「Fashion Neurosis」で、カウチに寝そべり1時間話すRMくん③
こんにちは。パクチーです。RMくんのインタビューをフォローする回の3回目です。
「強くある」という状態には、自分の弱さや、「弱い」と言われる部分を認めることが含まれる、というお話の続き。RMくんが自分を「弱すぎる」と言う、自分の弱さに対する厳しさについて。
1回目、2回目はこちら。
元動画はこちら。
ー でも、それは芸術家であることの証明とも言えるんじゃないかと思うの。以前、ジャコメッティに関する小さな本を読んだことがあるのだけど…。
RM:ええ。
ー 彼は自分の作品に苦悩して…。
RM:そうですね。
ー 常に壊したり。
RM:直したり。
ー そう、もしあなたが…そういうことに耐えられるなら、それは驚嘆に値することだわ。
RM:そうですね…僕は、自分を追い詰める以外の方法が分からない時がある。
ー ええ。
RM:それが圧倒的すぎて、なすがままになって、それでも、そうだとしても、僕はいつか違う人間になりたい。僕はここから逃げたいんです。
ー そうなのね。
RM:いつかね。
ー そう…物事に段階があるのは良いことだし、あなたはまだまだ若い人でありながら、たくさんのことを成し遂げてきた。つまりあなたは、何かを決心すると、それに向かって突き進んでいくような感じなんでしょうね。でしたら、私は、次の作品を楽しみに待ちます。
RM:ありがとう。
息を止めたまま走るような、RMくんの半生を思う。RMくんがにこっと笑う時、本当に嬉しいのか、それとも周囲に見せるために微笑んでるのか、計り知れない部分が「どーん!」とあるんだけど、それでも、どこまでも澄んで、どこまでも愛おしくて、どこまでも無垢な感じがしてしまう。
RMくん自身が語る彼の息苦しさを、当時から一緒に、共に隣で体験することができたら、わたしは一体どんな気分がするだろう。まるで解放される時がないかのような、心地よさや満足感といったものと、彼が永遠に程遠いような、そんな心情になってしまう。が、見方を変えると、「他のすべての条件が、その在り方で彼がいることを可能にしている」。つまり、「許可されている」、と、見ることもできる。ベラさんが言う通りに、彼が成してきた全ては、その彼の在り方で達成されたのだ。彼がスティックする部分、気になる箇所を手のひらに取り出して、突き詰めて突き詰めて突き詰めて、分解して、本質に昇華して、彼はそれ以外を許さない、それからでしか先に進めない。
そして、物事には段階がある。変わっていくこと、それは素晴らしいことなんだと。今、RMくんの現状がそういう状態で、これから先の未来には、また、別の状態でいる時があるかもしれない。だとしたら、ベラさんのような、「それをとなりで見ているね」というアティチュードは、優しく、意味深く、わたしたちがさまざまな年齢の人間をコミュニティに内包して生きることの良き部分、素晴らしさだと思った。ジャコメッティのような気質の人…それはどれだけ本人が自分の性質に苦しんだとて、他人が、本人にも、変えられるような類の質ではないんだよなぁ…。だからその方法で成し遂げたことについて、敬意、驚嘆、そして愛を送る以外、とれる態度は、ないのである。
ー 新しいアルバム「ARIRANG」は、BTSのメンバーたちは、全員が、一見、制服のようでありながら、バリエーションの異なるエレガントさを持ったスーツを着こなしていて、魅惑的でもあるのに、抑制された自信も感じさせました。「抑制している」というのは、今のあなたをよく表していると感じますか?
RM:はい。なんでかと言うと、僕たちは合意を取れなかったんです。それぞれのビジョンや、テイストや、夢が混在していて、たったひとつの明快な、明確な何かに辿り着くことはできない、ということを認めざるを得なかったんです。だからこれは非常に混沌としたアルバムです。僕なんか未だに困惑していると思います。「抑制」…すごく、よく考えました、でもこれは…、そうです…!僕も、よく分かってるわけじゃないんだけど、確かに「抑制」されてるんです。僕らはもっと率直でありたかった、でも失敗したんです。でも、僕たちは、「失敗するだろう」と、分かってもいたんです。「抑制」の在処は、そこらへんからきているんじゃないかな。
ー なるほど。
幾度かベラさんは「ファッション」の話として水を向けるのですが、毎回のごとく「その先」の話から始まるRMくん。本当に!すごいな!ここの、彼の「yeah…I I just don't really know」のRMくんの声は、必聴よッ…!
