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Tarkov の9x19mm弾を現実から見る 第4回:9x19mmの標準弾とは何か

第1回はこちら:

前回は、9x19mm弾の種類がなぜ増えていったのかを見てきました。

同じ9x19mmでも、使う武器や任務が変われば、求められる性能は変わります。

軍で使う弾。
警察で使う弾。
民間で使う弾。
拳銃で使う弾。
SMGで使う弾。
貫通力を重視する弾。
人体への効果を重視する弾。
弾道を見せるための弾。

このように用途が分かれることで、同じ9x19mmの中にも複数の性格が生まれていきました。

今回からは、Tarkovに登場する9x19mm弾を、用途ごとに見ていきたいと思います。

まず取り上げるのは、標準的な9x19mm弾です。

Tarkovで言えば、Pst gzh、PSO gzh、FMJ M882あたりがこの話に近いと思います。

ゲーム内では、こうした弾はあまり派手には見えません。
AP系のように装甲を抜くわけでもなく、RIPやQuakeMakerのように極端な肉ダメージを持っているわけでもありません。

しかし現実世界の弾薬体系で見ると、標準弾には標準弾なりの大きな意味があります。

標準弾は、最強の弾ではありません。

しかし、最も多くの場面で使いやすい弾です。

そして、こうした弾薬名を少し読み解けるようになると、Tarkovの弾薬表はただの暗号ではなくなります。

弾薬名は暗号のように見える

Tarkovの弾薬名は、かなり覚えにくいです。

Pst gzh。
PSO gzh。
FMJ M882。

初めて見ると、正直なところ、何を意味しているのかほとんど分かりません。

Pstは何かの略なのか。
PSOは何なのか。
gzhとは何なのか。
FMJは分かるとして、M882とは何なのか。

こうした名称が分からないまま弾薬表を見ると、数字だけを見ることになります。

貫通力。
ダメージ。
価格。
入手性。

もちろんTarkovでは数値も重要です。

しかし、名前の意味が少し分かると、その弾がどういう方向性を持っているのかが見えやすくなります。

弾薬名は、ただの記号ではありません。
多くの場合、その弾の構造、用途、材質、採用規格のような情報が含まれています。

第4回では、標準弾を見ながら、この「名前を読む」感覚も少し入れていきたいと思います。

標準弾は地味に見える

Tarkovで弾薬表を見ると、どうしても貫通力やダメージの高い弾に目が行きます。

これは自然なことです。

Tarkovでは、防具を着た相手と撃ち合う場面が多くあります。
そのため、貫通力の高い弾は分かりやすく強く見えます。

一方で、標準的な弾はどうしても中途半端に見えます。

高貫通でもない。
特別に高ダメージでもない。
高額弾でもない。
名前も地味。

だから初心者の目には、
「これは弱い弾なのではないか」
「上位弾が手に入るなら使わなくていいのではないか」
と見えやすいと思います。

しかし、現実世界では標準弾は非常に重要です。

なぜなら、軍や警察、民間市場で大量に使われる弾薬には、単なる一発の性能だけではなく、別の条件が求められるからです。

標準弾に求められるもの

標準弾に求められるのは、極端な性能ではありません。

むしろ、安定性です。

多くの銃で確実に作動すること。
大量に生産できること。
長期間保管できること。
価格を抑えられること。
訓練にも実用にも使えること。
扱う側が性能を予測しやすいこと。

こうした条件を満たしていることが、標準弾には求められます。

たとえば、どれだけ高性能な弾でも、特定の銃でしか安定しない、価格が高すぎる、大量生産しにくい、保管に気を使う、ということになれば、組織全体で標準的に使う弾にはしにくくなります。

