🦐EBPノート|WHO身体活動・座位行動ガイドライン
本記事は、
身体活動・座位行動ガイドラインを
整理したものです。
本ガイドラインは全世代を横断した国際標準であり、
理学療法士が 運動処方・生活支援・地域保健 を行う際の
共通言語となります。
🩵 一般向けにやさしく解説した記事はこちら👇
👉💬リハビリノート|座りっぱなし、やめてみませんか?
1. 概要:ガイドラインの“核”
WHOガイドラインが一貫して強調するのは、
次のシンプルなメッセージです。
✔ 「少しでも体を動かせば利益がある。座りすぎは健康リスクである。」
そして、全ての年齢層・慢性疾患を有する方に対して
共通する基盤は以下の通りです。
📌 共通する推奨(成人・高齢者)
中強度の身体活動:週150–300分
高強度の身体活動:週75–150分
筋力トレーニング:週2回以上
座位時間は少ないほどよい/長時間座位は分断する
特に重要な点は、
👉 中強度・高強度の活動を組み合わせても良い
👉 短時間の活動でも積み上げれば効果がある
という点です。
これは臨床で
患者教育を行う際に非常に使いやすいポイントです。
※中強度:座位安静時の3~6倍の強度→散歩、ラジオ体操など
※高強度:座位安静時の6倍以上の強度→ジョギング、登山など
2. 年代別・対象別 推奨内容
🧒 2-1. 子ども・若者(5〜17歳)
✔ 1日 60分以上の中〜高強度身体活動
✔ 筋力・骨強度・心肺機能を高める活動を週3回以上
✔ 座位時間を減らすこと
例: 徒歩通学・外遊び・スポーツ・ジャンプ運動など
🧑 2-2. 成人(18〜64歳)
✔ 中強度150–300分/週、または高強度75–150分/週
✔ 筋力トレーニングを週2回以上
✔ 座位時間をできるだけ減らす
ポイント:
・短時間の活動でも積み重ねてOK
・余裕があればより高い量にしてよい
👵 2-3. 高齢者(65歳以上)
成人と同じ推奨に加え、以下が追加。
✔ 転倒予防を兼ねたマルチコンポーネント身体活動を週3回以上
※中強度以上の強度で、
バランスと筋力トレーニングを重視した多様な要素を含む身体活動
🤰2-4. 妊娠中および産後の女性
成人と同じ推奨に加え、以下が追加。
✔ 活動量は安全に実施できる範囲で段階的に増加
✔ 妊娠前から運動習慣がない場合も、可能な範囲で開始してよい
✔ 骨盤底筋のトレーニングで尿失禁のリスクを減らすことができる
3. 慢性疾患・障害のある人
✔ 可能な範囲で成人と同じ推奨量を目指す
✔ 活動が困難な場合も、「できる範囲で」実施すれば利益あり
✔ 座位時間を減らすことも治療の一部として扱う
ここは理学療法士の介入判断が
大きくものを言う領域です。
4. 「座位行動(Sedentary behavior)」
WHOは
「座りすぎ」が独立した健康リスクであると明確に示しています。
✔ 座位時間が長いほど、
死亡リスク
心血管疾患
2型糖尿病
がん
のリスクが上昇。
✔ 対策は?
長時間座位を短い活動で分断する
歩行・軽い活動でも十分効果あり
理学療法士が日常生活指導で最も使いやすい部分です。
5. 臨床で押さえるべきポイント(PT視点)
① 患者さんに最低限のラインを提示できる
WHO推奨量は
「これ以上動けば確実に健康利益がある」 という最低ライン。
個別性を反映しつつ、
安全に活動量を引き上げる目安に使える。
② 「少しでも動けば良い」というメッセージは行動変容に強い
運動嫌い・慢性疾患の人ほど、
「5分の散歩でも効果がある」
という事実は行動変容につながる。
③ 座位行動の削減は、リハ専門職が最も実装しやすい介入
立ち上がり回数の増加
1時間に1回の立位
屋内歩行の導入
など、病院・施設・自宅のどこでも可能。
6. おわりに
WHOガイドラインの本質は、とてもシンプルです。
✔ 「どんな人でも、少し動けば必ず利益がある。」
✔ 「座りすぎは、静かに健康を蝕む。」
理学療法士は、
これらを行動変容として患者の生活に落とし込み、
病院
介護現場
在宅
地域
すべてのステージで支援する役割があります。
今日の1歩が、健康寿命を大きく変えます。
臨床での実践のヒントとして、ぜひ活用してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※ご質問・ご意見はコメント・メッセージにてお気軽にどうぞ😊
参考文献
・ WHO身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版)
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