古屋市内ではなく、豊橋市にある【ボンとらや】さんというお菓子屋さんのどら焼きが美味しいという。
 この時は、もう一心不乱で「行きます!絶対行きます!」とお返事してしまったのだが、結果的にどう考えても今回の旅の行程の中で豊橋市まで行くのは不可能ということになり、おすすめどら焼きをゲットしてくることは叶わなかった。
 ただ、あとで調べてみたところ、どうもこちらのどら焼きは名古屋駅でも買えたようで、つくづくとしっかり調べてみなかったことが悔やまれた。
でも、更に突き詰めて調べてみると、通販もやっているようだ。
ここは忘れず記憶に留めておいて、必ずや近々通販をキメようと誓ったのであった。

 更に余談で恐縮なのだが、ここで「名古屋って…街の規模の割にはどら焼きを売っているお店が少ない気がするんですが…」とお尋ねしてみたところ、声を揃えて「そう!」とのことだった。
 何でも、体感的にどうも「御座候」や「たい焼き」の方が人気に感じるのだそうな。何故かはよくわからないらしい。
 そっか~名古屋ではどら焼き、そんなにウケてないんだなあ。

 こうして無事売店で一息入れた我々は、気分も新たに徳川美術館へと足を踏み入れたのであった。

 【徳川美術館】は、1935年に開設された歴史ある美術館で『公益財団法人 徳川黎明会』が運営を担っている。
 徳川家康公が遺された遺品などを中心に、徳川家伝来の大名道具・刀剣・寄贈品・宝物など、国宝9点・重要文化財59点を所蔵し、倉庫の建物自体も登録有形文化財となっているというから、これはもう存在まるごと国の宝と言っていいのではなかろうか。
 それでいて、入場料は大人1名たったの1600円。
間違いないです。ここはそれだけ払ってもお釣りが来る。

 館内は、まさかのほとんど撮影OK。
これでもかと押し寄せてくる日本の至宝の存在感に、わたしたちは終始度肝を抜かれっぱなし。
 だって。これ見てくださいよ。入ってすぐがこのド迫力なの!

具足に長槍に馬標、扇。
ねぇ~~この馬標の迫力見てよ!

 ここへ来て初めて実感したのだけど。
やっぱり『葵の御紋』が放つ威風というのは凄いね!!
 幼い頃から水戸黄門なんかを観て育ったというのもあるのかも知れないが、多分我々日本人のDNAの中には、徳川三百年で染みついた、この家紋に対する畏敬の念みたいなのがあるのではないだろうか?
 や、わからん。討幕派のDNAしかない人とかもいるのかも知れないけど。
 何しろ、当時の人たちがこの御紋を目にしたときに「ははーっ!」とひれ伏してしまうような気持ちが、何だか解るような気がしてしまったんだよなあ。

 …で。展示物に関してはもう、ここではいちいち説明は避けたい。
マジでもう、実際に足を運んでみてくださいとしか言いようがない。
 だって、カジュアルに教科書に出てきた気がする屏風とか、ゲームに出てきた気がする茶器とかが出てくるのだ。それこそキリがないくらいに。
 なので、ここからは暫し、画像だけでお楽しみください。

どら焼きの袋を持った自分が映り込んでるの草
ド迫力の刀剣もたくさん展示されていた
茶器もたくさんあったよ
さっぱり見方はわからぬが
茶室の復元などもある
この規模感ですわ
もう溜息しか出ない

 んまー…茶室の復元あたりからね、もう、ここは名古屋を訪れておいて見ないで帰るのはアホレベルだと思いましたね。
 この時点でもう、それくらい見応えがある。っていうかむしろ、見応えしかない!!
 中には、名古屋城二の丸のことを記した記録を元に再現した復元展示などもあり、当時の名古屋城がいかにむぬすげえ金ピカであったかを偲ぶことができる(言い方)

