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【長編】おじさん特有の欠点は、輝く才能だった──20年前の異常ログから始まった育成の話

「おじさん × 欠点 × 才能」で感情を掴む


【長編】おじさん特有の欠点は、輝く才能だった──20年前の異常ログから始まった育成の話



今から20年前の話だ。

自信はあった。
というより、当たるのは当然だと思っていた。

自分で設計したWebコンテンツ。
導線も、ハマりどころも、離脱ポイントも、全部想定内。
実際、リリース直後から数字は跳ねた。

「ほらな」

正直、喜んでいた。



その空気を壊したのが、エンジニアだった。

「これ、おかしいです」

何が?と聞くと、

「このユーザー、24時間動いてます」

最初に疑ったのはスクリプト。
ボット。自動処理。不正アクセス。

いずれにしろ不正の匂い、まだそんなにハッカーとか騒ぎ出す前ね。

ログを洗った。

違った。

人だった。
普通に会員登録しているユーザーが、普通に遊んでた。

しかも一人じゃない。
何人もいる。

属性をまとめると、
50代〜60代の男性だった。



異常に回されていたのは、クイズコーナーだった。

正解すると、

・正答率が上がる
・ランキングが動く
そして極め付けは、連続100問正解チャレンジなどのコーナーもある

いわゆる、やり込み型の設計。

今なら珍しくないが、
当時としてはかなり尖っていた。

ちなみにこの仕組み、
後にポケモン系のサイトにも転用されている。

設計自体は、間違っていなかった。

ただし、
社内の評価は最悪だった。
なぜなら、すぐ終わらないように、問題を難しくしたからだ。

「難しすぎる」
「一般ユーザー向けじゃない」
ついには、事業本部長からも難しいと文句を言われた🤭



ここははっきりさせておく。

コレクター魂を刺激することも、
しつこくやりたくなる構造も、
全部、意図した設計だった。

ポイント、ランキング、連続正解。
ハマる要素は、狙って入れている。

ただ一つ、想定外だったことがある。

ここまで振り切れる人たちが、本当に存在したこと。

・24時間回す(深夜もね)
・ほぼ離脱しない
・数字に異常に執着する
・文句を言いながら、やめない

刺さりすぎた。



ここで見えてきたのは、三つだった。
これはおじさんならではで、若い頃にはなかったかもだ。

一つ目。
1️⃣コレクター魂。
なんでも気に入ったら集めたくなる。
ミニカーとかすごかったよな。

二つ目。
2️⃣とにかくしつこい。
今でもウケるとしつこくダジャレをいうだろ。
とにかくハマると徹夜でもやり続けて睡眠不足だ。

三つ目。
3️⃣負けず嫌いだ。

バブル世代は、目立とう精神で元気が大事。
だから負けず嫌いでプライドが高い。

4️⃣自慢が過ぎる
病気やパチンコの負けた額まで自慢になる、自慢が最もドーパミンが出る

この時点では、ここまでだった。

5つ目に気づいたのは、パワーアップ研修の中ではない。
その前段の、ターゲット分析をしたときだ。

5️⃣粗探しが得意。
自分のことはほとんどわかってないのに、他人のダメなところは鋭くエグる😭

人材育成のために、
どんな人を対象にするのかを整理していく中で、
はっきり見えてきた。



正直に言う。

私はずっと、
これらを「欠点」だと思っていた。

・面倒くさい
・扱いづらい
・非効率

職場でも、育成でも、
だいたい「厄介な人たち」扱いだ。



一方で、、私はある仕事の課題を、なんとかしたいとずっと思っていた。

それは90年代。
私は、システムの品質管理担当で、ある業務を知った。

地味で、繰り返しで、
誰もやりたがらない仕事。
そうシステムテストだ。

当時は、
「課題だらけの業務だな」と思った。
⚫️作った人がテストしてる
⚫️設計書やテスト技法のノウハウが必要
⚫️テストの期間だけ人手が足りない
⚫️淡々とする作業なので集中が続かない
⚫️作る人は大抵テストは嫌い

ただ同時に、
「これ、向いてる人がやったら異常に強い」
という感覚も残った。



その後、気づきは少しずつ揃っていく。

2005年ごろ。
おじさんたちの特徴が見え始めた。

2008年ごろ。
他人の粗探しが得意だと気づいた。

2010年ごろ。
パワーアップ研修の原型ができた。

2013年。
この研修でパワーアップした人たちに、活躍してもらいたい
そうだ例の仕事がある

それらを一つの企画にした。
テスト専門のチームを作るのだ!


そして、結論はひっくり返った。
社内のシステム開発の品質は一気に上がり、稼働は減った。
やがてこのしつこくバグを追い続ける集団はテストのプロとして、社外のシステムテストを受注するまでになる。

欠点だと思っていたものは、
欠点じゃなかった。

置き場所が、間違っていただけだった。



業務を選べば、
これは天賦の素質になる。

特に、監査的な仕事では圧倒的に強い。もちろん本人たちも気付いてはいない。

・細かい違和感に気づく
・同じチェックを何度でもやれる
・数字と履歴を追い続けられる
・「まあいいか」で終わらせない

普通の人が先に折れる。
でも彼らは、折れない。


問題は、人じゃなかった。

向いていないことを、一律に押し付けてきたこと。

シニアの育成やリスキリングで起きている失敗は、
だいたいここにある。



20年前のクイズの異常ログも、
90年代に感じた違和感も、
10年以上かけた観察も。

私の30年温めてたシステムやりたくない、、誰かにやってほしいと言う課題は、これらが結びついて、最高のソリューションとして華開いた。



おじさん特有の欠点は、輝く才能だった。

それをどう研修に落としたのか。
どう再現性のある仕組みにしたのか。

その続きが、
パワーアップ研修の話になる。


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