軍や警察では、弾薬は一人が数発だけ使うものではありません。
訓練、備蓄、補給、整備、配備、複数の武器との互換性まで含めて考える必要があります。

そのため、標準弾には「尖った強さ」よりも、「広く安定して使えること」が求められます。

Tarkovの中では、この感覚は少し見えにくいかもしれません。

ゲーム内では、プレイヤーは限られた戦闘だけを見ます。
そのため、「そのレイドで相手を倒せるか」が最大の関心になります。

しかし現実の標準弾は、1回の撃ち合いだけではなく、組織全体の運用まで含めて成立しています。

Pst gzhという名前

まず、Pst gzhです。

Tarkovでは、9x19mm Pst gzh はかなり基本的な弾として見かけることが多いと思います。

この名前は、最初に見ると非常に分かりにくいです。

特に「Pst」は、英語のpistolの略のようにも見えます。
しかしTarkov Wikiの説明では、9x19mm Pst gzhは、RG057、GRAU Index 7N21の弾薬であり、加熱処理された鋼芯弾頭を持つ弾として説明されています。また、Pstについては “Púlya Stal'náya”、つまり「鋼の弾」あるいは「スチール弾」と説明されています。

つまり、Pst gzhの「Pst」は、少なくともTarkov内の説明では「拳銃」を意味しているというより、弾頭の材質や構造に関わる名前と見た方がよさそうです。

そして「gzh」は、ロシア語系の弾薬名でよく見かける表記です。
Tarkov WikiのPst gzh説明でも、この弾はバイメタルケースに収められていると説明されています。

バイメタルケースというのは、単純に真鍮だけではなく、複数の金属を組み合わせた薬莢と考えると分かりやすいです。

つまりPst gzhという名前は、ざっくり言えば、

「鋼系の弾頭を持つ、バイメタルケース入りの9x19mm弾」

という方向で読めます。

こうして名前を少し分解してみると、Pst gzhは単なる序盤弾ではなく、ロシア系の弾薬設計や材質表記が名前に残っている弾として見えてきます。

Tarkov内での扱いとしては標準寄りに見えますが、名前の中には「弾頭」や「薬莢」の情報が入っているわけです。

PSO gzhという名前

次に、PSO gzhです。

PSO gzhも、名前だけ見るとかなり分かりにくい弾です。

Tarkov Wikiでは、9x19mm PSO gzhは、7.5グラム弾頭を持つバイメタルケース入りの9x19mm弾で、スポーツ射撃や狩猟を意図した弾として説明されています。また、低い初速ながら、命中後の拡張性によって大きなストッピング効果を持つとされています。

ここで重要なのは、PSO gzhが単なる軍用標準弾というより、スポーツ射撃や狩猟向けという性格を持っていることです。

つまり、PSO gzhは「標準・実用系」として扱いつつも、Pst gzhとは少し方向が違います。

Pst gzhが、鋼芯や貫通性の方向を持つ弾だとすれば、PSO gzhはより民間・スポーツ・狩猟寄りの弾として見た方が自然です。

ここも名前を覚える上で役に立ちます。

Pst gzhは、鋼・貫通寄りの基本弾。
PSO gzhは、スポーツ・狩猟寄りの基本弾。

どちらも9x19mmですが、方向性は少し違う。

このように覚えると、単なるアルファベットの羅列よりはかなり記憶に残りやすくなります。

gzhは薬莢側の情報として見る

Pst gzhにも、PSO gzhにも、共通して「gzh」が付きます。

この部分は、弾頭そのものというより、薬莢側の情報として見ると分かりやすいです。

Tarkov Wikiの説明でも、Pst gzh、PSO gzhはいずれもバイメタルケース入りとされています。

Tarkov内では、プレイヤーが薬莢の材質まで気にする場面はあまり多くないかもしれません。
しかし現実の弾薬名では、弾頭の構造だけでなく、薬莢の材質や構造が名前に反映されることがあります。