ベラさんが話題に上げた写真(多分この写真のことで合ってると思う)、「glamarous」で、「confidence」がさりげなく込められていて、「be subtle」であると言っている。

「subtle」は、それ以降の会話の重要なテーマなのに、パクチーが「subtle」の翻訳に非常に苦心しているの、お分かりいただけますでしょうか…。英英辞典だと「(特に変化や差異について)分析や説明が難しいほど繊細または精密な」だそうです。禁欲的な美、均整の取れた美みたいなことを、彼女は、言いたいのだろうか。この写真にある美しさで、一番特徴的な点を言語化するとしたら、格式のある、静かな落ち着きで、全てがコーティングされている部分ではないかとわたしは思いました。そして、それは彼らの内面についてもそうだった、というのがRMくんのお話していたことだと思います。
RMくんは、ひっっっさしぶりに一緒に作品を作るために集まったメンバーが、あまりに感性が異なりすぎて、見解が一致しないことに、結構ショックを受けて、それが未だにショックであり続けているのかな…という気がした。リーダーからしたら、大分由々しきことですからね。それから、メンバー達の率直さは、そのまま全部が作品に反映されることはなかった。それらが、RMくんの中に残っているわだかまりなのかなぁ、という気がします。
個人的にアルバム『ARIRANG』は、RMくんがまだまだ本気のデーモンを出していない、という気がしました。出したかったんだ、本気で出して昇華したかったんだ、しかし、「それは今じゃない」と言って抑制させた力が働いて、彼はそれを尊重した。もしかしたら、最初に彼の書いたリリックは、メンバー達が「ナムジュナ…それじゃARMYのみなさんが、びっくりするよ…」と言わずにおれないような、もっと強烈なショックを与えるものだったのかも。しかしそれが嘘のない本音だとして、そういう曲でツアーを回るのって、パフォーマーの心情としては、きついんだよな。彼はアルバムを魂の作品にしたかったのかもしれない。でも今作はショービジネスのエンターテイメント性も同じくらい必要だから、両者がバッティングする。結果、彼の一部は抑制された。フラストレーションと消化不良。それを、観客から見えないようにコーティングするものとして、文句なく美しい縫製、文句なく美しいファブリックが、適当であったのかもしれない。
でも、パクチーは思う。彼らは諦めてないし、自分たちの率直さを貫くために、闘って、勝ち取ってもいる。【NORMAL】の韓国語ver.は、アルバム『ARIRANG』において、「適正でない」とされた彼らの本音部分だった感がひしひしとした。商業の世界にいて、自分たちはアーティストでいることを手放さない。粘り強く、工夫して、妥協しない。そういう荒っぽい熱、コントロールされてない、美しくコーティングされてない、アラサーの韓国人の男子たちのリアルな情熱が、まるごと生モノのように置かれている感じがした。
そうまでして、やっと、互いに目が合って、対等に通じ合える。
そういう力を信じている。アートの力。
僕たちは、失敗するだろうと分かっていたんです。
この部分は、さらに、「時期尚早だった」という意味でもあるのかなぁ、と、パクチーは思いました。それは分かってたんだと。RMくんは、常人ならざる自分に対する厳しさで、普通の人が10年以上かけて少しずつ言語化していくような痛みを、「1年くらいしかかけてねーんじゃねーの!?」って勢いでしっかり相対化して、デーモンにした。それを作品に召喚したかったのだろうけど、今はまだそれを扱い切れるのはRMくんだけで、他のメンバーは、まだそこまでの準備はできていなかったんではないかなぁ…。…何にも基づかない、個人的な見解ですが…。
RM:こういう、葛藤があったり、動揺しているのが、2026年の今の僕の状態だと思う。明快に率直であれたらどんなにいいか…。でも、いつだってそうはなれないだろうな。
ー 私が、本当にこの写真が、信じられないほど美しいと思ったのは、メンバー達それぞれの過去が、明らかに似通った衣装に身を包んでいてもなお、浮き立ってるように見えるからなの。どの方にも、ちゃんとはっきりとした個性があって輝いている。それは本当に美しいことだわ。つまり…どこにも絶対に確実なことは存在しない。だけど、それは良いことで、そこには進化の可能性があるということではないかしら。まあ、確かに、アイデアが次々湧くような人には、そういうのが少し、「神経がすり減る」と感じられるかもしれないけど。笑
RM:まあね。笑
涙…。
ベラさんがRMくんの話を、別の場所に視点を置くことで、ポジティブな側面に光を当てている。彼女は、話者の気づいていないポジティブな面を、彼女の個性によって見つける、そして伝えるというのを、自分自身の役割にあてがっているんだな…?
