#18:問題を解いても、何も変わらないときの話
問題は対処した
──でも、現場はなぜか、何も変わっていない。
これは、現場改善や業務改革に取り組んだことがある人なら、一度は経験がある状況だと思います。
正しい分析をし
しかるべき手順で対策を立て
合理的な打ち手を投入した
それでも、風景が変わらない。空気が動かない。成果も見えない。
僕も経営をする中で、そんな“空振りの問題解決”を何度も経験してきました。
#16のnoteでは問題と課題について分離し、「この問題は今解くべきなのか?」と問題の本質を追求することについて書きました。
#17のnoteでは問いを深めることで、一手で複数の課題を解決する考え方について書きました。
ここまでは、うまくいくやり方について書いています。
しかし──
もちろん、僕の会社も最初からそのようにうまくいった訳ではありません。たくさんの失敗をしてきたから今こうなっています。
問題解決に失敗した過去を振り返って、どうして当時は変えることができなかったのか?
── 今日は、そんなうまくいかなかった過去の問いを深掘りしてみようと思います。
もしあなたがーー
✅ 解決策を導入しても現場が動かない
✅ 問題は潰しているのに、手応えがない
✅ 本質的な変化に結びつかない“改善”に悩んでいる
という状況であれば、この記事はきっと何かヒントになると思います。
1. 「ちゃんと解決したのに、なぜ変わらない?」
僕がBoost X projectを進めていくなかで、最初にぶつかった違和感のひとつがこれでした。
ある時期、社内で業務の属人化が問題になりました。
「この人じゃないとわからない」という案件が多く、稼働もムラがありました。
だから、業務フローを整理して、分担を明確化し、仕組みで回せるように改善を進めました。
結果、「誰でも対応できる仕組み」はできた。
── でも、なぜか、社員さんの動きが変わらなかったんです。
資料は整っていても、誰も開かない。
フローは引かれていても、見ていない。
結果、属人的な運用が、形を変えて続いていました。
「あれ、これって“問題は解いた”つもりなんだけど、“変化は起きてない”んじゃないか?」
このときの違和感が、僕にとって大きなヒントになりました。
2. 「解いた人」だけが納得している状態に注意
問題解決に取り組むとき、多くの場合、
その“問い”を深く掘り下げているのは、一部の人です。
小さな組織では、経営者か、熱量の高い一部の社員さんとかです。
そして、気づかないうちに、
他のメンバーと「納得の量」に大きな差が出てしまう。
たとえば、僕が社員さんと話し合って導入した改善策も、
「なぜこの仕組みが必要だったのか?」を
深く腹落ちしているのは、ごく一部だけだったりします。
これはつまり──
「答え」だけが共有されて、「問いの体験」が共有されていない状態。
現場にとっては、「急に新しいルールが降ってきた」感覚だと思います。
納得しているのは、“解いた人”だけ。
だから、形は変われど、みんなの行動は変わらない。
3. 「問いの体験」がなければ、それは“他人ごと”になる
僕が大事にしているのは、
「問いの体験」をできるだけ共有しておくこと。
です。
具体的な打ち手を実行する前に、その“前段階”として、
チーム全体が「これは課題だ」と思えているかどうか
を丁寧に確認します。
なぜなら──
「問い」が腹落ちしていない人にとって、
どんなに完成された答えも、ただの“指示”にしか聞こえないからです。
これは、問題解決を担う側の“落とし穴”でもあります。
主体者は、考えて悩んで練り上げた解決策を「やっと打てた」と感じている。
だから、実行された瞬間から「変化が始まった」と思ってしまう。
でも、他のメンバーにとっては違います。
「え?急に新しいことやれって言われたけど、なんで?」
それが素直なリアクションです。
そもそも「悩み」や「問い」が共有されていないのだから、その感覚は当然です。
だからこそ、僕は
「実行前の“下地づくり”」
に相当な時間をかけます。
クリティカルに問題解決をするための地ならしです。
問いを、少しずつチームの中に“熟成”させる。
「これって、なんかモヤモヤするよね」とか
「うまく回ってない気がするな」
という違和感を、言葉にして共有していく。醸成していく。
そのプロセスを経ることで、ようやく、チームの準備が整い、
モヤモヤが問いになり問題として認識され、課題へ昇華される。
── そして、
解決策が“自分の悩みに対する答え”として受け止められるようになる。
僕の中ではこの「問いを深める」プロセスが、
“浸透圧を高める下地づくり"
になります。
どんなに良い水を流しても、
細胞が吸収できる状態じゃなければ、ただ流れ去るだけ。
問題解決も同じです。
吸収される準備が整っているかどうか。
それが打ち手の成功確率をあげると思っています。
4. まとめ:「変化しない解決」の違和感を大切にする
問題を解く。仕組みを整える。施策を打つ。
それらはすべて、大切な改善の取り組みです。
でも、もしそれをやっても、
「なぜか現場が変わらない」と感じたら
── その違和感は、たぶん正しい。なにかが欠如している。
僕は今、「解決」という言葉より、「変化」の方に、関心があります。
目の前の表層的な課題を解くことより、
永続的な変化につながっているかどうか。
そして永続的な変化は、
チームで熟成された“問い”の温度から生まれる。
誰が悩んで、誰が気づいて、どう話したか。
チームのみんなはそれをどう感じ取っているか。
そもそも問題意識はあるのか?
課題に昇華して解きたいのか?
そこに触れ、アクションが起こり始めたとき、
組織の空気が静かに動き始める。
だから今日も、
「問題は解けたと思っているが、僕たちは変わったのか?」
と僕たちは常に立ち止まって考え続けています。
触れるものがあれば、フォローしていただけますとうれしいです。
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