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ABAの国際資格とは何か?──「ABAの専門家」とは、結局どんな人なのか?

ABAの専門家とは、一体どんな人なのでしょうか。

「専門家」と一言で言っても、定義の仕方はいくつもあります。

  • 長年の経験がある人

  • 特定のメソッドに詳しい人

  • 海外研修を受けた人

こうした人たちも、「専門家」と呼ばれることがあります。

ただ、ここに療育業界の難しさがあります。
医師のように「国家試験」「免許」「研修要件」があり、
一定の基準で担保されている世界とは違い、
療育は専門性の担保が見えにくい。

だからこそ、自閉症を育てる親は、
ある瞬間からこう思います。

「結局、何を信じればいいの?」

ABAはアメリカでは一般的な療育として知られていますが、
ABAにも多様なモデルがあり、現場にはさまざまな肩書きが混在します。

しかし実は、ABAの専門職資格として
国際的に標準化されている枠組みが存在します。

この記事では、その「国際資格」について整理します。


1. BACBとは?──ABA専門職の国際標準を保つ機関

ABAの専門職資格として国際的に標準化されている枠組み。

その枠組みを作っている団体が、

BACB(Behavior Analyst Certification Board) - 行動分析士認定協会

です。

BACBを初めて聞いた、という方も多いと思います。

BACBは、1998年に設立された非営利団体で、
ABAの専門家資格を運営する認定機関です。

そして、このBACBの資格制度は、
米国の第三者認証機関 NCCA
(National Commission for Certifying Agencies)
によって認証されており、
プロフェッショナル資格としての質が
制度的に担保されています。

2. なぜBACB資格が「国際資格」と呼ばれるのか

BACB資格が「国際資格」とみなされる理由は、

実務上、

  • 多くの国・州で、ABAサービスの保険適用・公費負担の条件になっている

  • 教育・福祉制度の中で、BCBA等の関与が法令やガイドラインに明記されている

といった形で、制度の側がBACB資格を参照しているからです。

欧州やアジアでも、行動分析家の養成・評価は長らくBACB基準を参照してきました。

その結果、

法律上は国ごとに制度が違っても、
ABAの世界では事実上の国際標準として機能している

という状態が生まれています。

※もちろん、
「BACB資格があればどの国でも自動的に公的資格になる」
という意味ではありません。
ただし、制度設計の土台として
参照されている
という点が、他の民間認定とは決定的に違います。

3. ロヴァース法に「国際資格」は存在しない

日本でも有名な
ロヴァース法(DTT)には、
国際的に統一された
標準資格は存在しません。

関連記事:

ロヴァース法(正式名:DTT / Discrete Trial Training)は、
ABAの中でも
歴史的に重要なプログラムです。

ただしロヴァース法は、

  • ロヴァース・インスティテュート

  • 関連組織

などが独自にトレーニングを提供し、
「Lovaas Program Provider」等として
認定する仕組みで運用されています。

これは、

  • 国家資格

  • 国際免許

  • 第三者認証を受けた専門職資格

ではなく、各団体が発行する
「修了証・民間認定」に近い性格です。

つまり、ここを整理すると、
こうなります。

  • ロヴァース法 = ABAの中の「特定プログラム」

  • BACB資格 = ABA全体を横断する「職能資格(国際標準)」

4. 「どのABAが良いか」から「誰が適切にプログラムできるか」へ

近年、ABAの研究は進み、
PRT、ESDM、VBなど
様々な種類の
ABAの効果が示されてきました。

この背景から、
特定の技法を「これが正解」と
選ぶのではなく、
行動分析の原理を
適切に使える専門家が、
子どもの状態を見て
“使い分けて設計する”ほうが
効果的である
という考えが主流になってきました。

ロヴァース法にも
PRTにも、VBにも、
それぞれ強みと弱みがあるので、
いいとこどりをしながら、
その子供に合わせてプログラムを作りましょう
という考えです。

この流れの中で、問われるのは

「どのABAの技法が効果的なのか」

ではなく、

「行動分析の原理を適切に使える専門家かどうか」

が重要になっていきます。

BACBは、ABAの専門性を担保する
認定機関として、
専門家としての知識を試験によって
評価・認定するだけでなく、
資格取得後も、
定期的な更新を義務付ける
仕組みを設けています。

継続的な学習、倫理規定の遵守、
実務の質の維持が求められ、
専門性が「一度とって終わり」
にならないよう、
制度としてプロフェッショナル性を
担保する枠組みが整えられています。

5. そらの家がロヴァース法を採用しなかった理由の一つ

私たちそらの家の未来を
切り開いてくれた
と言っても過言ではない、
アメリカのスーザン先生。
先生はロヴァース博士の
直々の教え子で、
私は彼女の実演を見て
心から感動しました。

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しかし、その先生のセラピーを
間近で体験し、
感動までした我が家が
最終的にロヴァース法を
選択しなかった理由には、
この専門家を担保する仕組みが
影響したということが
大きな理由の一つです。

ロヴァース法を選ぶと、
基本的に行われる療育は
ロヴァース法(DTT)が中心になります。

しかし私たちは、
より新しい研究やモデルも含めて、
必要に応じて
柔軟に取り入れられる形を
求めていました。

そしてもう一つ。
実際にロヴァース法を教える
セラピストと会う中で、
スキルのばらつきを
強く感じてしまったのも事実です。

スーザン先生のずば抜けたスキルは、
療育の技術だけではなく、
子どもへの向き合い方や、
教育者としての倫理観まで含めて、
こちらが「ついていきたい」と思える人でした。

しかし先生はアメリカにいて、
現在は現役を退いています。
日本で同じような
スキルをもったセラピストを
探しましたが、
残念ながら簡単ではありませんでした。

実際に体験セラピーに参加した際、
そのロヴァース法を学んだという
セラピストは、
最後まで一度も息子の注意を引くことができませんでした。

この経験を経て、私は

「きちんと制度で担保されている認定を軸にして探そう」

と決めました。

次回は、

BCBAは、具体的にどんな認定制度でその専門性を担保しているのか
そして、日本では、どう探せるのか
を、具体的に整理していきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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