アクマナイズ!3話


アクマナイズ!ここまでのあらすじ

子供を助け、命を落とした命知らずの高校生、一条条一は現世で生き返るために、悪魔となって魔物を100体倒すことになる。

そして条一は、現世で魔物と戦う対魔連に入り、より多くの魔物と戦う機会を得るために、地獄で鬼の研修に挑み、研修に取り組む中で、課題であった解放率10%超えを達成し、見事対魔連へ配属となったのであった、、、

登場人物
・一条条一
→魔物を100体倒し、現世に生き返ることが目標の青年。
一度死んで悪魔となったため、人間界では着ぐるみの姿でなければならない。
・ガリョウ
→地獄のそこそこ偉い悪魔。
 条一を悪魔にした。
・ウミヤマ
→ガリョウの部下で、地獄での条一の世話役。
・嵐田扇義
→対魔連横浜支部の支部隊長。
 がっしりとした体格ですげぇ強い。
 雰囲気柔らかいけどちゃんと怖い人。
・山城承汰、海尾田杏華
→対魔連横浜支部の隊員で扇義の部下。

作中用語解説

アクマナイズ
→身体の中にあるアクマパワーを解放し、自身の肉体を強化すること。
 アクマナイズ中は見た目も変化する。
 (見た目の変化度は後述する解放率によって変わる。)

解放率
→アクマナイズした際に、どれだけのアクマパワーを解放できるかという数値。
 解放率が高くなるほど、肉体が強化され、解放率が20%を超えると、属性技(炎を纏ったり雷を出したり)を使えるようになる。

対魔連
→現世に出現する魔物の退治を専門とする人間界の裏組織。
 地獄とのパイプがあり、情報共有を行ったり、物資支援などを行ったりと交流がある。
 隊員が命を落とすことも多々あるため、人員の入れ替えが激しい。

本編

*対魔連横浜支部
でん!(建物)でんでん!(着ぐるみを着た条一)
対魔連横浜支部内の事務所の前に立つ着ぐるみ(条一)
「ここか。」
自分の腕をみる条一
「これから仲間になる人たちと初対面だってのにこの姿(着ぐるみの姿)とは」

回想入り

「そういや条一、現世用の身体新しくしといてやったぞ」
「え!マジすか!
ぬいぐるみから卒業できるんすか!」
「そうだな。
あの姿だとちびっこくて色々不便だからな。
ウミヤマ、アレ出してやって」
「かしこまりました」
ばぁん!ウミヤマが出してきたのは条一と同じ背丈くらいの大きさがあるトラの着ぐるみだった。
「え?着ぐるみ?」
「あぁ。人間の身体を用意するのは倫理的に不可能だからな。
ひとまずこれで頼むわ」
「いや!こんなんで街歩いてたらおかしいでしょ!
無理無理!絶対嫌!」
「大丈夫だって。
横浜なら着ぐるみが歩いてても不自然じゃねーよ」
「いや!不自然だろ!」

回想戻り

「実際この姿で受付の人びっくりしてたもんな、
ま、いいか。」
ノックする条一
「失礼します!」
ドアを開け、入室する
「どうも!
地獄から参りました!
一条条一です!!!」
気合の入った挨拶をする条一
部屋の手前には若い男と女が立っており、その奥のデスクには2人より一回りほど年上に見える屈強な男が腰かけていた。
「おっ、君が一条くんだね。」
デスクから立ち上がり、条一の格好に目をやる男
「(笑いながら)ホントにきぐるみなんだ」
「笑わないでくださいよ!」
「イシシ、悪い悪い
ようこそ一条くん。
僕が対魔連横浜支部の支部隊長、嵐田扇義だ。
よろしく。」
左手を差し出すオウギ。
条一も握手を返す。
「よろしくお願いします!」
「んで、この後ろにいるのが君の先輩たち。
こっちの無愛想な方が山城承汰で、」
「よろしく」
「んで、こっちのバカっぽい方が海尾田杏華ね」
「バカは余計です!!!」