見よ!この輝きを!
圧巻でしかない
このDNAを保有していたら、そら街も派手になるよなあ
何をするものかわからないけど、とにかくすごい(語彙)
信じられるか…?能の舞台まで再現されてるんだぜ…?
意匠だけで圧巻なんですわ
打掛もある
蒔絵の美しさに息を呑む
ひとつひとつが精緻な宝物なんですよヤバくないですか
屏風はどれも筆舌にし難い圧倒的な存在感でありました
教科書で見た気がするやつ
この筆致マジで直に見た方がいいよ

 うん。キリがない。本当にキリがないほど見るものだらけです【徳川美術館】は。

 自分も恥ずかしながら創作活動にちんまり携わる身として、日本画の圧倒的な筆致には感動しすぎて最後めっちゃ泣いてました。不審者か
 だって歴史に名を残す絵師たちの筆力ヤバすぎるんよ。語彙が崩壊する。すごい以外に言える言葉が見つからない。
 あの筆で一本一本描かれた鳥の羽や山の枝葉、水の流れ…。
どれほどの自己研鑽があったのか…。そして、息もできないほどの集中力で、途方もない時間をかけて練り上げられたのであろう魂の作品…想像するだけで人の胸を打つわけですよ。

 やー…ね。
CG全盛の現代にあって、自分もすっかりデジタル絵描きになってさ。
あまつさえ現代なんて、AIだと!!おい!!聞いてるか!!簡単に「AIに学習させる」だと!?
この!全部手で!書く前からもう既に戦いが始まっているこの!!な!紙も手作り、筆も手作り、絵の具でさえも手作りで!職人の魂がこもった道具を受け取るんだ絵師は!道具だけじゃダメなの!!更に描く力を必死で練るわけだよ!!そこから!一本一本、震える手を抑えながら描くんですよ!!失敗は許されない!!戻るボタンなどない!失敗したらそれっきりの世界を生きてきたこの作品はもう!何百年も残っている!!けど!!AI!!てめえらの作品など一瞬で終わりだ!!誰の記憶にも残らねえ!何を学習してるんだ!?おめえらは!!一体今何を!!学習したつもりなんだ!!?おい!!聞いてるか!!学習ってのはなあ!そんなくそ安いもんじゃねーんだよバーカバーカ!!
まあわたしの絵も一瞬で終わりだけどな!!

 …ってなりましたね。すみません取り乱しました。
そもそもAIさんなんて歴史に名を残したくてクソ絵を量産してるわけじゃないのにネ。目的が違うもんネ。ゴメンネ???
どさくさに紛れてめちゃくちゃAIの悪口言った。ごめん。口が悪かった。
…でも何だろう。なんかスッキリした!!

 そんなこんなで、案の定気づいたら、既に2時間半が経過していたのだった。

 帰り際、特別展示室では企画展として雛祭りを開催していた。
そこに至るまでの通路から見える収蔵庫のエントランスでさえ趣深いと思ったら、何しろその建物が登録有形文化財ということで、深く納得してしまった。

大都会の中にあるとは思えんのよね。左手が登録有形文化財。
ここは行けないようになってたみたい

 特別展の雛人形も、説明するまでもなくすげえの一言です。
わたしはもう、本館の絵画展示に情緒をやられて号泣だったので、すっかり疲れ切ってしまっていた。
 ほんと、他に言うことはない。
 とにかく一度行ってみてください。【徳川美術館】に。
 やっぱさ…徳川家はすごいよ…。

代々の奥様方がお持ちになったらしき雛人形だったと思う(うろ覚え)
昔の職人さんって本当にどういう精神でこれ作ってたんだろうね…
合わせ貝。芸術ってやっぱ若干の狂気性と隣り合わせじゃないと完成しないのでは。
こんなんの中に1個1個手描きなんて常人は無理ィ…

 美術館を観終わったあとは、その足で隣接している【徳川園】を見に行った。ここはもうめんどいので、Wikipediaからの抜粋を掲載していこう。

徳川園(とくがわえん)は、愛知県名古屋市東区徳川町にある日本庭園。
(中略)
1695年に造営された尾張藩2代藩主徳川光友の隠居所の大曽根御屋敷跡(当時の敷地は約44ha)に築造された池泉廻遊式の大名庭園である。園内に配置された山、大曽根の瀧、渓流、龍仙湖、牡丹園、菖蒲田はそれぞれ、木曽山脈、木曽三川、伊勢湾、濃尾平野に見立てられてのものであり、自然の景観を凝縮している。これは、尾張国の、土地柄の豊かさを表現したものである。

