医学の知識ゼロで医学情報の嘘を見抜く最強メソッド!【043】データが示す早期発見の重要性
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近年のがん治療は長足の進歩を遂げており、種々のがん種において、初期のステージで発見できた場合、実測生存率(診断されたがん種が原因で死亡したかにかかわらず、死因を考慮せずに、単純に生存している人の割合を示したもの)が顕著に高くなることは国立がん研究センターの医療統計データからも明らかです。
「乳がん検診を受けてはいけない」と主張する著者のN医師ですが、乳がんの場合、ステージⅠ、Ⅱで発見できれば実測5年生存率は90%以上です(下表)。
もちろん、完全寛解(かんかい)(長期にわたって再発・転移が見られず、ほぼ治癒したように見える状態)に至る人も少なくありません。
表の対象患者数を見て明らかなとおり、多くの人がステージⅠ、Ⅱで診断されているのです。
これは、近年の乳がん検診の有用性を示すものでしょう。

一方で発見が遅れ、ステージIVの乳がんと診断された場合には、それは他の臓器への転移があるということを意味します。
転移していると聞かされると、多くの人が絶望的な気持ちになることでしょう。
進行がんに対する近年のがん治療は進歩しています。
とは言うものの、発見が遅れるほど生存率は確実に低下します。
検診を受けずに、自覚症状が現れてから進行がんと診断されるよりは、検診で早く見つけてもらって希望をもって治療を受ける方がいいに決まっています。
乳がんでは、ステージIVで診断された場合、5年を生き長らえる確率は40%ほどです。
ですが他のがん種、胃がん、肺がん、大腸がんなどでは乳がんよりもずっと低く(下図)、より早期で発見されることが望ましいことは明らかでしょう。

最近のがん研究センターのプレスリリース(下リンク)で述べられている通り、1990年代以降、多くのがん種で患者の生存率が向上しています。
また、乳がん検診の有効性については、エビデンスレベルが最も高い、日本乳癌学会の『乳癌診療ガイドライン2022年版』(下リンク)に明記されています。
がんは「見つけない方が良い」、見つかっても医療機関で「治療を受けない方が良い」などという一個人の主張を信じる理由があるでしょうか?
これらの信頼できる機関からの情報は、誰でもネットでアクセスできます。
難しい内容もありますので、分からないところは主治医などの医療専門家に訊いてみられるとよいでしょう。
医療機関によっては、一般向けに易しくまとめられた冊子、リーフレットなども置かれているので、参照されるとよいでしょう。
がん検診で用いられる検査法にもメリットとデメリットがあります。
それでも、公的に推奨されている検診は、リスクとベネフィットについて科学的に十分に検証された上で実施されているものです。
がん検診は必ず受けましょう。
課題はあります。
それでも、「受けるべきではない」という科学的根拠は微塵もありません。
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