【建築のタネ】対立項を描く
対立項を描く
─「開く」の背後にあるもの─
No.060
空間を「開く」ことを考えるとき、対立する「閉じる」にも思いを巡らせること。すなわち対立項を描くことで、空間はずっと豊かになります。

■対立項で空間をゆたかに
「開ける」「閉じる」。 これらは単なる動作を超えて、空間体験を両方向に強化します。 例えば、旧来の日本家庭では、襖(ふすま)などの可動建具によって空間を閉じることで1つの空間を複数に分離し、開いては空間を1つにも戻す、という可動性のある空間を持っていました。この「閉じる」「開く」の連続が、空間にリズムや味わいを与えていたのです。

■「開く」だけじゃ足りない
一方向だけの考え方では、デザインが単調になるリスクがあります。たとえば、常に開放的な空間は、プライバシーや集中力を欠くことがあります。一方、閉じた空間ばかりでは息苦しさを感じるでしょう。閉じた状態から開くすることで解放感を体感し、開ききった状態から閉じた状態へ移行することで落ち着いた雰囲気を会得する。

開くことは閉じた状態を考えること!
4o Image Generation
このように、空間の「対立項」に目を向け、一連の変化を上手に描くことで、「開閉」をバランスよくデザインとして取り入れることが可能になるのです。
■対立項とトレードオフ
対立する要素同士は、トレードオフの関係(両立できない関係性)になっていることが多くあります。よって、≪開くこと=閉じた要素を減らす≫、と捉えることができるのです。この思考の切り替えは、設計以外のあらゆる場面でも役に立つはずです。

また、2項対立、トレードオフの関係になったときに一度考えたい内容はアウフヘーベンという考え方です。簡単にいうと、対立するかのように見える要素の良い部分悪い部分を総合的に判断して部分的に取り入れ、より高次の要素へと昇華する思考方法です。

工夫を凝らすことで、「光も風も十分に通るが、視線を通さない開口部」というものを実現できたりします。
■まとめ
「閉じる」と「開く」。 それぞれにしっかりと光を当ててみること。トレードオフの関係にある対立する要素を意識してバランスを調整する事。そういった思考が、空間の可能性を”拓く”ことになるのではないでしょうか。
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対立項と言えば「地と図」ですね!
また、それらを抽象的な視点で見つめる能力も大切です。
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ぜひその対立項に目を向けてみてください!
