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anarita
キリング・ミー・ソフトリー【小説】21_退屈とバイト
某コンビニエンスストアにて。
徐々に出勤日を増やす約束を交わし時間割をかいくぐり、週2回の最低ラインから採用して貰えて本当に助かる。
「まあ、1年生は長く働いてくれるよね。」
とオブラートに包んだ念を押された。
接客業の経験がなかったので丁寧な研修にメモ帳がどんどん埋まる。
自宅へ戻ると百貨店勤めのプロフェッショナル・父が言葉遣いや立居振る舞いの基礎云々、徹底的に習い、いよいよ本番ですというタイミングで運悪く
「○○、○○っつってんだろ!」
煙草の銘柄を記された番号ではなく略称で呼ばれる〈コンビニバイトの洗礼〉を受けた。
こちらの周りに喫煙者がいない言い訳はさておき、きちんと伝えれば苛々せずともスムーズに会計出来るのに馬鹿なのか。
さも後ろめたい、済まなそうなポーズを取り謝罪しつつ知ったこっちゃねえよ、など心の中で悪態をつく。
他にも、明らかに中学生と思われる客が酒を買おうと企んだり、本来なら穴を開け温めなくてはいけない商品をそのまま電子レンジに入れ破裂させ、小銭を多く戴き、客が列を成すと焦る。
出勤する度にやらかし、ポンコツの迷惑料を差し引いた場合、給与を失う勢い。
最初は誰もがそうだよ、私もあった、ドンマイ、また頑張ろう、オーナー含めスタッフの優しさが痛かった。
ようやく使いものになってきた辺り、カレンダーがゴールデンウィークの訪れを報せる。
大学も初の休暇を迎え、シフトは学生まみれだ。
自分ときのピ他数名(ついでに淳も誘った)は高速バスを利用して関東の野外音楽フェスティバルへ行く。
本人がフェスに参加しなくたって、距離的にはずっと莉里さんに近づける。
それを思えば胸が熱くなり、些細なミスで挫けていられないとやる気に燃えた。