メンバーそれぞれが持つ、はっきりとした感性や個々の嗜好。それらが、合意に辿り着けないほど違うことに、RMくんは戸惑った。しかし、何によっても包み隠せない7色7様の美しさが、どれも霞まず、どれも等しい強さで、それぞれ発揮されている、それって、そのあり様は、当事者でないわたし達から見れば、稀有で、貴重で、ただただ美しい…。世界の理想の形だよ。7つが重なるゴールが見えない、それは、今の自分たちにはに思い付かない、もっとレベルが上がった場所に目的地があるのではなくて?予定調和じゃないというのは、あれもこれもやってみたいのに、がっかりすることが多いと、そういう感覚になるものかもしれないけど、今はまだ戸惑うかもしれないけど、あなた達の持つポテンシャルなら、がっかりする必要はまるでないよ、と優しく言いたいベラさんですね。ベラさんは写真からそこまで読み取ったんですね。写真って…写真に写し出せる情報って、本当にすごいよね…。
ー 笑。あなたは並外れた集中力と、精神力を持つ方であるように見えますが、「自制する」ということが、あなたにはどんな意味を持ちますか?いつ「自制すべきだ」と感じ、そのせいであなたが制限を感じることがありますか?
RM:時々、自分に対してストイック過ぎるんだろうなと思う時はあります。絶対怠けちゃダメだとか。落ち着いてる場合じゃないとか。例えばツアーはミュージシャンにとって、ひとつの、最終的な完成形態だと思います。演奏、ダンス、映像、そして最も重要なファンという、すべてが一体となったパッケージになっていますから。僕らは、目と目を合わせ、互いに向かい合って、この聖餐の時間を持つんです。
ー ええ。
RM:でもツアーが始まると──実は、コロナと兵役があったから、ツアーは7年振りで、僕はすっかり忘れてたんですが──
ー ああ…!そうなのね。
RM:しばらく経ったら、ツアーは3ヶ月前に始まったんですが──僕は、ようやっと認識したんです。「おい…無茶苦茶時間があるな…!」って…。笑
ー 笑
RM:でも、ものすごい膨大なエネルギーなしに、コンサートはやり通せない。だからコンサート以外の時間というのは、大概、疲れ果ててます。
ー ええ。
RM:でも、いつも外に出ようと心がけてます。例えば、僕はこうしてロンドンにいて、ヘイワード・ギャラリーへ行こうかな、アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)の展示を見よう、公演で飛び跳ね過ぎて、いつでも常に足は痛いんだけど、歩くだけですごく痛いんだけど、それでも、そういう風に毎回自分を追い込む。
ー そうなのね。
RM:いつまたこの場所に、この展示を見にこれる?今を逃して?