「早速で悪いけど一条くんには配属試験を受けてもらうよ。」
「配属試験?」
「あれ?ガリョウさんから聞いてない?」
「いや、何も聞いてないっすね。」
「対魔連(ウチ)では研修終わりに現場でやっていける実力があるかを試す配属試験をやってるんだ」
「そ、そうなんすね。」
「内容は簡単。
配属先の支部隊長とスパーリングして1発でも攻撃をクリーンヒットできればクリア。
どう?簡単そうでしょ?」
「ま、まぁ聞いてる分には?
でも隊長さんって相当強いんじゃないんすか?」
「うん、そうだね。強いよ。
だからハンデは付ける。」
「ハンデ?」
「そ。
君はアクマナイズありで俺はなし。
それならいけそうでしょ?」
「ま、まぁ?」
「うん。飲み込みが早くて助かるよ。
それじゃ、早速移動しようか。」
オウギと条一が先に部屋から出ていく。
「承汰さん」
「なんだ?」
「承汰さんの時って配属試験あったんですか?」
「、、、んなもんあるわけねーだろ」
「えっ!ですよね!
なのになんで!?」
「あの一条ってヤツを排除してーんだよ。」
「えっ!?排除?」
「そうだ。
上の連中には地獄から派遣された一条のことをよく思ってないヤツが多いからな。」
「え!?そうなんすか!?」
「そりゃそうだろ。
確かにウチは地獄と繋がり、援助を受けているが、実際のところ魔物は地獄の生き物であって、地獄には迷惑かけられてると言っても過言じゃねぇ。
そんな地獄から悪魔になりたての一条引き取るにもそれなりのリスクがあるってもんだ。
そうなりゃ引き取るそぶりだけ見せて配属試験とかいうもっともらしい言い訳つけて排除するのも納得できるよ。」
「は、はぁ。
だから隊長直々に相手するんすね、、、」
「あぁ。隊長はいつもヘラヘラしてるが実力は本物だ。
あの一条ってやつはボッコボコにされて終わりだろうな。」
「なんか、かわいそうっすね。」

*トレーニングルーム

準備運動をするオウギと条一
それを脇で見ている承汰と杏華

「んじゃ、ちゃっちゃと始めようか。
いいよ、アクマナイズして」
「わかりました!」
構える条一
「アクマナイズ!」
シュウン!悪魔の姿になる条一
「よし。
じゃ、始めようか。」
構える2人。
すると、始まってすぐに条一にしかけるオウギ
「グレイト・ミッツァイル!!!」
ズドォン!!!猛スピードのストレートを繰り出すオウギ。
あまりのスピードに条一はガードもできず、ボディにクリーンヒットする。
「だばぁ!!!」
口から血を吐き、うずくまる条一。
「容赦ねぇな、オウギさん」

「なんだ?もう終わりか?
まだ1発目だぜ?」
「ぐっ、、、」
なんとか立ち上がる条一
「一条くん。
君を迎え入れるにあたって生前のことを色々調べさせてもらったんだけどね。
どうやら君はだいぶ自分の命を軽視してたみたいだね。」
シュッ!!!オウギは立ち上がった条一に向かっていくと、すかさず右フックを繰り出す。
それは何とかガードする条一。
するとオウギがすかさず左からボディブローを繰り出し、クリーンヒット。
またもや怯んだ条一にオウギはトドメのハイキックをお見舞いする。
「ぐっはぁっ!!!」
オウギの容赦ないラッシュにより、崩れ落ちてしまう条一。
オウギはそんな条一を見下ろし、語りかける。

