2-16 システムプロンプトとカスタム指示:毎回の設定を仕組みにする
メモ帳に「いつもの役割設定」を保存して、毎回コピペしている。ふと「これ、原始的だな」と思った——その感覚、正しいです。
その工夫自体は正解です。あとは、置き場所が用意されていることを知るだけです。
答えは、仕組みにあります。
◆この話が復習になる人:カスタム指示・システムプロンプトを常設して使っている方。その場合は2-17_用途別の定石へ。

このレクチャーのゴール: 会話全体を支配する「上位のプロンプト」を理解し、繰り返し設定を自動化できる。
会話全体に効き続ける「上位のプロンプト」という階層があります。カスタム指示、プロジェクト機能、チャット冒頭のルール宣言——名前は違っても原理は同じ、繰り返し使う設定の固定化です。
ここまでのテクニックを使っていると、気づくことがあります。「毎回同じ役割設定と制約を書くの、面倒だな」。その面倒を仕組みで解決するのが、システムプロンプトの考え方です。
システムプロンプトとは、個々のメッセージ(ユーザープロンプト)より上位に置かれ、会話全体に効き続ける指示のことです。あなたが毎回送るメッセージが「その場の依頼」だとすれば、システムプロンプトは「雇用契約書と業務マニュアル」に相当します。「あなたは当社のマーケティング担当アシスタントです。回答は常に日本語で、結論から書き、専門用語には注釈を付けてください」——こうした恒常的なルールを一度設定すれば、以後のすべてのやり取りに適用されます。
主要なAIサービスには、これをユーザーが使える形にした機能があります。カスタム指示(自分の情報や好みの回答スタイルを登録しておく機能)、プロジェクト機能(特定の業務専用の指示と資料をセットにした作業空間)、そしてチャット冒頭に「このチャットでは以後、〜というルールで」と宣言するルートプロンプトの運用。呼び名は違っても、原理はすべて同じ——繰り返し使う設定を、上位の層に固定することです。
使い分けの目安はこうです。すべての対話に共通する好み(文体、自分の職種、前提知識)はカスタム指示へ。特定業務の設定(この製品の仕様、このクライアントの背景)はプロジェクトへ。その日の作業ルールはルートプロンプトへ。階層を意識すると、毎回のプロンプトは「その場の依頼」だけのシンプルなものになります。
注意点は一つ。上位の設定は「書いたことを忘れる」ことです。数ヶ月前のカスタム指示が今の業務に合わず、出力を静かに歪めていることがあります。上位プロンプトは定期的に棚卸ししましょう。

保存版・設定を置く3階層
システムプロンプト=会話全体に効き続ける上位の指示。「契約書とマニュアル」
カスタム指示・プロジェクト・ルートプロンプトは、いずれも「設定の固定化」
共通の好みは上位へ、その場の依頼は都度のプロンプトへ。定期的に棚卸しする
これで冒頭の"メモ帳コピペの原始的な運用"を卒業できます。
やってみよう: 使っているAIサービスのカスタム指示に、自分の職種・よく頼むタスク・好みの回答形式の3点を登録してみましょう。登録文の下書きは次で作れます。
私の職種・よく頼むタスク・好みの回答形式は次の通りです。これをもとに、カスタム指示欄に登録する恒常ルール文を200字以内で作ってください。職種:/よく頼むこと:/好みの形式:
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