ー ええ。
RM:そういう訳で、僕の「自制」は2つの点にまたがってる。僕はストイックになり過ぎてるかな、いいんだ、大丈夫、落ち着いて、あれから15年も経った、この瞬間をずっと待ってたはずじゃないか、違う、時流はあっという間だ、もっと追い込まなきゃ、いや、緩めるんだ、おい、リラックスするんだよ、頼む…。
ー 笑。
RM:笑。そこで、僕にこう言ってくれた友達がいました。「僕は、君が、もっと限界まで極端に、潜入捜査員的な人生が送れるようになったらいいと思う。ステージにいる時は、完全にポップスターをやり尽くすんだ、完璧に、考えられる最善で。君は、それを楽しめるはずなんだ。でも、こうして素の個人に戻ったら、ありのままでいろ。何を言ってもいい。全部吐き出せ。ふたつに、分けるんだ。だんだん上手にできるようになるから。このふたつを、一緒にしようとするな。君の不安は、そこから来てるんだよ」。このことは、真実僕を救いました。でも、それでもまだ、すごく難しい時があります。笑
ー それは、申し分のない、素晴らしいアドバイスですね。
15年前…。ああ…胸が詰まりますね…。15年前、16歳の彼が受け取った強烈な緊張状態を、今も身体は覚えていて、「緩めたら終わる」という認知がアクティブなんですね。生存と直接リンクして覚えた恐怖だから、必要のないモードにも強く影響してしまうのか。その歪みを意識して解除しようとしているが、簡単じゃない、なぜなら、ある面ではその認知は今も間違ってないから。これって…緩められるのか…?
きっとさまざまな方向から、この15歳のRMくんが持っている緊張を解きほぐすアプローチをしていて、それぞれに少しずつ効果があって、彼の友達の様な存在もいて、今のRMくんがいるのだと思う。
ー あなたが恋愛対象として興味を持っている人が着ている服の中で、特に魅力的だと感じるものはありますか?
RM:うーん、あります。色々考えてみたんですが、僕は、ギャップを感じられるのがいいみたいです。なんというか、もし、すごーく真剣で真面目な一面もありながら、ばかばかしいユーモアも持ち合わせてるような人、そういう人がいたら、僕は惚れてしまうんだろうな。笑。
ー ええ、素敵だわ。
RM:笑。いいですよね。うまく理由は言えないですが、そういう人だったら、僕は長い時間一緒にいても、自分の人生が実に幸福だと思って、実に幸せな時間を過ごすんじゃないかな…どんなことにも楽しめそうでしょ?例えば…政治的な、社会問題についての話もしながら、ベルギービールとドイツビールのどっちが好き?って話もして…僕は韓国製が好きだけど。とか。笑
ー 笑。ええ。
RM:誰かの、そういう強烈な二面性には、僕はすごく弱いんだなと分かりました。
ー なるほど。
RM:二面性だな。
ー もし誰かに好意を抱いていて、その人が着ている服が気に入らなかったら、その魅力は消えてしまうでしょうか?
RM:あはははは!ええと、若い頃は、ファッションがすべてだと思っていたので、そうだったと思います。服は、自分を表現する最高の手段だと。でもリックはすでに「ファッション・ニューロシス」で教えてくれた訳ですが。笑
ー 笑。
RM:笑。教訓がありましたから。それに、僕は年齢を重ねて、どうしたら他者の嗜好を、その人ならではの表現方法を、本当に、真の意味で尊重することができるのか、学びつづけてきたように思います。それが学びに至るまでには何年もかかりましたが、僕は今、自分について、以前よりはいい、まさしくその部分について、僕は自分がそう望んで、そうありたい、なりたかった自分に近づいていると言えると思います。
ー ええ。
RM:ファッションとは、服のことですね。これは重要な点ですが、僕たちはつい習慣的に、人を服装や見た目でジャッジする。
ー そうね。
RM:誰も簡単には判断されたくはない。笑
リックの楽しい教訓については、①で既出です。
好みのタイプについてお話しするRMくん…いいですね…元気が出ますね…!完全同意です!ギャップ萌えな!すごくすごーく真面目にもなれる。それは自分の人生に対して真剣になれるということですよね。でも、ユーモアも大事。ユーモアは、楽観的な視点でもある。物事をパースペクティブに俯瞰している、知性と余裕の表れですよね。くッ…レベルたっかいな…。
でも、そうであったら「どんなことでも楽しそうだ(full of contents)」、いつでも満ち足りる、濃密で充実する…それ、とても分かります。
わたしの両親は、病気の自分の子供のために力を合わせられなかったので、わたしは、自分が子供を持つことや結婚することに、夢や希望がなかったんです。でもある日、初対面の男性に対して、「もし病気の子供が生まれても、一緒に楽しく過ごすために力を合わせられそうな気がする」と、根拠なく思った。翌日、本人にそう伝えましたしね…。その男性とはわたしの旦那くんですが…。TMIですね…。
どこまでも真面目だし、同時にばかばかしいユーモアもあり…。
あれ?