Wikipediaより抜粋

 何しろ行った時期が2月の初旬だったので、緑や花の季節と比べれば、やはり物寂しい印象ではあった。
 それでも、牡丹が品評会のようにあちこちに配置されていたり、寒桜が咲いていたり、逆に冬にしか見られないものがあったりと、何だかんだ楽しむことができた。
 とは言え、天気自体も微妙でね。どうせならやっぱり、よく晴れた緑の季節に再訪したいと思う。
 まぁ、ここからはまたしばし、徳川園を散策するつもりで画像をお楽しみください。

ぐるり歩くだけで30分以上はかかる感じ
いたるところに趣が感じられる
色んな品種の牡丹が咲いてました
特に気に入った2品種
季節の割には緑のところも多かった
コスプレ撮影とかに良さそうな場所だよねえ
いたるところに茶室がある
ここが一番絶景だったかな?
蘇鉄に巻かれた冬囲い。これは名古屋城巻きと呼ばれる巻き方だそうで、現在では本家の名古屋城ですらやってない明治時代の巻き方なんですって!
鯉がいないと思ったら、帰り口近くに密集してました
寒桜が咲いていたよ

 結局、徳川美術館と徳川園では、合わせて3時間の滞在となった。
お昼ご飯を食べるなどしているうちに、きっと時間はある程度過ぎてしまうだろうということで、今日はもう他の観光地を巡ることは諦めることにする。
 そうと決めたわたしたちは、再びタクシーを拾い、とりあえずお昼ご飯を探し求めてホテル近辺まで戻ってみることにした。

3.名古屋ランチ2日目 

 第一章でも説明したかと思うが、そもそも今回わたしたちが何をしに名古屋へ来たのかと言えば、近頃推しに推しているガールズグループ【XG】の、名古屋公演のためだったのだ。
 しかもこの日は、ワールドツアー2025の初日。
明らかにわたしよりもドハマりしている上に、大好きな仮想通貨界隈のお友達と合流して一緒にライブに行ける夫のテンションは、前々日あたりから見たこともないほど異様にブチ上がっている。
 目の前に展示物などがある時以外は、終始落ち着きがない上に、心ここにあらずでライブのことか仮想通貨のことばかり考えている様子の夫に、わたしは内心ですっかりウンザリしていた。
 ここでランチは何にしようかという話になったが、別に今ひつまぶしを食べてもいいんだよなぁ…と様子を窺ってくる夫に、鰻が苦手なわたしはふたつ返事で「いいよ!食べといで!あとで合流しよう!」と返す。

 今までは本当にどこでも一緒が良かったんだけど。
今回初めて別行動の方が気楽って思っちゃったよね。一緒にいるのにずーっと別な方向ばっか見てる夫と一緒に時間を過ごす意味がわからん。
 なるほどこうやって夫婦って、だんだん別行動になっていくのだな。

 妙なところに感心しつつ、夫といったん離れたわたしは栄の松坂屋さんに飛び込み、昨日買い損ねていたデパ地下のどら焼きをいくつかゲットした。
 しかし栄の松坂屋は昨日も今日もみっちみちに混んでいる。
ほとんどどら焼きとお菓子しか見ていないけれど、お惣菜とかも美味しいお店がいっぱい入ってるんだろうなあ。

 夜は【世界の山ちゃん】で食べる予定になっていたので、少しばかり迷った末に、わたしはランチで食べる名古屋めしを『海老フライ』に決めた。
これはかなり後発で名古屋グルメに組み込まれたものらしいが、調べてみると現在地から徒歩数分のところに有名店だという【まるは食堂】さんがあったので、行ってみることにしたのだ。

 わたしが行った【まるは食堂】さんは、栄にあるラシックというビルの8Fに入っていて、店内は広く明るく、大きな窓からの眺めも悪くなかった。
案内されたカウンター席は、他にもおひとり様の女性ばかりが座っている窓際で、昼下がりの日差しがちょうどいい。
時刻は13時半も少し回っていたので、並ばずに済んだのだろう。