この「gzh」という表記は、そのようなロシア系弾薬名の雰囲気を残している部分だと考えるとよさそうです。

細かいロシア語表記をすべて覚える必要はありません。

まずは、

PstやPSOは弾頭や用途側の名前。
gzhはケース、つまり薬莢側の情報。

このくらいの感覚で十分だと思います。

名前の後半が同じなら、薬莢やケースの表記かもしれない。
名前の前半が違えば、弾頭や用途が違うのかもしれない。

こういう見方ができるだけで、弾薬名は少し読みやすくなります。

FMJ M882という名前

次に、FMJ M882です。

これは、Pst gzhやPSO gzhに比べると、少し英語圏・NATO系の名前に見えます。

まずFMJは、Full Metal Jacketの略です。

日本語では、完全被甲弾、あるいはフルメタルジャケット弾と呼ばれます。

弾頭の鉛部分を金属で覆った構造で、近代的な軍用弾薬では非常に基本的な形です。

FMJには、いくつかの利点があります。

弾頭が変形しにくい。
銃の内部で安定して作動しやすい。
大量生産に向いている。
保管や輸送にも適している。
軍用弾として扱いやすい。

一方で、人体に当たったときに大きく拡張するような弾ではありません。
そのため、護身用や警察用の一部では、別の弾頭設計が好まれることもあります。

ここでも重要なのは、FMJが「最強だから標準」になったわけではないということです。

FMJは、安定して作れて、安定して撃てて、軍用・訓練用として扱いやすい。

だから標準的な存在になったわけです。

そしてM882は、米軍・NATO系の9mm弾薬規格として知られる名称です。

Federalの9mm NATO製品説明でも、M882に近い9mm NATO系弾薬は軍用仕様の124グレインFMJ弾として説明され、通常の民間向け9mm弾より高めの速度・仕様で作られているとされています。

つまりFMJ M882という名前は、

FMJ=弾頭の構造。
M882=米軍・NATO系の規格名。

という方向で見ると覚えやすくなります。

Pst gzhやPSO gzhがロシア系の表記に見えるのに対して、FMJ M882はかなり西側・NATO系の名前です。

ここもTarkovらしい面白さです。

同じ9x19mmでも、ロシア系の名前とNATO系の名前が同じ弾薬表の中に並んでいる。

これは、Tarkovというゲームの舞台や装備体系にもよく合っています。

名前が分かると、標準弾の見え方が変わる

ここまで見てくると、Pst gzh、PSO gzh、FMJ M882は、単なる「地味な9x19mm弾」ではなくなります。

Pst gzhは、鋼系の弾頭やバイメタルケースというロシア系の設計が見える弾。
PSO gzhは、スポーツ射撃や狩猟向けという用途が見える弾。
FMJ M882は、FMJ構造とNATO系規格が見える弾。

名前を読み解くと、それぞれの弾に少し輪郭が出てきます。

もちろん、Tarkov内では最終的にゲーム内性能を見る必要があります。

しかし、名前の由来や意味を知っていると、弾薬表がただの暗号ではなくなります。

「Pstだから鋼系の弾頭なのか」
「gzhだからバイメタルケースなのか」
「FMJだから被甲弾なのか」
「M882だからNATO系の軍用規格なのか」

こういう手がかりがあるだけで、弾薬を覚える負担はかなり軽くなると思います。

標準弾は「土台」である

標準弾を理解する上で大事なのは、標準弾を「弱い弾」と見ないことです。

標準弾は、土台です。

AP系のような特殊弾は、特定の用途に向けて性能を振った弾です。
RIPやQuakeMakerのような弾も、別の方向に振った弾です。
曳光弾もまた、弾道を見せるという特殊な用途を持っています。

しかし、それらの特殊な弾を理解するためには、まず標準弾がどのようなものかを知っておく必要があります。

標準があるから、特殊が分かります。

標準弾と比べて、貫通に振ったのか。
標準弾と比べて、肉ダメージに振ったのか。
標準弾と比べて、視認性を持たせたのか。
標準弾と比べて、価格や入手性がどう変わるのか。

