【プロローグ②】主よさらば! -フォークランドの青い空と青い海- そして…
主はホステルをチェックアウトして私を待っている。
半強制的に起こされチェックアウトさせられ、
荷物まとめて主と一緒におっさんの会社へ向かう。
市バスを乗り継ぎ、途中リバースしながら、
ようやくメモの住所にたどり着いた。
大きな幹線道路の横道にガソリンスタンドがあるだけ。
会社は何処ですか?

とりあえずガソリンスタンドで聞いてみよう。
自動ドアが開いた瞬間見覚えのあるおっさんの顔。
しかも一瞬 あ!
こいつらマジで来やがった!
て顔を見逃さなかった。
ほら〜やっぱ社交辞令だったじゃん。
おっさんはすぐに笑顔になり。
おおよく来たね〜
ともてなしてくれたが、
朝と違って会話がぎこちない。
主と私はてっきりおっさんは社長で、
会社経営しているのかと思ってたのだが、
実はガソリンスタンドの店長で、夜勤シフトだったのだ。
今朝夜勤明けに同僚と飯食ってる時に、
我々と出会ったという訳である。
私は仕事中なので適当にくつろいでくれたまえ。
主がメシは?
酒は?
と私に聞いてくる。
もう呑めねーよ…
しばらくするとおっさんが、
食事とビールを買って来てくれた。
ガソリンスタンドの事務所で宴会スタート。
呑むのは主と私二人。
買って来た料理はといえば…
ミーゴレンミーゴレンナシゴレンミーゴレンナシゴレン…
主食ばかり。
これスタッフの夜食だったんだろうなぁ…

足りなかったら遠慮なく言ってくれたまえ!
すまんおっさん…
なんだか申し訳なかった…
心の中で詫びてみた。
おっさんは、ガソリンスタンドのスタッフに、
スウェーデンと日本の友人が遊びに来たんだと紹介している。
あーどーもどーも!
日本の友人代表です!
せっかく準備してくれたので、
残すのも申し訳ないので、
無理矢理呑んで食ってたら、
なんか復活して来た。
気まずさも消え調子に乗って写るんですで記念撮影とかして、
良い感じに盛り上がって来た。
さて宴もたけなわではございますが、
そろそろ就寝したいのですが…
寝床はどこでしょう?
ゴザを2セット渡された。

事務所のすみで寝てくれたまえ!
ただ朝8時から偉いさんが出勤してくるので、外で寝てね。
主は全然気にして無いようで、
しばらくここに住むとか言ってる。
おっさんは、
どーぞどーぞ好きなだけ居てくれたまえとか言ってる。
コイツらマジか?
タイル張りの床にゴザ引いて寝た。
以外と寝れたが体がバキバキだ。
別れ際におっさんが昨日撮った写真この住所に送ってくれないか?
よろこんで〜必ず送ります。
なんだかんだでおっさんは本当に良い人でした。
どうやら主は本気でこのガソリンスタンドで、
住み込みでしばらくアルバイトする事にしたらしい。
マジか?

主からここで一緒にバイトしよーぜと誘われたが、
丁重にお断りさせて頂きました。
最後にメールアドレスを交換し、
フォークランド着いたらメールするから来いよって言っていた。
こうして主と別れガソリンスタンドから空港へ向かったのだった。

帰国後すぐに香川の宇多津の知り合いの家に居候。
その後福井の敦賀で非正規労働者として絶望ライン工となる。
あの時、主とフォークランドへ行っていたら…
日本に居てもやる事が無い。
主にメールでもしてみるか?
もらったメモがぼろぼろでアドレスが読めん…
ガーン!!!
主は無事着いたのだろうか?
その後、主からメールが来る事は無かった。
あ! おっさんの住所だ。
そう言えば写真送ってねーや!
「I appreciate it immensely.」
と一言メッセージを添えて写真を送った。
あの時、
主に見せられたフォークランドの写真が、
今も脳裏に焼き付いている。
あの空の色。
あの海の色。
いつかきっと…
あの時、
主には断ったけど。
本当は行こうかどうしようか迷ったんだ。
あの時の燻ぶった思いがここに続くのである。
あの時、
腹くくって主に着いていけば…
今とはまるで違った景色が見えているに違いない。