 待ち時間のついでに、なぜ海老フライが名古屋めしとして定着したのか調べてみたところ、何とタレントのタモリさんがその昔「愛知では海老フライのことをエビフリャーと言う」などと発言したことで勝手に「名古屋人は海老フライをよく食べる」という言説が広まり、イメージそのままに名古屋に定着したのだとか。

 えぇええ!?そんな最近に、しかもそんな軽率に地域の看板をよくわからん理由で名物でもない料理に背負わせちゃっていいもんなの!?
 …逆に名古屋まじすげえ。

 そういえば、来てみるまでは勝手に「あるんだろう」とイメージしていた「名古屋弁」らしきものも、一度も耳にしたことがない。
どこで触れたのも、ほぼ全くと言っていいほど訛りの感じられない標準語だった。
 うーむ。ミステリアス名古屋。
居れば居るほど謎が深まる要素が多いのである。

これが海老フライ定食¥2045…

 由来を知ってしまうと、どこで食べても海老フライは一緒か…という些かの残念感が出てしまったが、そういえばそこかしこで「海老せんべい」も売られていることも思うと、海老も有名なのでは??と思い立ち、もう一度調べ直す。
 すると、他にもあった。
愛知県は天然クルマエビの名産地なんですって。
だからまぁ、産地として有名なのは他の地域らしいのだが、何しろ県庁所在地だしな。
名古屋名物、という触れ込みの方が通りが良くなっちゃうもんなのかも知んないすね。

 感想はというと…え~…海老は先っぽまで身が詰まっていてプリップリで、めちゃくちゃ美味しかったです。
 でもな…2045円で、このタルタルソースは悲しかったな…。

ファストフードで出てくるやつじゃん…

 付け合わせのもずく酢や赤だしのお味噌汁は、味付けもかなり濃い目で、それが逆に新鮮でした。北海道で食べたことがある赤味噌よりずっと美味しく感じた。
 でも海老な…海老はな…正直このコスパならば北海道でもっとおなかいっぱい本数を食べられるお店がある気がした。
もしかしたら、名古屋にもあるよね???

 まぁ大都会ど真ん中のテナントだから仕方ないよな…と己を納得させ、再び松坂屋に戻ってデパ地下をウロウロしていると、近くにあった名店【しら河】さんで本場の『ひつまぶし』を食べ終えた夫が合流してきた。
 夫はもう文句なしの大満足だった様子で、上がっているテンションを更にぶち上げている。
 くっそー!!うらやましい!!よかったね!!!

 何となく釈然としなかったわたしは、駄々をこねまくり、そこから少し離れたところにあった名古屋では貴重な貴重などら焼き専門店【くろーばー結び】さんに立ち寄らせてもらった。
 小倉どら焼きと、発酵バターのあんバターどら焼きをゲットできたので、それですっかり溜飲を下げ、いったんホテルへ戻ることにする。
 ホテルまでは30分に満たない距離だったが、何だかすっかり疲弊していたので、またタクシーを拾ってしまった。

 もう何回目かになるタクシー乗車でだいぶ慣れてきたのだが、ちょっぴり塩い名古屋のタクシーも、こちらからどんどん話しかけてしまえば少しずつお返事を頂けるっぽいことが解ってきた。
 なので、この乗車でもそっと疑問に思っていることをお尋ねしてみる。

 まず「名古屋弁」っていうのはどこに行けば聞けますか?運転手さんも今は普通に標準語でお話されてますが、普段は名古屋弁なんですか?ということ。
 運転手さんは大きく顔の前で手を振り「いやいやいや!あんな言葉ね!ぼくは生まれも育ちも名古屋だけど、ぼくの周りで喋ってる人、見たことありませんよ!」と仰るではないか!
 えー!?じゃあどこから名古屋弁っていう概念が成立したの!?

