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キリング・ミー・ソフトリー【小説】23_あつまる!パーティーピーポー


「いやあ、やっとだね。」
あの後バスを降りて電車移動し、会場方面のインターネットカフェに傾れ込んだ。
そこで身支度を整える女子・惰眠を貪る男子と分かれ、野外ロックフェスティバルのゲートに辿り着く頃には5人揃って写真を撮る領域に達していた。


「これ載せていい?」
「俺らはスタンプで隠しといて。」
「オッケー。」
快晴の陽射しと風、すこぶるフェス日和。
リストバンド交換を終え、クロークに荷物を預け再び集う、10時半。
「じゃ、基本は自由行動、大トリはみんなで、ね!なんかあったら要連絡!」
きのピは休む暇がない。その為、今からめいとフードエリアへ直行する。
観たいバンドが多過ぎて、ひたすらステージ間を飛び回る彼女に総出で付き合う訳にもいかず、各々遊ぶアイデアに賛成した。



因みにきのピだけ関東に残り明日は屋内イベントを楽しむという強靭な体力を見せつける。
いくら何でも友人のめいを男連中と一緒に帰らせるなんて信じられない、おざなりにされた彼女がとても心配だった。
「俺、グッズ見てこよ。」
勇吾も消え、混雑前にトイレへ立ち寄っておこうと閃くと淳に引き留められる。
「めいちゃんって彼氏いる?」
「もしいたら帰り道あの子1人は流石に許さなくね?」
「だよね。きのピにずっとくっつきはしないだろうし、めいちゃんにメッセージ送るわ。」
おや?淡い気持ちが湧き上がった。
純粋な優しさによるものかも知れないので刺激せず受け流す。野暮。



用を足した後はバラエティ豊富な屋台に惹かれ丼物で腹一杯になる。エリアマップを頼りにフラフラ歩き、それぞれの舞台を確かめた。
一生のうち、ここでしか会わず、即刻忘れる様々な人の群れ
カップル、ファミリー、グループ。ぎこちないフォロワーとの待ち合わせ、誰かに抱き付き、久しぶりと喜び、賑やかな笑い声、日常生活の愚痴、下ネタ、音楽ニュース、恋愛相談。こなれた風貌、けばけばしいファッション、全身真っ黒、バンドマンと同じ髪型、完璧な日焼け対策。
側におり、すれ違う、目に入る。


きのピは勇吾と組み、淳はめいに合わせて予定変更。5人で来たが呆気なく単独公演の幕開け、幾つか選択肢がある中でトップバッターのバンドを待ち、空いたスペースへ陣取って手持ち無沙汰に莉里さんのつぶやきを眺めると、彼女から連絡が来た。



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