彼の周りのメンバーは、皆、そういう人では…?
あのレベルの女子…?
そりゃ最高で幸せでしょう…!
ー あなたのアルバム「ARIRANG」には、「NORMAL」という曲がありますよね。
RM:はい。
ー あなたの日常から正常性が失われそうな時、あなたには、自分にそれを取り戻せるような儀式みたいのあるのかしら?あなたの動画の中で、あなたのベッドのそばにアートが配置してあったのを見て、それはあなたが自分の軸を取り戻すために必要とする方法のひとつなのかな、と思ったんです。
RM:スイッチを切る?
ー 笑。ええ。
RM:言葉は、言語表現とは…たったひとつの言葉で、世界をまるごと定義できてしまう時があるでしょう。僕は「正常」という言葉に強迫観念を持ってる。
ー ええ。
RM:そこから逃れるために一番いいのは、「お前は正常でいなければならない」「皆んなと同じようにすべきだ」という考えを、捨てる。──僕の人生は、ある意味、奇異なものだから。
ー ええ。
RM:「僕も普通でいたい」「僕だって皆んなと変わらないのに」という意識に囚われてしまうと、実際、強く執着してるんだけど、そうである時こそ、僕から逃れていくようだから。
ー そうなのね。
RM:だからもう、「何が普通が考えるのをやめよう」と。笑。
ー 笑。それはいいわね。
RM:そこから離れよう、単純に「自分を休ませような〜」「もうオフの時間だよ〜」「もう意識するな〜」って。
素晴らしいねッ…(´;ω;`)ブワッ
ベラさんが言っている、ベッドと絵画の動画はこれかなぁ…と思ったんですが。
「自分はこの環境の被害者だ」とか、「どうしてこうなってしまったんだろう」とか、自分の置かれている状況や周囲に目を向けるんじゃなくて、自分の五感の方にフォーカスするということですね。なぜかというと、自分が自分の責任において、完全に変化を与えられる権限の範囲は、自分の五感と身体に限られているからです…!それだって付随筋とか、勝手に動いてくれている範囲が多大なんだけどな…!さらに小難しいことを言うと、周囲の現象は、脳の世界のリフレクションなので、リフレクションの方を変えようとしても世界は変えられない。周囲の環境や、他人は変えられない。変えられるのは自分の脳内の世界だけだ。そして、自分の脳内の世界が変わると、それに伴って環境は変化する。
楽曲【NORMAL】を聴くと、「人とは違う、特殊なスタイルの人生を、これはこれで僕たちならではのノーマルと名付けよう」という、結構前向きな意思を感じたんでけど、【NORMAL】韓国語ver.は、「これがずっと続いていく日常…まじでクソだ…」という、「健全な恒常性」に対して、「もう、それは手に入らないので、諦めました」という手放した感情を感じる。それって、このインタビューでRMくんが話している心情と共通しているんだな、と、改めて思った。改めて、こっちの方こそ、彼らの心情のリアルだった。絵に描いた餅。もういいよ、その掛け軸仕舞ってよ。目の前のクラッカー食べてお布団敷いて寝るよ。掛け軸があってもなくても、やることは変わらないのだ。そして、執着を手放すことを受け入れた時、そこから新しく始まるものがあるんだよね。他人に対する見方が変わる。他人の言葉の受け入れ方が変わる。他人との関係が変わる。人付き合いの種類が変わる。関わる人が変わってくる。素敵な出会いもあるかもしれない。
ー これは本当に素晴らしいアルバムで、私はそれにどっぷり浸かっていて、楽しんでいて…。
RM:ありがとう。
ー あなたのこれまでの経緯はとても厳しいものだったと思うけど、音楽には、楽観的で、奇想天外な自由が織り込まれていた。私は「Hooligan」が好きで、メロディーの艶かしい部分と、金属的なサウンドがあって。
RM:ええ。
ー 古代の剣がぶつかり合うみたいな音がしましたよね。全部の要素を持ち込んで、渾然一体にする…私が言いたいのはつまり、それって答えようのない質問だと分かってはいますが、あなた自身の中に、そういう美しい現象が起こっているから、だからこんなにも力強く、確実に、まっすぐ心に届く効果があるのかしら、どうやっているの?