 それについては運転手さんも「さぁ?」という。
地元民ですらよく解らない言語が地元の方言として様々な媒体で一人歩きしてゆく感覚……どういうお気持ちなのだろう。
 いや、北海道弁でも稀にある。『したっけ』とか昔はあんまり言わなかったもん。あれを映画とかで聞いたときみたいな気持ちかなあ。

 続いてお尋ねしたのは、地元の方だからこそ知っている「穴場スポット」みたいなのはないですか?ということ。
 そこで運転手さんは少しの間「うーん」と逡巡された上で、非常に興味深い回答をくださったのだ。

「いや~あのね、名古屋には隠れ家的な名店、とか、知る人ぞ知る穴場スポット、っていうのは基本的にないの。何でかって言うと、名古屋人は良くも悪くも『とにかく人が集まるところに集まる』っていう性質があるのね。だから、人が集まるところがいいところなの。そんなわけで人がいないところはね、潰れちゃうから。残らないようになってるの」

 これを聞いたとき、わたしは思わず爆笑してしまった。
あぁ…何て解りやすく明快な答えなのだろう。
そうか。名古屋って徹底的な現実主義なんだな。だからきっと無駄な愛想とかもふりまかないんだ。
実に竹を割ったような清々しさじゃありませんか!
 ここまでで名古屋に感じていた少しの蟠りのようなものもすっかり解消されたわたしたちは、意気揚々といったんホテルに戻り、身支度を整えた。

さぁ、いよいよライブだ!

4.念願のライブ!かーらーの【ワンランク上の山ちゃん】へ

 確かホテルからは、いったん栄の駅まで歩いていって、そこからは地下鉄で名鉄名古屋駅まで行き、ナントカ線に乗って金城ふ頭駅というところに行ったのだが、このへんはもう同じライブを目指す人の波でもみくちゃだったので、細かいことは覚えていない。
 でも、大雪で参加できなくなるかも知れないと仰っていた夫のお友達ご夫妻が無事に来られることがわかり、ホッとしながら会場へ向かっていたことは覚えている。

 わたしと夫は実を言うと、結婚前から20年来の親友で、何度か一緒にライブに行ったことはあったが、互いにその頃はメジャーとも言えない日本のラップばかり聴いていたので、こんなに大きな箱のライブに参加するのは初めてのことだったのだ。
 あまりの人混みと規模に些か緊張しつつ、入場の列に並んでゆく。

 しかしまぁ解ってたこととは言え、会場は若い子だらけだったね!!
おっさんおばさんは流石に少なめだった。うん。
 でも恥じてない。ALPHAZ(XGファンの総称)であることは、微塵も恥じてない。彼女たちの魅力はおっさんおばさんの魂を揺さぶるほど素晴らしいのだから!!

会場の写真はこれしか撮れていない

 ライブはねえ、もう素晴らしかったです。
感極まって何回も泣いちゃった。
パワフルで美しくてキュートでクールな彼女たちの全力が詰まった最高のステージ。本当にありがとうございました!!
 ぜひみなさんも一曲くらい聴いてほしい。
ここに公式の動画貼っとくね!!お時間ある方はぜひ!!騙されたと思って一回観てみて!!

 ライブ開始ギリギリで到着した夫のお友達は、事前に「普通のおばさんだよ」と聞いていたにも関わらず、若くてどちゃくそ可愛くて明るくて賢いお嬢さんであった。
 どうせ会わせるのに、何でそんな嘘ついたんだ夫よ
 まぁ勘の良い方ならお察しの通り、帰宅してから結婚以来最大級の大喧嘩に発展してしまい、夫婦関係にはおそらくこの先消えることのない盛大なる溝が出来ることになるのだが、この時は知る由もない。
 何しろひたすら盛り上がるうちの夫と先方の奥様を、先方の旦那さまと曖昧な笑顔で見守りながら、ライブ帰りの人でごった返す道をひたすらに歩いた。

 打ち上げのお店は、事前に聞いていた通りに【ワンランク上の世界の山ちゃん】
 それまで一度も【世界の山ちゃん】に行ったことがないのに、ワンランク上から入ってしまうのが面白かった上に、そのお店の目の前が普通の【世界の山ちゃん】だったことには驚いてしまった。
 同じ店の別コンセプト店舗が真正面って他にある!?

