①3|やって終わりにしない|改善を回す方法(中小企業診断士の実務シリーズ)
可視化した“だけ”では何も変わらない
――ECRSで改善案を出して、ちゃんと回すまで
前回、業務リストとタスクマトリックスを使って、
現場の“何してるか分からない問題”を可視化した事例をご紹介しました。
けれど当然ながら、見えるようにしただけでは現実は何も変わりません。
「で、どうするのか?」を一歩ずつ整理し、合意し、形にしていく――
今回はその改善フェーズについてのお話です。
改善案を出す前に、必ずやったこと
可視化が終わったあと、すぐに「じゃあ改善案を出しましょう!」といきたいところですが、
ここでひとつ、大事なステップを挟みました。
それが、現場メンバーへのフィードバックと“改善対象の線引き”です。
🎯 改善対象と非対象を明確にする
現場の人たちは、「改善」と聞くと身構えます。
自分たちの仕事が否定されるのではないか?
担当業務が減って評価が下がるのでは?
改善という名の「丸投げ」が起きるのでは?
こうした不安があると、どんなに良い案も前に進みません。
そこで、こう伝えました。
「今回は“やる必要がある業務を、どうやったらもっとやりやすくできるか”を考えます」
「会社の方針や顧客要望でどうにもならない業務は、いったん触れません」
こうすることで、議論の対象が明確になり、参加のハードルが下がります。
ECRSの4視点で“ツッコミ”を入れていく
改善案の洗い出しには、再びECRS(排除・結合・入れ替え・簡素化)の出番です。
業務リストを1つずつ見ながら、メンバー全員で「これはE?C?R?S?」と問い直していく。
「これ、誰も見てない資料だからE(排除)じゃない?」
「この2つ、同じ人がやってるならC(結合)できるのでは?」
「順番が悪くて時間かかってるのはR(入れ替え)だね」
「この確認フロー、もっとS(簡素化)できない?」
付箋やホワイトボードを使って、“ツッコミ”を入れる場をつくるのがポイントです。
あくまで「責める」のではなく、「問いかける」スタンスで進めます。
ECRSフレームワーク?て方は、以下の記事もチェックしていただいたらと思います。
現場が受け入れた改善案の共通点
色んな案が出た中で、実際に現場が「やってみよう」となった改善案には、共通点がありました。
それは、「即実行できる、わかりやすい、小さな変更」だったことです。
たとえば…
共有フォルダの名前を整理する(5分でできる)
手書きで管理していたものを、Googleスプレッドシートに変える
毎週の会議で、議題の順番を固定化する
どれも、劇的ではないけれど確実に効く。
こうした“小さな一歩”を現場が踏み出せたことで、
「改善って意外とできるかも」という空気が生まれました。
「やって終わり」にしないために
改善案を実行して終わり…ではなく、
“変えたことの効果をどう確認するか”も一緒に考えました。
具体的には、
改善した業務にかかる時間をBefore/Afterでざっくり測っておく
変更後の状態について、1週間後・1ヶ月後に感想を共有する場を設ける
「改善したらこうなったリスト」を可視化して貼り出す
これだけで、改善が“やりっぱなし”になりにくくなります。
特に最後の「見える実績化」は、次の改善にもつながる好循環でした。
次回は、改善が“定着”するチームの共通点について
ここまで紹介してきたA社の改善事例も、正直すべてが順調だったわけではありません。
一度変えたのに、元に戻ってしまった取り組み
現場の一部だけが動いていて、他は傍観していた状態
こうした“壁”もありました。
でも、そこを乗り越えて改善が続いたチームには、ある共通点があったんです。
次回(8/5)はその「改善が根づくチームの特徴と仕掛け」について、お伝えしていきます。
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