人が書くということ、AIが書くということ、AI "と" 書くということ 【コラム】
今日は、先日投稿した拙作のショートショートについてです。
これらの内、片方は私が人力で書き上げ、もう片方は文章生成AIとの共作で書いています。
そう聞いて、不快に思われる方が居たとしたら申し訳ないです。
しかし、あなたを試したり騙すなどの意図は全くありません。これは私に対する実験だったし、試練でもあるのです。
なぜ、このような事をしてみようと思ったかと言うと、とあるソフトウェア開発者の方の記事で面白そうなソフトを見つけたからです。
以前からAIとの共作を実践している私にとって、その変遷を可視化できるこのソフトはとても面白そうに映りました。
なので今日は、このソフトを使って感じた事、考えた事を語っていこうと思います。
はじめに
まずは、ソフトウェア(HUMAN WRITE)の簡単な説明から。
詳しくは先ほどリンクした記事に書いてあるので、もし興味が湧いたらご自身でもコンタクトを取ってみてください。
仕様:エディタ上での入力が解析対象
キーボード入力は「執筆」
バックスペース、切り取りは「推敲」
貼り付けは「コピペ」
としてその文量が縦軸に表示される。
また、横軸を時間とすることでパルスとして表れる。
今回HUMAN WRITEを使っての一番の収穫は、この時間軸が可視化されたことだったと思います。
以前のAI共作では1万字近い作品を書いたため、そもそも完成までに一週間以上の時間を要しました。
そのため、AI共作における作業の時間的な分配と配置は感覚的にしか掴んでいなかったし、そこにどのような要素が発生しているかはあまり自覚的ではなかった。
それでは、AI共作作品「祈るように押し込む」と
人力執筆作品「餅は餅屋」それぞれのパルスについて解説していきます。
「祈るように押し込む」のパルス解説
HUMAN WRITEでのパルス化対象は、エディタ上での入力のみなので
今回、文章生成AIとの共作を評価するために、プロンプトの入力をエディタ上でおこない、それをAIのチャット欄にコピペ → AIの出力をエディタにコピペして、追加プロンプトをエディタで書いて……のように、AIとエディタとを行き来して使用しました。

そこで見えてきたのが、AIの出力待ちと、AIの出力物を読む、という時間が発生するという事です。
具体的には
①:最初にアイデア出しをさせるためにプロンプトを入力してからの、出力待ち。一番初めの「執筆」は、プロンプトをエディタで作成している軌跡です。
②:出力された数十個のアイデア群を読み、どれを選択するか思案している時間。
③:選択したアイデアからAIに初稿を吐き出させるためのプロンプトを作成し、また出力待ちとその査読。
が該当する。
中編小説を共作した際は、これらの作業が日をまたいで何度も発生していたので、このような工程や時間配分に対してあまり自覚的にはなれていなかった。
「餅は餅屋」のパルス解説
では、人力で作成した作品はどうか?

書き出しで少し「執筆」が止まったり、「推敲」が発生し、その後は比較的スムーズに筆が走っている。
終盤でまた「推敲」が発生して、なんとか書き切ることが出来ている。
今回のパルスには、ショートショートのアイデア(設定)を考えたり、なんとなくの構成を頭の中で思案している時間は含まれない。
書き出せると思った時点からエディタに入力を始めたので、執筆開始からのパルスのみが可視化されているし、AI共作との比較をするために、多少焦りながら書いている。
なので10分程度で書き上がっているが、普段は多分もうちょっとのんびり書いていると思う。
2つのパルスを見比べて思う事
「推敲」の前にパルスの間隔が開くのは共通事項としてありそうです。これは、どのように文章を書き直すかを頭の中で整理してからキーボードを操作しているからだと思う。
AI共作については、「執筆」の回数・量共に人力よりは少ないが、逆に「推敲」回数・量ともに多い。
それは、私がAIの初稿を編集しているからに他ならない。


AIに吐き出させたアイデア群を読み、選別する②
さらにプロンプトを入力して、
AIが書いた文章を、自分の好みに書き直す③以降の「推敲」
このサイクルが回せない事にはAIを編集対象として使うのは難しいように思う。
ではどの程度の編集をおこなったかを示すために、AI初稿の一部をコピペしておきたいと思います。
年に一度、正月三が日だけ現れる男を、人は「お餅プロ」と呼んだ。
彼は神社の一角で餅を焼き、その所作に無駄はない。炭の置き方、網の温度、返すまでの沈黙。白い餅は音もなく膨らみ、焦げ目だけが季節を語った。
~ 中略 ~
正月が明けると、男はいなくなる。
だが人々の口には、なぜかその年一番の餅の余韻だけが、長く残った。
noteへの投稿のためにしている事
文章の作成に関しては、上記のような変遷を辿るが、そこからnoteへ投稿するためには以下のような事をやったり、意識したりしています。
文章全体の体裁を整える……段落の字下げ、太字やルビ振り、スマートフォンで読まれることを想定しての改行や行の挿入。
タイトル決め……今回の「祈るように押し込む」のように、AI初稿ではお餅をただ振舞うお話だったものを改編した場合などは雰囲気が大きく変わるのでタイトルを付け直す。
サムネ画像作成……私は絵が描けないので、画像生成AIを便利に使わせてもらっていますが、作品の要素を感じられるような絵を目指したり、似合うように画風を変えたりと多少は拘って作成しています。
おわりに
この比較検証記事を読んで、「なんだよAI使ってるのかよ……」と思われた方がいらっしゃったら、申し訳ないし少し寂しい。
逆に「結果は分かったが、もっと詳しい制作過程が気になる」と感じた方もいるかも知れない。
その “引っかかり” に応える資料として、すでに公開している中編小説の制作過程解説記事があります。
今回は比較検証記事の公開に合わせ、必要な人に届きやすいよう、1月末まで価格を100円にしたいと思います。
安価に読むためというより、文脈をつなげて理解するための入口として考えてもらえれば幸いです。
私が私のAI執筆環境への理解を深めるキッカケを下さったHuman Writeさんに感謝いたします。
ありがとうございます。
投稿日:2026/01/11
筆者:棚島 香帆汰(プロフィール、
映画好き、小説も書いてます)
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