 ともあれ、見るからに高級志向の店舗に案内されると、中は完全個室制。
わたしと先方の旦那さまは仮想通貨コミュニティには属していないので、改めてはじめましてのご挨拶と、ライブチケットを手配してくださったお礼と、手土産の渡しあいなどを経て、打ち上げが始まる。

お通しからして既に高級感
これはワンランク上でしか提供されていないという名古屋コーチン手羽先焼
なんか聞いたことのないお揚げ
初めて食べたカマスとかいうお魚

 ワンランク上の世界の山ちゃんは、確かにメニューがワンランク上だった。もしかすると、お値段は体感的にツーランク上と言ってもよかったかも知れない。
 特にお酒を多く飲まれる方は、あのメニューを見ると少し怯むかもな…と思われる程度の価格帯であった。
(そのせいか互いに遠慮してあんまり食べれなかった)

 夫は先方の奥さまと同じコミュニティで、日ごろから大層ネットで仲良くして頂いているらしく、終始その話で楽しそうに盛り上がっていた。
 まぁ日頃からずーっとPCにしがみついてやり込んでる趣味だから無理もない。
どうやら向こうの奥様も同じようなものらしく、旦那さまが「いつか仮想通貨で大儲けして海外旅行でも連れていってくれれば僕はそれでいいです」と仰るのを聞き、どこも似たようなもんですね、と笑ってしまった。
 何でも前日から界隈は大変な動きがある日だったそうで、心ここにあらずの夫の状態は「この日ばかりは仕方ないんです!!ほんとごめんなさい奥さん!」と、何故だか彼女から謝られてしまったのが絶妙に腹に響いた。
 友達に謝らせてんじゃねぇよこのやろう

 ライブが終わった時刻も時刻だったため、一次会で解散の運びとなったこの日は、夜中の23時半にホテルへ着いた。
 思うところは色々あれど、楽しい気持ちに水を差すのが嫌だったわたしは諸々のモヤモヤを腹に抱えつつも、それは一切顔に出さず、楽しい話だけをして過ごすことに決めた。

 しかしである。
ここで夫がお友達にライブチケット代を渡し忘れていたことが判明。
おい!!事前にわたしの分も渡しておいたのに何してくれとんの我ェ!!
一回り以上も歳の離れた若い子にそんな迂闊なことしたらアカンて!!
 その時ばかりは笑顔を必死で保ちつつも「それは…本当に大人としてダメだね」と静かに言い渡し、LINEに既読がつかないから行っても無駄だとしょんぼりする夫のケツを叩き、例え無駄かも知れなくても、もし既読がついた場合にすぐ渡せるように、せめて近くまででも行ってみるのが誠意ってもんじゃねぇのですかい??と、一緒に極寒の名古屋の街へ飛び出した。もちろんわたしも謝罪するつもりだったからだ。

 凍てつく寒さの中、30分以上かけて彼女たちが宿泊しているホテルに辿り着くも、結局既読がつくことはなかった。
 とても電話をかけていい時間でもなかったため、仕方なく元きた道をてくてくと引き返す。これはもう明日の早朝にもう一度渡しに来るしかない。

 ホテルに戻ると、時計は既に余裕で深夜1時を回っていた。
 さすがに夫も凹んでいたが、当たり前じゃ少しは反省せい!という気持ちである。
 軽くシャワーを浴び、あーもー本当にわたしってイイ奥さんだな!!とヤケクソぎみに心の中で自画自賛しているうちに、いつの間にかすっかり眠り込んでしまっていた。

 いやー。
本当はですね。人目に触れる旅日記と思えば、もう少しこう赤裸々な私ごとなんぞは削って書いた方がいいとは思うんですが。
まことに勝手ながらわたしの旅記録は基本的に備忘録代わりに書いているものなので、些末な思い出もしっかり記してゆくのが自分的なルールとなっております。
もしここまでお付き合い下さっている方がいらしたら、本当に感謝します。
どうぞご遠慮なく、どんどん読み飛ばしてくださいね!!

 それでは、このたびはこの辺で。
次回は名古屋旅3日目。熱田神宮と名古屋城編でお会いしましょう!!

第3章はコチラから⏬️⏬️


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