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医学の知識ゼロで医学情報の嘘を見抜く最強メソッド!【001】専門知識ゼロで見抜けるって本当なの?

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巷に多々ある健康食品サプリメントの類。
健康保険の利かない民間療法美容医療
ネットやSNSにあふれる膨大な情報広告
さらには、現役の医師や医学研究の専門家らが発信する「ワクチンは打つな」、「薬をやめれば病気は治る」といった怪しい主張の数々。
いったいぜんたい、どれが正しくて、どれが信用できないのか? どうやって見分ければいいのだろうか?―――今、この記事を読んでくださっているあなたは、そんな悩みをお持ちなのかもしれません。

「波動」「ホメオパシー」「デトックス」「毒素」「酵素」「水素水」等々―――こんなワードが出てきたら「ちょっと待って!」と注意喚起し、これらのキーワードで語られる健康・医学情報モドキが、いかに根拠のない話なのかについて、具体的な研究論文などを引用して、やさしく、解りやすく解説してくださっている良書がいくつかあります。
私自身も拝読して、勉強させていただき、また大いに影響も受けました。
ですが同時に、まだ何かが足りないようにも感じました。
具体的には、ふたつあります。

ひとつは、それらの本が、個々の事例のウソを暴いて説明することを目的としているため、その事例については理解できたとしても、読者はいぜんとして、独力では情報の真贋を見分けることができないままなのではないか、ということです。

そして、もうひとつは、警戒すべき怪しいキーワードをいくつか覚えたとしても、それらのワードが出てこない新手の広告の謳い文句や新エセ医学情報には役に立たないではないか、ということです。

本を一冊読んで、警戒すべき個々のキーワードや具体的事例をいくつか知ったとしても、それだけでは他のケースに応用が利かず、読者には相変わらず、自身で嘘を見分けるためのスキルが身に付くものでもありません。

その情報がなぜ間違っていると言えるのか、その説明を聞いただけでは十分ではありません。
あらゆる間違った情報に騙されないようにするには、限定的な事例やキーワードのみに頼るのではなく、自力で嘘を見抜くための普遍的なノウハウを身につけていただく必要がある、と私は考えました。

一例を挙げましょう。
現役の開業医が著書の中で、以下のように述べているとします。

「がん検診は無意味だ。なぜなら、がん患者のうち、検診を受けた人と受けなかった人の死亡率に差はなかったとの研究論文があるからだ。無駄に放射線を被ばくするだけなので、むしろ、がん検診は受けてはいけない」

どうでしょう?
あなたは、これを信用して、がん検診を受けるのをやめようと思うでしょうか?
怪しいワードは出てきません。
それに、根拠となる論文があると言っています。
そして、言っているのは現役の医師です。

「医者が言うことなのだから、正しいに違いない」と思う人もいるかもしれません。
あるいは、「本当だろうか?」と疑問に思いながらも、本当なのかどうか、本当にがん検診は受けない方がよいのか、判断がつかない人が多いのだろうと思います。

そこであなたは、信頼しているかかり付け医に訊いてみることにします。
当然、あなたの主治医はこう言うでしょう。
「なに言ってるんですか! あなたの年齢になれば、がん検診は絶対に受けてください!」と。
どちらも医師が言うことです。
どちらを信じればいいのでしょう?

医師が「根拠となる研究論文がある」と言うと、「間違いない!」と信用してしまう人が多いのではないかと思います。
博士で大学教授のような偉い人が言うことだったら、疑う理由がないと思うかもしれません。
ですが、本連載を読んでいただければ、たったひとつの研究論文が、即「根拠」となり得るわけではなく、医師や博士、大学教授のような権威のある専門家の言うことだからとて、必ずしも信用するに値しないということがご理解いただけるでしょう。

この連載は、文系/理系の別にかかわらず、医学の知識なしで嘘の広告、間違った医師や専門家の言うことの真贋を見分けるためのコツを伝授するものです。
それほど難しいことではありません。
いくつかの着眼ポイントを知っていただいた上で、ある考え方を習慣化していただければ、今後は無為に惑わされることはなくなるでしょう。

より具体的に、本連載がお伝えすることは以下のことだけです。


安易に騙されないようになるために、あなたには2つの習慣を身につけていただきます。
ひとつは、何事も「疑ってかかる」ということです。
そして、もうひとつは、疑った上で「科学的根拠はあるのか?」とご自身に問いかけていただくことです。
まずは、このふたつの行動を習慣化することから始まります。

次に、「科学的に考える」とは、どういうことかを知っていただきます。
これは何も、あなたに「科学を勉強しろ」と言っているのではありません。
重ねて申し上げますが、科学や医学の知識を身につける必要などないのです。
ただ、「あっ、そういうふうに考えればいいわけね」ということに気づいていただければ、それで十分です。
目的は、科学を修得することではなく、「科学的とはどうことかを理解する」ということなのです。


医学を疑うのに、医学部を出ている必要はありません。
必要なのは、正しい思考法だけ。
着眼点ひとつで見抜けるのです。

このメソッドは、私の基礎医学・バイオ技術にかかわる豊富な知識と経験に基づいて構築した独自のノウハウです。
長年にわたって科学データリテラシーを鍛える訓練を積み重ねてきた末に導き出した、非常に理にかなった方法論で、あなたに具体的でシンプルな思考アルゴリズムを提供するものです。

ですが本メソッドも、誰にでもできる「魔法の杖」ではありません。
論理的に考える力は、多少は必要になりますし、ある程度練習していただいて、コツを掴んでいただく必要はあるでしょう。
ですから、論理的に考えることが苦手な方、スピリチュアルな世界観や陰謀論を信じてしまうような方には、本メソッドは向かないと思います。

そうでなければ、それほど心配することはありません。
物事の本質を冷静に見て、筋道立てて考えることができて、このメソッドが示す考え方さえ理解することができる人であれば、文系であっても、理系脳でなくても、嘘の、あるいは誤った健康・医学情報を見抜くスキルが身につけられるでしょう。

そして、このメソッドが最強だと言える理由があります。
それは、この手法の不変の核心部分が「根拠を求める」というところにあるため、広く応用が利くということです。
つまり、このアプローチには普遍性があり、医学分野のみならず疑似科学全般、投資詐欺、ネットのフェイクニュースや陰謀論、さらには様々なビジネスシーンにおいて正しい判断が求められるときにも力を発揮するものなのです。
世の中のあらゆる事柄の本質を見抜く力を身につけさせ、あなたに「一生モノの武器」を授けるでしょう。
本書は、あなたの「健康とお金を守る本」である以上に、「最強の思考戦略の本」なのです。

では次回、健康・医学情報の嘘を見抜くためには、具体的に何をどのように考えればよいのかについて、話を始めてまいります。


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