RM:僕たちには大変多くの友人やパートナーがいて、彼らは僕たちを、大いに助けてくれました。アルバム制作は3、4ヶ月かけてセッションを行い、ロサンゼルスに滞在して、僕らは幸運なことに、素晴らしいミュージシャンやアーティストと仕事をする機会に恵まれ、彼らは僕たちの持っていた世界を広げてくれました。
ー ええ。
RM:「Hooligan」は僕のお気に入りの一つです。
ー そうなのね。本当に大好き。
RM:これはエル・グインチョ(El Guincho)がプロデュースした曲で、彼はロザリアの楽曲を数多く手掛けています。
ー まあ、すごい。
RM:彼は本当にものすごく、人並外れた、特別なサウンドメイカーです。
ー ええ。
RM:あの不思議な、これまで聞いたこともないような音は、全部彼が、セッションのために持ち込んだんです。
ー そうなの。
RM:それから…メンバーのジョンググとj-hopeがメインメロディーを、疑う余地のない、最高のものを作ってくれて…「Hooligan」という言葉も思いついてくれた。
ー 笑
RM:クレジットを見てもらうとお分かりの通り、僕がこのアルバムで貢献している部分は、ごくわずかです。チームそれ自体の規模が、かつてないほど大きくなっているし、他のメンバーもそれぞれソロキャリアによって、非常に成長しましたから、頼もしい彼らに任せたんです。僕は本当に幸運で恵まれた人間だということを、このアルバムの制作の過程を通して、僕はますます理解しました。僕は、これまでよりもう少し良く変わっていった部分を、次に新しいソロアルバムを出す中でお見せすることができればいいなと思っています。相互に関係がある、それは美しいことなんじゃないかなと僕は思います。
ー ああ、「ファッション・ニューロシス」に出演して下さって、本当にどうもありがとう、RM。あなたのお話を聞くのがとても楽しかったですし、あなたのお話にはどれも共感しました。
RM:すごく光栄です。僕は最初の韓国人ではないですか?
ー 私こそ、本当に光栄です。あなたは、音楽に魔法のようなものを込めているわね、あなたが意図した人に効くようにって…それが、こんなにも広大に、幅広い世代間に届くなら、それは間違いなく絶大な才能であるし、あなたに大変なリーダーの才能があることの明らかな証明であると思うの。本当にどうもありがとう。
RM:どうもありがとう。僕はポッドキャストをやってみたいといつも思ってたから、これが最初になりましたね。
ー まあ、本当。
RM:ええ。僕はこれまで、雑誌やビデオや音楽コンテンツなど、何千ものインタビューを受けてきましたが、こうやって自宅にお邪魔して、ベラさんの様な素晴らしい方とお話しするのは、これまでの中でも、もっとも深く心に残るような、率直にいられるような、幸せな体験でした。
ー RM:どうもありがとう。
ー それはとても大きな意味があります。
率直さ、かなり正直だ!と思われる箇所がいくつもありましたね。どきどきしました。でも、彼も覚悟を持って、意図してそうあろうとしてたのだし、それをよりサポートしてくれる、歓迎してくれる環境を、ベラさんが体現してくれていたのでしょう。彼女が洗練させて持っているムードと、素晴らしい室内空間が光るコンテンツでしたね。我らのリーダーが素敵な言葉で褒められている…。全く賛同です。魔法、あんれだけの、マジックが、音楽に込められている、実際に人生を変えたファンが世界中にどれだけいるか、それを才能と言わずしてなんと言う。
また、【Hooligan】の楽曲に対する彼女が持っている言語…わたしもnoteで聴いた音楽を言語化するという、同じことをやっているのでありながら、まったく同じことになり得ない、なんとも遠い頂き…。
