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文学フリマ初体験記

「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。

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noteのできるだけ毎日更新を実践しています。現在の曜日ごとのテーマはこちら。木曜は「コーチング/大学講師絡みの話/教育論、アカデミックな話題」のテーマとなります。

一昨年、昨年と参加して楽しかった山梨県立文学館主催のZINEフェスティバルに今年も出展依頼をいただきまして、喜んで参加します。

今年の情報はまだサイトには載っていないようですので、いただいたチラシ画像をシェアしておきます。

昨年、割と評判が良かったので、今年もがんばるぞ!と思っていたところに、前からちょっと気になっていた「文学フリマ」が東京・ビックサイトで開催されるということで、刺激をいただきに参加して参りました。コミケは以前、行ったことがあるのですが、文学フリマは初参加です。

この建物を見ると、何やら戦いに赴く気分になるので不思議です。

到着したのは13時過ぎ。同日にアニメ系のイベントもやっていたようで、現地は人混みがカオスでしたが、事前チケットを入手していたのでスムーズに入れました。(当日券はめちゃ並んでいました。)

振り返れば自分は大学時代は文芸サークルに入り、なぜか1年生から編集長をしていまして、過去の作品の傑作選の冊子を作り、他大学に売りに行っていた身からしますと、大学時代にこれがあればよかったのに!と叫びたくなるようなイベントでした。大学時代にサークルの仲間とわいわい出店したら、楽しかったろうなー。

今回の目標はとりあえず全部、歩く(見るではない)でしたので、2会場に分かれているうち、とりあえず1階から全制覇目指して歩きました。コミケと違うな、と感じたのは、いわゆる企業ブースが個人ブースと混在してあったことです。出版社さんのブースもいくつかありました。お仕事なのか有志参加なのか、どっちなんでしょうね?

出版社関係で、ちょっと気になったのはこちら。

「困ってる人文編集者の会」とのことでしたが、パラパラ拝見しましたが、普通のエッセイ集のような内容でしたので購入はしませんでした。

出店者ですが、それこそ大学の文芸サークルから、高校のサークル、どこかの研究室などのブースもあって、「文学フリマ」だけれども文学だけではないところが面白いな、と思いました。

それこそ、おみくじからカードからアロマから衣類からパンまで、ありとあらゆるものが販売されていました。(さすがに食品はいいのか?と思いましたが。)

印象的だったのは、2つの会場それぞれに「試し読み」コーナーがあって、そこにたくさんの人が群がっていたことです。

本が売れない、なんて話も耳タコですが、素人が書いたものにこれだけ他人が関心を示すというのは、むしろ出版業界の方がこういう層にアクセスできていないのでは?という気にもなります。テレビとYouTubeの関係に近いものを感じてしまいました。

個人的に初参戦で面白かったのは、とても特殊なカテゴリー分けと、それぞれのブース数の割合です。純文学や詩、ミステリやSFなどのカテゴリーは「文学フリマ」なので納得ですが、その他、特殊なカテゴリーで言えば、BLよりも百合の数が多かったのは意外でした。(ちなみに百合はGLとも言うそうでガールズラブ、異性間はNL(ノーマルラブ)、だそうです。)また、ある作品募集チラシが置いてあって、それを見て驚いたのですが、なんと「ドラゴン×SF×百合作品募集」とのこと。マニアックな領域に確実なニーズがあるのですねー。

とまあ、オタクっぽいカテゴリーばかり紹介してしまいましたが、もちろん、真面目なジャンルもあり、現代思想や評論などもたくさんありました。マニアックな旅行記などもありましたし、「文学フリマ」と言えば、で有名な、例の崎陽軒の本の方も出店されていました。

だいたい1時間半かけて歩きまわり、何か一冊買って帰ろうかなーと思い、振り返って一番、印象に残った方のブースに戻って購入することにしました。若い女性(多分)1人でお店を出されていて、なんだかマッチ売りの少女的に(勝手にそう見えた)静かに詩集を売っていたので、気になってしまったのです。

ブースを探して戻ると、何やら品出しの最中で一度、通り過ぎ、なんだかストーカーみたいだな、と思いながら再び戻って、勇気を出してブースの前に立ちました。

見ると、何冊かあって、お品書きがあり、まあ、価格的に全部買っても良かったのですが、「何がおススメですか?」とお尋ねすると、詩集を薦めてくれたので、これを購入しました。なんでしょう。向こうのドキドキが伝わってくるようで、こちらもドキドキしてしまいましたw

どなたかがXで発信されていましたが、コミケにしても文芸フリマにしても、おそらく事前にネットで調べておいたり、著者の方とつながって交流したりして、その上で買いに行って〇〇です、というのが普通っぽいです。ただ、こういう通りすがりの客もいらっしゃるようで、そういう意味では、あまりドキドキする必要もなかったのかもしれません。

後で見ると、いただいた冊子に名刺のようなカードが2枚ついていて、1枚はYouTubeの、もう1枚はXへのQRコードがついていました。なるほど、と思って見てみると、何人かのグループで配信をされているようで、今時だなーと思いました。Xの名前と作家名とグループ名があって、ちょっと混乱しました。こういうのもイマドキなのかもしれませんね。しかもVTuberとのこと。

ちなみに詩集の方は何か自分が昔に忘れておいてきてしまったような、そんな感性を思い出させるようなもので、詩というのはこういう良さがあるんだなーと感じるような内容でした。

さて、そんな感じで初参戦は終了したのですが、気になったのは実は出店者よりも参加者です。特に、中学生か高校生ぐらいでしょうか? お父さんを引き連れて来場されていたりして、目をキラキラさせていて、こういう子が次の出店者になったりするのかなーと思って、まじまじと見てしまいました。

ちなみに初参戦の感想ですが、まずは人数と熱気に驚きました。それもコミケのような欲望渦巻く感じではなく、静かな熱気というのでしょうか。元書店員としては、書店の店頭ではあまり感じないこの熱気を感じて、参加者の方に、いったい、あなたは何を求めてこの場に来ているんだい?と訊いてみたくなりました。

書店に並んでいる書籍というのは、言ってみれば、世に出しても良い、という検閲が入っているものになります。そしてある意味、どこでも買えるものが売っています。そして、もうひとつ、書店での出版物は、実はこれがメジャーな考えなんですよ、という「普通」を押し付ける場でもあるような気がしています。「文学フリマ」はそういう規制がなく、普通じゃなくてもわずかな人に共感されればいいものが並んでいます。それに出会うことで、自分の中のメジャーではない感性が刺激される、そういう場なんだな、と思いました。

実際に出展されている方を見て、改めて思い直したのは、「文学フリマ」という名前です。これを私は「文学」のフリマと解釈していましたが、実際には「文字と学びのフリマ」なのではないかな、と思い直しました。そうなるとむしろ、これは極めて越境的な「学会」と言ってはいいのではないか、と思ったのです。

どんな学問分野の壁にも妨げられず、自分自身の考えや主張が表現できる場所。同じ関心を持っている仲間と出会えるかもしれない。そこで「本」が売れれば、それはそのまま次の「研究」につながる。それがどんなに共感する人がほとんどいないマニアックなものでもたとえどんなに小さな発見でも対等に発表の場が与えられる。

というわけで、肝心の「中身」の方はあまり見ることができませんでしたが、それでも大いに刺激をいただいて参りました。(で、結局、山梨のZINEフェスティバルでは何を出すの?というのは、まだ考え中ですが。)

ちなみにこんな方もいらっしゃっていたようです。

現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも大歓迎ですし、もちろん記事の引用・紹介も嬉しいです。

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