「いいか、生きようとする欲求は強さだ。
生きたいと願うからこそ生死をかけた極地で本物の強さを発揮することができる。
しかし、君は一度死んでいる身。
だから再び生死のかかった局面に瀕してもどーせ死ぬはずだったしまぁいいか、くらいにしか思わないんじゃないか?」
「うっ、、、ぐっ、、、」
「そうやって自分の命を軽視している君に、魔物と戦い、生き抜いていく強さがあるとは、
私は思えない。」
「ぐ、、、、」
「やりすぎですよ。オウギさん。」
「そうだな。」
条一に背を向け、去ろうとするオウギ
「ま、、、てよ、、、」
ボロボロながら立ち上がる条一
「キレ、、、たぜ、、、完全に。」
顔を上げ、オウギを睨みつける条一
「なぁ、隊長さん、、、
なんで"今"の俺にソレがないと言い切れるんだ?」
条一に向き直るオウギ
「確かに俺はいつ死んでもいいと思ってた。
俺が死んだところで世界は何も変わらないと思ってたよ。
でもさ、それは大きな間違いだった。」
康太と渚の言葉を思い出す条一
『死ぬなよ、条一っ!』
『死んじゃったら寂しいじゃん!』
「俺はさ、一度死んで気づいたんだよ。
生きていることの素晴らしさによ。
だからもう一回、俺の愛した人たちと精一杯生きられるように、戦わなきゃならねぇんだ。」
メラメラメラ、、、条一から立ち込めるオーラ
「なんだ?あれは?」
「イシシ、、、」
もう一度構えるオウギ
「今度は、俺のターンだぜ。」
「いいぜ、かかってこい。」
楽しそうな表情で構えるオウギ。
(解放率18%ってとこか。
ボロボロで追い詰められた所で、ベストを発揮するとは、、、
コイツ、いい魂持ってやがるぜ。)
ニヤッと笑うオウギ
ビュゥン!オウギに迫る条一
ズドン!初手ラリアートをかます条一
ビュゥン!しゃがみ込みかわすオウギ
(大振りではあるがスピードは申し分ねぇ!)
条一は素早く向き直し、グッと地面を蹴り、膝蹴りを繰り出す。
オウギは両腕を顔の前に出し、ガードする。
グッ!強く踏ん張るオウギ
笑いながら(いいパワー持ってんじゃねぇか!)
スタッ!後ろに飛ぶ条一
スゥゥゥ、、、深い集中状態に入っている条一
ドッっと腰を落とし、深く構える。
それに合わせてオウギも深く構える
「こいっ!!!」
バッ!!!飛び上がる条一
「ふっとべぇ!!!
アクマ・インパクトォ!!!」
シュバァッ!!!上空から爆撃のようなパンチを繰り出す条一。
オウギはそれをガードせず胸で直接受ける。
ドォォォォォォン!!!
物凄い衝撃波が部屋中に響き渡る。
「ウッシッシ、、、良い打撃だぜ。一条」
笑うオウギ。
バダン、、、条一はそのまま倒れてしまう。

*横浜支部内、とある部屋
ガバァ!!!起き上がる条一
起き上がるとそこには杏華がいる。
「あ、起きた?」
「あれ?俺いつから、、、?」
「オウギさんに1発くらわせてそのまま倒れちゃったのよ」
「あっ、そうだったんすね」
「お、やっと起きたか一条」
オウギが部屋に入ってくる。
「悪かったな、試すようなマネして」
「大丈夫っす
身体中いてーっすけど」
条一のベッドに座るオウギ
「シシっ、悪い悪い。
正直言うとさ、上の連中はお前のことあんま気にいってねーのよ。」
「え?そうなんすか?」
「あぁ、そう。
お前はそんな中に入ってくるんだ。
実際の任務だけじゃなく、大変なことがたくさん起こるだろう。
だから試験って形でお前の覚悟を試させてもらったんだ。」
「なんすか、それなら先に言ってくれればよかったのに。」
「シシシ、
限界までストレス与えたかったんだよ」
「それが本音でしょ」
「シシ、言うな言うな。
ともかく、お前がいい根性を持ってることはわかった。
そーゆー根性のあるやつなら、俺は大歓迎だよ。」
右手を差し出すオウギ
「改めて、対魔連横浜支部へようこそ。
お前の活躍に、大きく期待してるぜ。」
条一も右手を差し出す
「精一杯、頑張ります。」
「んじゃ、条一も起きたことだし、早速訓練な」
「へ!?」
「たりめーだろ。
魔物ぶっ飛ばすためには日々の鍛錬が大事なんだ。
立ち止まってる暇なんかないぜ?
早く馴染んでもらわなきゃだしな。」
「しかもアンタ、まだ解放率20%も出せないんでしょ?
なおさらサボってる暇ないでしょ」
「えぇ、、、」
「なんだ?ついてこれねぇか?」
「、、、いけるに決まってんでしょうが!」
ベッドから飛び出す条一
部屋から出ていく3人の背中、、、

3話ーENDー

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