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朝焼けのブロモ山で、コーヒーを飲んだ日。

※前回の記事の続きです。


滞在して間もない頃、地元のお祭りに連れて行ってもらいました。
何を話しているのかは、ほとんど分かりません。

それでも「こっちへおいで」と声をかけてもらい、
みんなで輪になって同じ食事を囲むうちに、言葉は通じなくても、
歓迎してくれていることだけは伝わってきました。

農園での日々の中では、バティックの民族衣装を身にまとい、
紹介用の写真を撮ってもらう機会もありました。

観光客として衣装を着るのではなく、農園の一員として迎えてもらえたような感覚が、少しうれしかったのを覚えています。

見学に来た人ではなく、その場にいる一人として過ごさせてもらえた時間。

農園を出て街を歩いていたある日、
登山が趣味だという人と偶然出会いました。

山の魅力や、テントを担いで山頂でご来光を見る話を聞いているうちに、「行ってみたい」という気持ちが抑えられなくなりました。

本来は観光用の道を使って、もう少し気軽にご来光を見るつもりでしたが、道具を持っていないと伝えると「使っていいよ」と
テントや寝袋を貸してくれ、そのまま山へ向かうことに。

足元は街歩き用のラコステのスニーカー。
履いていたのは旅の途中で買ったタイパンツ。

「本当にこれで大丈夫だろうか」と思いながら、
農園で仲良くなった参加者たちと山を登り始めました。

山頂に着く頃にはすっかり日が落ちていて、焚き火を囲みながらカップラーメンを食べました。

暗闇の中でお湯を沸かして食べたカップラーメンは、
その日唯一の温かい食事。

食べ終えて一息ついて空を見上げると、
空いっぱいに星が広がっていました。

けれど、その景色をゆっくり眺める余裕もないほど、
体は疲れ切っていました。
気づけば、そのまま眠りに落ちていました。

翌朝テントを開けると、朝日に照らされたブロモ山の景色。

しばらく眺めていると、誰かがお湯を沸かし始め、農園で摘まれた豆をその場で挽いてコーヒーを淹れてくれました。

朝日に照らされた山の景色を眺めながら飲む一杯は、
今まで飲んだ中で一番おいしく感じました。

あの景色も、あの一杯も。

そこへ連れて行ってくれたのは、人との偶然の出会いでした。

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