セルフマネジメントの到達点としてのフィロソフィー:philosophy は哲学とは訳せない(シン・マネジメントの教科書)
「河童の目線で人世を読み解く」市井カッパ(仮名)です。
「すべての組織と人間関係の悩みを祓い癒し、自然態で生きる人を増やす」をミッションに社会学的視点から文章を書いております。
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noteのできるだけ毎日更新を実践しています。現在の曜日ごとのテーマはこちら。火曜は「シン・マネジメント論(連載)/リーダーシップ・経営」のテーマとなります。このテーマは新しいマネジメントの教科書を作るつもりで、じっくりと書き続けたいと思っています。
なお、この連載では、マネジメントの定義について、下記のように定義しています。
マネジメントとは、自然状態で放置しておくと手に入れられない理想的な成果を得るために、人が意志を持って働きかけを行うことである。
前回の記事はこちらです。
前回は、戦略分析の大家、三品和広先生の研究成果が示しているマネジメントやリーダーシップのあるべき姿について語り、「常理を否定する非合理の発想」は、philosophy から生まれるのではないか?というお話をしました。
今回からはこの話に続いて、philosophy がある人と無い人の例、という話を展開していきたいと思いますが、今回の記事では、その前にもう一度、このphilosophy という言葉を別な角度から捉え直してみたいと思います。
philosophy という言葉は日本語では「哲学」と訳されていますが、これは目明治時代以降のこと。そもそもの語源から考えると、この翻訳は間違っているような気がしています。
日本で「哲学」と翻訳され広まった話は下記に書きました。
さて、そちらの記事で触れていませんが、そもそも philosophy の語源を見てみると、古代ギリシャ語の「philosophia(フィロソフィア)」となっていて、これは、「愛する」を意味する philo- と、「知恵」を意味する sophia が組み合わさった言葉だそうです。
では日本語の「哲学」に「知恵を愛する」という意味を見出せるかと言えば、これはなかなか難しいのではないか、と思います。
では、どういう日本語が適切なのか、ということは、「愛する」と「知恵」がどういう意味なのか、理解しなければなりません。
philo(フィル)は、古代ギリシャ語の「φιλία(フィリア/philia)」や「philos(フィロス/友、愛する者)」に由来する、「愛する」「好む」「親しむ」を意味する接頭辞・語根です。単なる性愛(erōs)ではなく、友愛や熱愛、または対象への好意・趣味・愛着(-phila)を表す言葉として幅広く使われます。
古代ギリシャ語の「sophia(ΣΟΦΙΑ / ソフィア)」は、「知恵」「叡智」「賢さ」を意味する言葉です。単なる知識(エピステーメー)を超え、真理を理解する高い知性や徳を指す言葉であり、哲学(philosophia:知を愛する)の語源にもなっています。
こういう言葉の意味を考えるときに大事なことは、一見、違うような意味が書かれている場合には、そのどの意味も含んだひとつの概念である、ということです。そう考えると、「知恵」「叡智」「賢さ」というそれぞれの言葉に飛びついて置き換えられるというのは誤りで、むしろ、「真理を理解する高い知性や徳」という部分を本来の意味として捉えた方が良さそうです。
同様に、philoも、「友愛や熱愛、または対象への好意・趣味・愛着」と捉えたいところですが、こちらは様々な概念が並列されていてひとつの概念と捉えにくいです。
それでも合体させてみましょう。そうすると、「真理を理解する高い知性や徳への好意・趣味・愛着」という意味合いになるかと思います。
ここで、Geminiに、「好意・趣味・愛着」を漢字熟語に捉われずひとことの日本語で言うと?と尋ねてみたところ、「いつくしみ(慈しみ)」という言葉で返してきました。
「知性や徳」については、「真理(まこと)を読み解く力」と「真理(まこと)を体現する生き方」と説明してきましたので、「真理を読み解き、体現する生き方」としました。
つまり、 philosophy とは、「真理を読み解き、体現する生き方への慈しみ」となります。もう少しわかりやすく言えば、「真理を読み解き、体現する生き方への信奉」と言えるのかと思います。
ここまで考えてくると、全回、お話した「常理を否定する非合理の発想」との結合部分が改めて見えてくるような気がします。
前回、お話した三品先生による「事業観」の成長モデルは簡単に書くとこういうモデルでした。
①意味解釈の体系:ビジネス一般に関する知識
②因果関係の体系:何をどうするとどうなる
③優先順位の体系:何は何よりも大事か
④事業認識の体系:この事業はどういうビジネスなりき
⑤確信命題の体系:われわれの事業はいかにあるべし
ここで面白いのは、④と⑤との段階が違うことです。④はこれまでの歴史的経緯などから、つまり「過去」から学ぶものです。そして⑤は今、そしてこれから先を見据えた「未来」を創り出すものです。
「過去」は見えますが、「未来」は目に見えません。目に見えないものを見る力こそ、まさに「真理を読み解き、体現する生き方」に通じるところがあります。むしろ、目に見えている世界だけに捉われることない「真理を読み解き、体現する生き方への信奉」が無ければ、これは実現できないと言ってもいいかもしれません。
現場からは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。面白かった、参考になった、という方は是非、高評価いただけると嬉しいです。フォローも大歓迎です。
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