Tarkov の9x19mm弾を現実から見る 第3回:弾薬の種類はなぜ増えるのか
第1回はこちら:
前回は、9x19mm Parabellum が拳銃だけでなく、SMGにも広がっていった流れを見てきました。
9x19mmは、もともと拳銃弾として生まれた弾です。
しかしSMGで使われるようになることで、近距離で連射するための弾としての意味も持つようになりました。
拳銃で撃てば、副武装の弾。
SMGで撃てば、近距離火力の弾。
同じ9x19mmでも、使う武器が変われば役割が変わる。
ここが、9x19mmという弾の面白いところです。
そして、使う武器や任務が増えると、同じ9x19mmの中でも求められる性能が分かれていきます。
これが、今回のテーマです。
Tarkovには、9x19mm弾が複数登場します。
Pst gzh。
PSO gzh。
FMJ M882。
AP 6.3。
PBP gzh。
RIP。
QuakeMaker。
Luger CCI。
Green Tracer。
ゲーム内で見ると、どうしても「どれが強いのか」「どれを使えばいいのか」という見方になりがちです。
もちろん、Tarkovではそれも大事です。
しかし現実世界の弾薬として見るなら、弾の種類は単なる強弱ではありません。
弾薬の種類とは、
「その弾に何をさせたかったのか」
という用途の違いが形になったものです。
同じ9x19mmでも、求められるものは違う
9x19mmは、世界中で広く使われる弾薬になりました。
しかし、すべての人が同じ目的で9x19mmを使っているわけではありません。
軍が使う9x19mm。
警察が使う9x19mm。
民間人が使う9x19mm。
競技射撃で使う9x19mm。
訓練用に使う9x19mm。
拳銃で使う9x19mm。
SMGで使う9x19mm。
同じ9x19mmでも、使う人や場面によって、求められる性能は変わります。
たとえば軍用なら、信頼性や大量生産性が重要になります。
どの国でも安定して作れること、保管しやすいこと、さまざまな環境で確実に作動することが大事です。
警察用なら、周囲への被害を抑えることが問題になります。
弾が対象を貫通した後に、後ろにいる人や壁の向こうに被害を出す可能性も考えなければなりません。
民間用なら、練習用として安く撃てる弾、護身用として効果を重視した弾、競技用として反動や精度を調整した弾など、さらに細かく用途が分かれます。
SMGで使うなら、連射時の安定性や動作の信頼性も重要になります。
このように、同じ9x19mmでも「何に使うのか」によって、弾薬の性格が変わっていきます。
だから弾薬の種類は増えます。
これは、単に似たような弾をたくさん作っているわけではありません。
用途が分かれた結果として、弾薬も分かれているのです。
標準弾という考え方
まず基本になるのが、標準的な弾です。
Tarkovで言えば、Pst gzh、PSO gzh、FMJ M882あたりがこの話に近いと思います。
こうした弾は、ゲーム内では「特別に強い弾」には見えないかもしれません。
しかし現実世界では、標準的な弾には標準的な弾なりの意味があります。
安定して作れる。
安定して撃てる。
多くの銃で使える。
価格を抑えやすい。
訓練にも実戦にも使いやすい。
標準弾とは、最強の弾ではありません。
むしろ、最も多くの場面で使いやすい弾です。
ここは、Tarkovでも意外と大事な感覚だと思います。
弾薬表を見ると、上位弾ばかりに目が行きます。
しかし、現実の弾薬体系では、標準弾があってこそ、訓練も補給も運用も成り立ちます。
標準弾は地味ですが、弾薬体系の土台です。
貫通力を高める弾
次に、貫通力を高める方向の弾があります。
Tarkovで言えば、AP 6.3やPBP gzhがこの系統です。
9x19mmは拳銃弾です。
本来、ライフル弾ほどの貫通力を持つ弾ではありません。
しかし現実世界では、防具、車両、遮蔽物などに対応する必要が出てきます。
そこで、弾芯や弾頭設計を工夫し、貫通力を高めた弾が生まれます。
ただし、ここで重要なのは、9x19mmがライフル弾になるわけではないということです。
拳銃弾の枠内で、どこまで貫通力を高めるか。
その代わりに、価格、反動、入手性、銃への負担、弾頭効果をどう犠牲にするか。
これはトレードオフです。
Tarkovでも、AP系の9x19mmは魅力的に見えます。
装甲に対して可能性が出るからです。
しかし、それは9x19mmが万能になるという意味ではありません。
貫通系の9x19mmは、拳銃弾の限界の中で、貫通力に寄せた弾と見るのが自然だと思います。
貫通しないことにも意味がある
一方で、貫通力を重視しない弾もあります。
Tarkovで言えば、RIP、QuakeMaker、Luger CCIのような弾です。
ゲーム内では、こうした弾は「肉ダメージ弾」として見られることが多いと思います。
装甲を抜く力は低い。
しかし、装甲のない部位に当たれば大きなダメージを与える。
Tarkovでは、この性質が「足撃ち」や「非装甲部位を狙う」という発想につながります。
現実世界でも、必ずしも貫通力が高ければよいとは限りません。
警察や護身用途では、弾が対象を貫通しすぎると、周囲の人や物に被害を与える可能性があります。
そのため、人体に当たったときに大きく変形し、エネルギーを対象内で使い切るような弾が求められることがあります。
もちろん現実の弾薬設計とTarkovのダメージ計算は同じではありません。
