②4|“すき間タスク”の正体|誰の仕事でもない領域をどうするか?(中小企業診断士の実務シリーズ)
――役割の「あいまいゾーン」を放置すると、現場が混乱する
B社の支援が進む中で、属人化のほかにも見えてきた課題がありました。
それは、「誰の仕事でもないグレーな業務」です。
営業と事務、どちらが対応すべきか分からない顧客連絡
経理が気づいたミスを、誰に伝えるべきか分からないまま放置
緊急度は低いけど、やらないと困るような“宙ぶらりんのタスク”
こうした“すき間タスク”の未処理が、現場の混乱やストレスを引き起こしていたのです。

“役割外だけど、誰かがやらなきゃ”が蓄積する
こうしたタスクは、業務一覧や担当表には載っていません。
でも、実際にはこんな声がありました。
「結局、気づいた人がやることになる」
「それを言うと、“余計なことしないで”って言われることも」
「やらないと回らない。でも評価もされない」
誰かがやらなければならないのに、“担当”がない。
この“居場所のない仕事”が、少しずつ組織の疲弊を生んでいたのです。
「役割と実態のズレ」を埋める2つのアプローチ
B社の支援では、以下のようなステップでこの“すき間”に光を当てました。
アプローチ①:棚卸しに「誰の役割でもないタスク」を追加
通常の業務リストとは別に、「いつも何となくやってることリスト」を別枠で作成。
会議資料のホチキス止め
雨の日の備品回収
忘れ物のフォローアップ
些細なことでも、「毎回気になる」なら、それは立派な業務です。
“影の仕事”に名前をつけることで、ようやく議論の土台に乗せることができます。

アプローチ②:あえて“役割のあいまいゾーン”を定義する
次に行ったのは、「ここは誰がやるか決まってないけど、拾ってね」というゾーンを“見える化”すること。
たとえば:
「共通対応」:全員が気づいたらやる(例:来客時の応対)
「交代持ち回り」:週替わりで担当(例:備品発注)
「拾った人がメモ」:誰かがやったら必ず記録(例:小口精算のチェック)
重要なのは、「あいまいさ」を“見える形で合意する”こと。
これだけで、認識のズレや“放置リスク”が減り、ストレスも軽減されます。

「曖昧だけど無視できない」仕事に光を当てる
すき間タスクの多くは、“気配りや責任感”に支えられている領域です。
だからこそ、正式な役割や評価には乗りづらい。
でも、放置すると必ず現場のどこかが滞る。
B社の支援では、こうしたタスクも
リスト化して共有
交代制や補助枠で役割を明確化
「拾ってくれてありがとう」をちゃんと伝える
といった工夫で、“存在を認める”ところからスタートしました。

次回は、「日々の予定」が改善のカギになる話
ここまで、業務の棚卸し、属人化、すき間タスクの対応と、“仕事の構造”に関する改善をご紹介してきました。
ですが、もう一つ大きな盲点がありました。
それは、「時間の使い方そのもの」です。
スケジュールが“埋まっていく”だけで、整理されていない
空き時間があっても、“何に使えばいいか分からない”
会議と会議の合間に、結局雑務しか進まない
次回(8/29)は、この“予定”という領域に踏み込んで、改善の手がかりを探ります。
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事例②も残すところ、あと3回(特別編入れると4回)となりました👏
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「うちでも“誰かの善意で支えられている仕事”、たしかにあるな…」
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