つまり標準弾は、他の弾を理解するための基準でもあります。

Tarkovの9x19mmを理解する上でも、Pst gzh、PSO gzh、FMJ M882のような弾は、単なる低性能弾ではありません。

9x19mmという弾薬体系の基準点です。

そして名前を読むことで、その基準点にもいくつかの違いがあることが分かります。

ロシア系の鋼芯弾。
スポーツ・狩猟寄りの弾。
NATO系のFMJ弾。

同じ標準寄りの9x19mmでも、背景は少しずつ違うのです。

Tarkovで標準弾を使う意味

では、Tarkovで標準弾を使う意味はどこにあるのでしょうか。

まず、入手性です。

高性能弾が十分に手に入らない段階では、標準的な弾を使うことになります。
これは妥協のように見えますが、Tarkovではかなり現実的な判断です。

次に、コストです。

高い弾を毎回大量に撃つことは、資金的に負担になります。
特にSMGは弾を多く消費しやすいため、弾薬コストはかなり重要です。

そして、扱いやすさです。

標準弾は、極端な性格を持つ弾ではありません。
貫通も肉ダメージも中途半端に見えるかもしれませんが、逆に言えば、使い方が分かりやすいとも言えます。

もちろん、標準弾で強い装甲を正面から抜くのは難しいです。
そこは割り切る必要があります。

標準弾を使うなら、戦う距離、相手の装備、狙う部位、退く判断を考えなければなりません。

このあたりが、Tarkovらしいところです。

弾が強ければ何でも解決するわけではありません。
弾が標準的なら、その標準的な性能に合わせて立ち回る必要があります。

標準弾を見下さない

Tarkovでは、どうしても高貫通弾が正義に見えます。

これは、ゲームの性質上仕方ない部分もあります。

装甲を抜ける弾は分かりやすく強い。
高価な弾は価値があるように見える。
弾薬表の上位にある弾ほど正解に見える。

しかし、すべての弾を「高性能弾に届かない下位互換」と見てしまうと、弾薬の面白さはかなり失われます。

標準弾には、標準弾の意味があります。

安く使える。
多く流通する。
訓練にも使える。
癖が少ない。
基準として理解しやすい。

そして何より、標準弾を知ることで、特殊な弾の意味が分かります。

AP系の弾がなぜ特別なのか。
RIPやQuakeMakerがなぜ極端なのか。
曳光弾がなぜ特殊なのか。

それは、標準弾という基準があるからです。

第4回のまとめ

9x19mmの標準弾は、Tarkovの中では地味に見えるかもしれません。

Pst gzh、PSO gzh、FMJ M882のような弾は、AP系のような高貫通弾でもなく、RIPやQuakeMakerのような極端な肉ダメージ弾でもありません。

しかし、標準弾には標準弾なりの意味があります。

多くの銃で使える。
安定して作れる。
大量に流通する。
価格を抑えやすい。
訓練にも実用にも使える。
他の弾を理解するための基準になる。

そして名前を読むと、それぞれの弾が少し覚えやすくなります。

Pst gzhは、鋼系の弾頭とバイメタルケースを持つロシア系の9x19mm弾。
PSO gzhは、スポーツ射撃や狩猟向けという性格を持つ9x19mm弾。
FMJ M882は、FMJ構造とNATO系規格の雰囲気を持つ9x19mm弾。

標準弾は、最強の弾ではありません。

しかし、弾薬体系の土台です。

Tarkovでも、標準弾を単なる弱い弾として見るのではなく、9x19mmという弾薬体系の基準点として見ると、弾薬表の見え方が少し変わります。

次回は、この標準弾とは逆に、9x19mmで貫通力を高めようとする弾を見ていきたいと思います。

AP 6.3やPBP gzhのような弾は、Tarkovでは非常に分かりやすく魅力的に見えます。
しかし現実世界から見ると、拳銃弾で貫通力を高めることには意味と同時に限界もあります。

次回は、9x19mmで装甲を抜こうとする発想について考えてみます。

第5回はこちら:公開前の場合があります。


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文章だけでは伝わりにくい部分も、配信を見ると少し雰囲気がつかみやすいかもしれません。
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