人類思想史年表を作ってみた:「哲学する」のススメ その0
「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。
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noteのできるだけ毎日更新を実践しています。現在の曜日ごとのテーマはこちら。水曜は「読書と思想の日/哲学するのススメ(短期連載)・哲学・思想書紹介・概念整理」のテーマとなります。
今回からしばらくは、「哲学するのススメ(短期連載)」をお送りしたいと思っています。
前回までデヴィッド・グレーバーの『負債論』を読んでいまして、彼がヤスパースの「枢軸時代」という概念を拡張したりとか、中世について、実は西洋の中世化が遅れて来ていた、などの話を知ったのですが、その横で先に述べたように日本のいわゆる「哲学」というのが概念的に「学問特化」されすぎていて、使えないというものに成り下がっているな、という感想を持ちました。
さらにこちらの記事で、マネジメントする者にはフィロソフィーが必要だなぁ、という話を実感しまして、でも、哲学じゃないんだよな、と思っていました。
じゃあ、もう、哲学も宗教もひっくるめて「思想」という形で整理してみよう、と思い立ち、AIとあーでもない、こーでもないとやってできた年表を、今回は紹介します。
そして次回からはこの年表を前提とした、「哲学するのススメ」という連載記事をアップしたいと思っています。
ということで、その連載の前提となる年表はこちらです。
Ⅰ.神話的宇宙秩序と王権の時代(−3000〜−2000)
自然・社会・神が未分化な世界観のもと、宇宙秩序は神話によって説明され、王は宗教的存在として世界の秩序を体現する役割を担っていた。
数値年代 地域 人物・存在 思想史的位置づけ
−3000 メソポタミア ギルガメシュ(伝承) 半神的王権の象徴
−2600 エジプト ファラオ 神王思想
−2334 メソポタミア サルゴン 帝国王権の成立
Ⅱ.倫理的一神信仰の成立(−2000〜−800)
神は自然現象の背後にある力ではなく、人間の行為を裁き歴史に意味を与える倫理的存在として理解され、時間は循環から目的をもつ歴史へと転換した。
数値年代 地域 人物・宗教 思想史的位置づけ
−1800 古代イスラエル アブラハム(伝承) 契約思想
−1300 古代イスラエル モーセ(伝承) 律法
−1200 古代イスラエル ヤハウェ信仰 倫理的一神教の形成
−1000 古代ペルシア ゾロアスター 善悪二元論
Ⅲ.枢軸時代(−800〜−200)
世界各地で、人間はいかに生きるべきか、世界の背後にある原理とは何かが反省的に問われ、倫理・理性・超越という普遍的思考枠組みが同時多発的に成立した。
数値年代 地域 人物 思想史的位置づけ
−551 中国 孔子 仁・礼の倫理
−563 インド 釈迦 解脱思想
−500頃 中国 老子 道の思想
−470 ギリシア ソクラテス 徳の探究
−427 ギリシア プラトン イデア論
−384 ギリシア アリストテレス 学問体系化
Ⅳ.普遍宗教と帝国の結合(−200〜600)
枢軸時代の思想は個人の救済倫理から社会統合の原理へと転用され、普遍宗教は帝国権力と結びつくことで広域的秩序を支える基盤となった。
数値年代 地域 人物 思想史的位置づけ
−4 パレスチナ イエス 救済倫理
5頃 地中海世界 パウロ 普遍化
570 アラビア ムハンマド 啓示と法
Ⅴ.理性神学と中世秩序(600〜1400)
啓示と理性の関係が体系的に探究され、世界は神によって秩序づけられた意味ある体系として理解され、知は最終的に神的真理へと位置づけられ、各文明圏において異なる形で制度化された。
数値年代 地域 人物 思想史的位置づけ
965 イスラーム イブン・アル=ハイサム 実験的自然研究
980 イスラーム イブン・シーナ 存在論体系
1058 イスラーム アル=ガザーリー 哲学批判
1114 インド バースカラ2世 数学体系
1126 イスラーム イブン・ルシュド 理性擁護
1130 中国 朱熹 理気論体系
1225 西欧 トマス・アクィナス 神学体系の完成
1263 イスラーム イブン・タイミーヤ 神学的再強化
1266 西欧 ドゥンス・スコトゥス 意志論
1287 西欧 ウィリアム・オッカム 名目論
1328 北アフリカ イブン・ハルドゥーン 社会理論の萌芽
Ⅵ.科学革命と世界の再編(1400〜1800)
神的秩序を前提とする世界理解が後退する中で、自然は数理的法則に従う対象として把握されるようになり、航海・測量・翻訳・制度化を通じて世界は再編成され、理性によって世界を認識し操作する主体が前面に現れた。
数値年代 地域 人物 思想史的位置づけ
1451 西欧 コロンブス 世界の拡張
1469 西欧 マキャヴェリ 権力の合理化
1472 中国 王陽明 主体の内面化
1473 西欧 コペルニクス 宇宙観転換
1518 中国 李時珍 博物学体系
1526 オスマン帝国 タキ・アル=ディン 天文学
1561 西欧 フランシス・ベーコン 方法論
1562 中国 徐光啓 科学翻訳
1564 西欧 ガリレオ 数学的自然観
1596 西欧 デカルト 近代的主体
1632 西欧 スピノザ 自然一元論
1639 日本 渋川春海 暦学改革
1643 西欧 ニュートン 普遍法則
1627 イスラーム マジュリシー 後期神学体系
1700 日本 貝原益軒 自然倫理
1724 西欧 カント 理性の自律
Ⅶ.近代的合理性の拡張とその応答(19世紀〜21世紀)
近代以降、人間は理性と技術を用いて世界を拡張し、自然・社会・生命を組織化してきたが、その帰結として生じた不平等・暴力・環境危機・主体の不安定化を前に、進歩や合理性の意味そのものを問い直しながら、なお決定的な方向を見いだせずにいる。
数値年代 地域 人物 思想史的位置づけ
1809 英国 チャールズ・ダーウィン 人間の自然化という転換点
1816 フランス アルトゥール・ド・ゴビノー 人種不平等論の体系化
1820 英国 ハーバート・スペンサー 社会ダーウィニズムの普及
1853 英国 セシル・ローズ 帝国主義と文明使命論の体現
1878 日本 北一輝 国家改造論による国家動員思想
1888 ドイツ カール・シュミット 主権と例外状態の理論化
1889 オーストリア=ドイツ アドルフ・ヒトラー 人種主義と国家総動員の破局的結節点
1904 米国 J・ロバート・オッペンハイマー 核開発を通じた自己破壊能力の獲得
1906 ドイツ ハンナ・アーレント 全体主義の思想的分析
1926 フランス ミシェル・フーコー 知と権力の絡み合い
1933 インド アマルティア・セン 正義の再定義
1944 ドイツ ウルリッヒ・ベック リスク社会の理論化
1971 フランス トマ・ピケティ 不平等の歴史的再検討
1973 スウェーデン ニック・ボストロム 人類的リスクと未来倫理
今回は特に解説はありません。ちなみに人名の年代は生年で統一しています。
現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローもコメントも記事の引用・紹介も大歓迎です。
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