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キリング・ミー・ソフトリー【小説】27_バニーガールやダニーボーイ


重い体と余韻を引き摺り、関東に留まるきのピに見送られつつバスに乗り込む際、淳とめいが隣同士に座るのでついニヤニヤしてしまった。
自覚の有無はともあれ互いに飲み物を共有するなど、どことなく性別の垣根を超えた仲の良さ。
好きなんじゃないの、ねえ、と淳の肩を揺さぶってでも聞きたいときめきをグッと堪える。



余計な手出しは無用、変に茶化すと拗れる、知り合ったばかり、2人の問題だから見守ろう。きのピや勇吾と決めたのだ。
どのみち、夏フェスシーズンを迎えなければ淳とめいは直接顔を合わせたりしない(個人的にデートすれば話は別)。
同じ県とはいえ、めいときのピを除きバラバラの街に住んでいるのにも拘らず縁あって繋がり寝食共に過ごすとはやや不思議な感覚。


高校時代、このような休暇を利用し兄の元を訪ねる際は必ず両親が
「危ないから新幹線を使って行きなさい。」
と言い、東京駅のホームで兄が待ち構えていた。
つまりお子ちゃまな自分にとってはこれが初の高速バス遠征となる。
大冒険を振り返る折に莉里さんがあの日、時刻を心配するこちらに反して口にした『東京まで戻れる訳がない』というような言葉が甦った。



いくらラストツアーの凱旋公演によるトリプルアンコールがあれど、ライブハウスから移動しようが余裕を持ってバスには間に合う。
それは昨夜、自ら最終便に乗り込んだ為、明らかだった。



否。殊の外、完全な女性専用車でもない限りあんな麗しい人が単独で車中泊をこなすのは軽はずみ、ハイリスク。
成る程。理解出来た、きっとそういう事情や翌日に仕事の予定が入っていたせい。
ビジネスホテルで晩酌を大いに楽しむ写真が送られてきたし、彼女ならではの贅沢な楽しみ方なんだろう。



相変わらず会えない恋愛対象に想いを馳せ、関東を離れ、行きはつくづく寝付けず苦しんだのに帰りは疲れ切って熟睡した。



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