2-2 使い道と利用場面:出力の先を決める
AIの回答自体は悪くないのに、いざ使おうとすると「そのままでは使えない」。会議に出すには硬すぎ、メールにするには長すぎ——毎回、手直しから始まっていませんか。
手直しが多いのは腕のせいではなく、「出力の行き先」を伝えていないだけです。
答えは、仕組みにあります。
◆この話が復習になる人:依頼のたびに使い道と利用場面を先に伝えている方。その場合は2-3_根拠と前提へ。

このレクチャーのゴール: AIの出力によって前へ進めたいことと、その出力を使う人・場面を明確にできる。
AIは「何に使われるか」を知らないまま、汎用の形で答えます。使い道と利用場面を先に決めて渡せば、出力は行き先に合わせて成形されます。
依頼を書く前の1問目は、この出力で何を前へ進めるのかです。「議事録を作って」だけでは、記録を残したいのか、欠席者へ共有したいのか、次の意思決定を促したいのかが分かりません。「明日の責任者会議で、価格変更を承認するための判断材料にする」と置けば、必要な内容を選びやすくなります。
2問目は、誰が、どの場面で使うのかです。同じ価格比較でも、経営会議で投資判断に使う資料と、営業担当が顧客へ説明する資料では、必要な粒度も言葉も異なります。読み手の知識、出力を読む場所、その後に取る行動まで書くと、「分かりやすく」の意味が具体化します。
必要なときは、ここに観点の指定を加えます。「財務・運用・顧客影響の3方向から評価して」のように、見落としたくない角度を直接示します。「あなたは専門家です」と人格を与える方法もありますが、肩書だけでは評価基準が曖昧です。欲しいのが視点なら、視点をそのまま書くほうが検証しやすくなります。
使い道と利用場面は、出力を評価する基準にもなります。「正しい文章か」だけではなく、「会議で比較できるか」「そのまま顧客へ送れるか」「担当者が次の作業を始められるか」で判定できます。AIに依頼する前に、出力の後で誰が何をできるようになるかを一文にしてください。
ミニ実演
✗「競合の価格をまとめて」→ 何に使うか不明で、ただの価格一覧が返る。
✓「来週の経営会議で"値下げすべきか"を判断するために、競合3社の価格を、当社との差額つきで一覧にして。役員はこの表だけを見て賛否を決めます」→ 差額と判断材料に絞られ、そのまま会議に出せる表になる。
変えたのは1文目だけ。「誰が・どの場面で・次に何をするか」を足すと、出力の狙いが定まります。

保存版・出力の先を決める4点
最初に、AIの出力で前へ進めたい判断や行動を決める
誰が、どの場面で使い、その後に何をするかまで指定する
肩書を与えるより、必要な評価観点を直接書くほうが検証しやすい
この4行を先頭に付けるだけで、冒頭の"そのままでは使えない・毎回手直し"が激減します。
やってみよう: 最近AIに頼んだ依頼を1つ選び、「この出力で前へ進めること/使う人/使う場面/出力後の行動」の4行を追加して再実行しましょう。そのまま貼れる型はこちらです。
この出力は〔誰〕が〔場面〕で〔目的〕に使い、その後〔行動〕します。それに最適な形式・粒度・言葉で、〔依頼内容〕をお願いします。
📍 番号や読む順に迷ったら講座マップへ。目的別ルートと全84レクチャーの対応表があります。
