見出し画像

【初級】“フレーバーが取れない”を卒業するためのテイスティング入門

「フレーバーって、どうやって取るんですか?」

この質問、実はとても多く寄せられます。
以前書いたテイスティングの方法に関する記事のなかでも「フレーバー」について触れたところ、多くのバリスタやロースターの方から「そこをもっと知りたい」という声をいただきました。

そこで今回は、「フレーバーの取り方」にフォーカスを当てて、初級者でも実践できる方法を紹介します。



テイスティングは「自由に感じる」ものではない?

「なんとなく味わう」のでは、いつまでたっても上達しません。
そこは以前の記事でも触れてきました。

テイスティング初心者がつまずきやすいのは、「過去の引き出しが少ないのに、自分なりに感じようとすること」です。しかし、これは中級者以上になってからの話。まずは“ガイド”が必要です。


スタートは“言葉”から

まず、あらかじめ「候補となるフレーバーの言葉」をリストアップしておきましょう。

たとえば:

  • フルーツ(リンゴ、マンゴー、グレープフルーツ、チェリー…)

  • スイーツ(キャラメル、チョコレート、バニラ…)

  • ハーブやスパイス(シナモン、バジル、ラベンダー…)

こうしたキーワードを眺めながら、実際にカップを味わってみてください。
この時、「なんとなく思い浮かんだもの」と「言葉で書いてあるもの」の間に共通点を探すのがポイントです。

SCAのフレーバーホイール
これが世界共通のフレーバーなのだが、語数も多く、体系的に学ぶ機会がないと、最初は難しいかもしれない
阪本がよく使用する、初期段階でのフレーバー学習スライド
あまり多くの言語が書かれていると難易度が上がってしまうため、最初はこれくらいでも良い

酸味に関連するか、しないか

スペシャルティーコーヒーの重要なポイントと言えば、それは「酸味」です。コーヒーのフレーバーを表現するために重要なのは、そのフレーバーを酸味に関連して表現するか否か。
先程の私が示した簡易フレーバー図の上部は、酸味が伴っていなくても表現できるフレーバー。図の下部は、酸味を伴ったフルーツ系のフレーバーです。
まずはそのフレーバーに酸味があるか否か、そして次にそのフレーバーはどういった系統の酸味だったのか、こうやって図を辿り、フレーバーを追いかけていくのです。

自分の舌で感じる味はどれだろうか・・・。
具体的なフレーバー用語を見ながら味わうことが第1歩になる。
このイメージとぴったりだ!とひらめいたら、それを自分の引き出しへ。

「近いけど、なんか違う…」という時のヒント

たとえば「これ、オレンジっぽいけど、ちょっと違う?」と感じたら、次の視点を持ってみてください。

  • 熟度(未熟なオレンジ?それとも過熟?)

  • 種類(巨峰?マスカット?)(バレンシアオレンジ?みかん?)

  • 加工(ジュースにした感じ?マーマレード?)

  • 温度や質感(冷たい?温かい?とろみがある?)

“ストレートな果実”として思い浮かばないときは、「派生した形」に置き換えると見つかることがあります。


あなただけの「フレーバーノート」を育てよう

最初は既存のフレーバーリストに沿って感じていく方法が有効です。
でも、そこに「自分だけの感覚」や「新しく発見した言葉」を足していくと、それがあなただけの“味の辞書”になります。

ノートを使って、こう記録してみてください:

  • 日付と使用したコーヒー(詳細を可能な限り)

  • 感じたフレーバー(初めて出てきたものにはマークを)

  • それを思い浮かべた理由(食べた経験?色や温度から?)

これを繰り返すことで、自分の中に引き出しが増えてます。
そして、この積み重ねが、テイスティングを確実に進化させてくれます。


最後に

フレーバーを「当てる」のではなく、「育てる」。
それが、味覚のトレーニングの本質です。

自分なりの言葉、自分なりの感じ方で、“コーヒーの味”がもっと豊かに見えてくる。そんな体験を、ぜひあなたの毎日のカッピングに取り入れてみてください。

いいなと思ったら応援しよう!