それでも、
「貫通しない弾には、貫通しないなりの目的がある」
という見方はかなり重要です。
RIPやQuakeMakerは、単に弱い弾ではありません。
貫通力を捨てて、別の効果に振った弾です。
Tarkovでは、その性質がかなり極端に表現されていると考えると分かりやすいと思います。
曳光弾という特殊な役割
さらに、Green Tracerのような曳光弾もあります。
曳光弾は、弾道が見える弾です。
弾が飛んでいく軌跡を確認できるため、射撃の修正や、連射時の弾道確認に役立ちます。
特に機関銃や夜間射撃、あるいは集団での射撃では、弾がどこへ飛んでいるのかを目で確認できることに意味があります。
しかし、弾道が見えるということは、自分の射撃位置も相手に伝わりやすいということです。
見えることは利点であり、同時にリスクでもあります。
Tarkovでも、曳光弾は目立ちます。
撃っている方向が分かりやすくなる反面、自分の場所も分かりやすくなります。
これもまた、Tarkovらしいトレードオフです。
便利なものには、必ず別の代償がある。
曳光弾は、その分かりやすい例だと思います。
弾薬表は強さランキングではない
Tarkovを始めたばかりの頃、弾薬表を見ると混乱します。
同じ9x19mmなのに、なぜこんなに種類があるのか。
どれを使えばいいのか。
どれが強いのか。
高い弾だけ使えばいいのか。
そう考えたくなります。
しかし現実世界の弾薬の成り立ちを踏まえると、少し見方が変わります。
弾薬表は、単なる強さランキングではありません。
むしろ、用途の一覧表です。
標準的に使う弾。
貫通力を求める弾。
人体への効果を重視する弾。
弾道を見せる弾。
安価に使う弾。
特殊な目的のために使う弾。
それぞれに役割があります。
もちろん、Tarkovというゲームの中では、強い弾、弱い弾、使いやすい弾、使いにくい弾があります。
パッチによって性能が変わることもあります。
しかし、それでも根本にあるのは、
「弾薬は目的によって分かれる」
という考え方です。
この見方を持っておくと、Tarkovの弾薬選びは少し楽になります。
すべての弾を覚える必要はありません。
まずは、その弾がどの方向に振られているのかを見る。
標準なのか。
貫通なのか。
肉ダメージなのか。
曳光なのか。
安価な弾なのか。
この分類ができるだけで、弾薬表はかなり読みやすくなります。
Tarkovの9x19mmを分類して見る
ここで、Tarkovに登場する9x19mm弾をざっくり分類してみます。
まず、標準・実用系。
Pst gzh、PSO gzh、FMJ M882あたりは、基本的な9x19mm弾として見やすいものです。
次に、貫通系。
AP 6.3やPBP gzhは、9x19mmの中で貫通力を重視した弾として見ることができます。
次に、肉ダメージ系。
RIP、QuakeMaker、Luger CCIは、装甲を抜くよりも、装甲のない部位への効果を狙う弾として見られます。
そして、曳光弾。
Green Tracerは、弾道を見せるという特殊な役割を持つ弾です。
このように分類すると、9x19mm弾は単に種類が多いだけではなく、それぞれ違う方向性を持っていることが分かります。
Tarkovは、この弾薬の違いをかなり極端にゲーム内へ持ち込んでいます。
だからこそ、弾薬表だけを見ると混乱します。
しかし、現実世界の用途分化という視点で見れば、
「なぜこんな種類があるのか」
という部分はかなり理解しやすくなると思います。
第3回のまとめ
9x19mm弾の種類が増えたのは、単に似たような弾をたくさん作ったからではありません。
拳銃で使う。
SMGで使う。
軍で使う。
警察で使う。
民間で使う。
訓練で使う。
防具に対応する。
過剰貫通を避ける。
弾道を見せる。
このように、使う武器や任務が増えたことで、同じ9x19mmの中にも複数の性格が生まれていきました。
Tarkovに登場する9x19mm弾も、単なる強弱ではなく、用途の違いとして見るとかなり分かりやすくなります。
標準弾。
貫通弾。
肉ダメージ弾。
曳光弾。
この分類を持っておくだけで、弾薬表は「暗記するもの」から「読み解くもの」に変わります。
Tarkovは、弾薬の違いをかなり細かくゲーム内に持ち込んでいます。
だから難しい。
しかし同時に、そこを理解できると非常に面白い。
次回は、この中でもまず基本になる標準系の9x19mm弾を見ていきたいと思います。
Pst gzh、PSO gzh、FMJ M882のような弾は、Tarkovでは高性能弾に比べると地味に見えるかもしれません。
しかし現実世界から見ると、標準弾には標準弾なりの意味があります。
最強ではないが、最も多くの場面で使いやすい弾。
次回は、その「標準弾」という考え方を掘り下げていきます。
第4回はこちら:公開前の場合があります。
※ この連作で書いている内容の背景や、実際のプレイ中に何を考えているかについては、Twitch でほぼ毎日行っている配信 でも触れています。
文章だけでは伝わりにくい部分も、配信を見ると少し雰囲気がつかみやすいかもしれません。
なお、過去の配信アーカイブは YouTube チャンネルにも残しています ので、興味があればそちらも覗いてみてください。
▶ 配信はこちら: B.K. Gaming チャンネル
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