歳を重ねたら、大きな宝石が似合うようになった
先週、誕生日を迎えた。
プレゼントにもらったのは、大きなひまわりのリング。
とても気に入っている。
最近、大きなアクセサリーが似合うようになってきたと思う。
若い頃は、小さなものでよかった。
でも歳を重ね、少しずつ肌の艶を失っていくと、大きなものの方が皮膚とのバランスが取れるのかもしれない。
視線が皮膚ではなく、宝石に行くから。笑
年齢とともに、似合うものも移ろっていく。
先週、誕生日に
『重力のある世界で、面白さを探しに行く。』
というエッセイを書いた。
歳を重ねることは、失っていくことでもある。
でも、失うばかりでもないらしい。
昔は似合わなかったものが、今になって似合うこともある。
そのときの自分に似合うものを探して楽しむことも、私にとって人生の「面白さ」のひとつなのだと思う。
そんな今の私に合わせて、今年の誕生日に、ひとつの宝石を作り替えた。
それが、このひまわりのリングである。
宝石までオーダーメイドできる
今、私が暮らしているインドネシアは、オーダーメイド文化が盛んだ。
好きな布を買って、好きな形の服を作ってもらう。
余った布で、小物を作ってもらう。
さらには、宝石までオーダーメイドできる。
日本にいた頃は、自分でオーダーして、好きな形のものを作ってもらうという発想が、私にはなかった。
インドネシアでの暮らしも、気づけば3年目。
今、私がインドネシアで一番楽しんでいるのは、オーダーメイド文化と言っても過言ではない。笑
そして、最初の一年に詰め込んだインドネシア語が、ここへきてダイレクトに効果を発揮している。
本当に、最初に勉強しておいてよかった。笑
インドネシアには、私たち日本人の間で「宝石おじさん」と呼ばれている方がいる。
その方は金を扱うことができ、持っている金を溶かして、それを材料に、別の形に作り替えていただくこともできる。
今は金そのものが高いので、手持ちの金を材料として再利用できるのは、とてもありがたい。
日本だったら、どこに持っていけばこんなことができるのか、いくらかかるのか、私には全く想像がつかない。
インドネシアでも、金なので決して安くはない。
それでも、オーダーメイドとしては挑戦しやすい価格なのではないかと思う。
というわけで最近の私は、
「サイズの合わないものや、使っていない宝石は、インドネシアにいるうちに作り替えるぞ」
と思っている。笑

ピンクダイヤを拒否した女
今回使ったブラウンダイヤは、実はオーストラリアに住んでいた頃、旅行先で購入したものだ。
そこは、世界でも希少な「ピンクダイヤ」の産地だった。
なのに私は、
「ピンクは私には似合わない」
とピンクダイヤを拒否し、ブラウンダイヤを購入した。
夫はいまだに、
「なんでピンクダイヤにしなかったんだ」
と、大変不満そうである。
値段は半額以下になったし、どう考えても私にはピンクより茶色の方が似合うのだから、これでよくないか?
ちなみに最近では、夫は「希少性の高いブラックオパール」のプレゼンまで始めた。
ブラックオパールを見たことがあるだろうか。
真っ黒な石の中から、赤や緑などの色が浮かび上がる、なんとも妖艶な宝石である。
私は冗談で自分を「1000歳の魔女」と言うことがあるが、こんなものを身につけたら、本当に魔女になってしまいそうである。
というわけで、こちらも拒否している。笑
ピンクダイヤもブラックオパールも、そんなに好きなら、妻に身につけさせようとせず、自分で使えばいいと思う。
男性だって、宝石を使える小物はあるではないか。
(私は詳しくないので、何に使えるか誰か教えてほしい。笑)
夫が「希少性」を見ている横で、私はひたすら「自分に似合うか」を見ている。
宝石ひとつでも、価値の感じ方はずいぶん違うものだ。笑
そしてそんな思い出も含めて、ブラウンダイヤは私にとっては大切な宝石なのである。
今の私に似合う形へ
さて、ひまわりのリングに話を戻そう。
このブラウンダイヤは、もともとペンダントトップとして購入したものだった。

買った当時は気に入っていた。
宝石自体は、今でも好きだ。
ただ、とても小さなペンダントトップで、いつの間にか、その小ささが今の私にはしっくりこなくなっていた。
せっかく持っているのに、使わない。
それでは、宝の持ち腐れである。
ならば、今の私に似合う形に作り替えてしまえばいい。
石自体はそれほど大きくないから、ペンダントより指輪の方が存在感を出せそうだ。
小さなものが似合わなくなっているなら、周りに装飾があった方がいい。
そう考えて、ひまわりのリングにすることにした。
もちろん、ペンダントの台座部分は、装飾する金の一部として使ってもらった。
私は8月生まれ。
ひまわりは、8月を代表する花のひとつでもある。
情熱や希望を感じさせる花でもあり、これからの自分が身につけるものとして、何だかいい気がした。
そして何より、ブラウンダイヤの茶色が、ひまわりの中心にぴったりだった。
こうして、若い頃にオーストラリアで買った小さなペンダントトップは、今の私が身につけたい、大きなひまわりのリングになった。
オーダーメイドなのに、予定通りにはいかない
ちなみにこのリング。
もともとは、直感や行動力を意味するという、右手の中指につけるつもりで作った。
ところが、実際につけてみると、
なんか違う。
不思議なことに、左手の人差し指につけた方がしっくりくる。


というわけで最近は、左手の人差し指におさまっている。
指輪というのは、実際につけてみて初めて、ぴったりの場所が分かることがあるのかもしれない。
オーダーメイドなのに、作る前には分からないことがある。
そこもまた、面白い。
それにしても、たまたま中指と人差し指が同じサイズで、本当によかった。笑
気分によって、つける場所を変えて楽しむのもいいかもしれない。
若い頃に似合ったものが、似合わなくなる。
それは、少し寂しいことなのかもしれない。
でも、その代わりに、昔は似合わなかったものが似合うようになる。
昔の自分が選んだものを、今の自分に合わせて作り替えることができる。
変わっていく自分に合わせて、そのときどきの「似合う」を探していく。
歳を重ねることは、失うことばかりではないらしい。
それも、歳を重ねる面白さのひとつなのだと思う。
このひまわりのリングも、今の私だから楽しめるもののひとつ。
とても気に入っている。
……とはいえ。
欲を言えば、もう少し大きくてもよかっただろうか?