ベラさんは、【Hooligan】の一曲が持っている多彩な要素は、RMくん個人の内なる世界の反映か、ということを聞きたかった。そしてRMくんは、そこに関してはそうじゃない、でもそういうことは、自分のソロアルバムでできたらいいな、とポジティブに答えた。…と。わたしは時間をかけて、一文一文こつこつと調べて、ようやっと「そ、そういう意味か…」と分かるのに、なんで彼らはこんなペースでぽんぽん会話が成立するの?あ、頭が、いいから、なの…?…?わたしなら、日本語で訊かれても、訊かれている意図が分からないのと、何を答えれば質問の意図に沿うのか、真っ白になってまったく思い浮かばない自信が、ある!オンタイムで展開する会話の質と、レベルが、すごいな。なんか、こんなレベルのインタビュー会話、およそ聞いたことないんだけども。「一晩くれ、そしたら答えられるかどうか、お返事します」。それがわたしの回転速度だよ。
というわけで。
②の方で、リーダーというのが、たとえ億劫でも、皆んなのために窓を閉める役割の人、って表現してました。それで、「それに、自分以外の人がやるのも何かヤダ」って言う言い方が、なんか、ほんわ…、として、嬉しかったんですが。
考えてみると、彼が皆んなのためにリーダー役を、たとえ重荷や億劫なシュチュエーションでも奮い立たせることが出来るのと同様に、彼は彼で、相当な分量をメンバー達にそばにいてもらうおかげで、なんとか立ち回れている部分も、あったかもしれないな…と、かっこいいRMくんに感心しながら、思い出してきた。
わたしの好きなLiveで、39分とかそこらにRMくんの話が出てくるんですが。ジミンくんに向かって、「ナムジュナを見てると、神は公平なんだってたまに感じる…」と小さい声で言うジンくん。極端に突出している部分もあれば、メンバー達だけしか知らないRMくんの顔もあって、そこではメンバー達の役割は、彼になくてはならないものかもしれない。役職は違うけど、持ちつ持たれつというか。
RMくん、彼にも極端にできないことがあって、それって本当に良かったんじゃないかと今は思う、常にメンバーの助けが必要なパーソナリティーでいることが、彼を孤独でいさせなかった。RMくんが誰とも代われないリーダーの重荷を背負ってくれているのと同じくらいに、メンバーの誰もが、RMくんに対して、代われないサポート役を引き受けているのかもしれないし、きっと、メンバー達の誰もが、そういう自負心を持っているんじゃないかなって、そんな気持ちにもなるし。
それぞれがソロで成長して、それは今後ますます、互いの宇宙を際立たせていくのかもしれない。でもメンバー達に独自の世界があって、その中にそれぞれ自分の魂を自由に開放できることが分かっていたら、RMくんも、彼がメンバー達と重ならない部分を、自分のソロ作品の中で展開させることに、何の引け目も躊躇いも感じる必要がないではないか、と思って、それは間接的に、結果、彼を「緩める」かもしれないな、と思いました。
彼の『ARIRANG』で感じた苦悩、
それは「世界」なんですよ。
…と、ベラさんの賞賛で分かりました。
「列強・アメリカ」で通用する、ピラミッド型のヒエラルキーで構築されている限り、世界は簡単だった、優先順位が明らかで、万民にそれが共有されていたから。だけど、「どの人種も、どの民族も、どの文化も、どの国も、等しく尊い、価値の重さに違いはない」と言って、それは美しいんだけれども、じゃあ皆んなが違うこと言ったら、違う価値観だったら、それが並列に存在して、互いに損なわれず、皆んな満足できる共存状態…って、それって、一体どういう状態なんだ?
という疑問なんです。そういう混乱状態です。と、わたしは思いました。混乱して然るべきだね!人類の新しい状態、新しいシークエンスなんじゃないですか!?
でも、彼らの一番すごいところは、言葉だけ先にあるんじゃなくて、その彼らの実際の生身の体で体現して、思想と人生を一致させることを、かた時も諦めずに生きている点である。だからまっすぐ、ダイレクトに心臓にぶち刺さるんだ…ベラさん…。
それでは、また!!
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