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知識ゼロからのAI開発を、noteでどう「コンテンツ化」しようとしたか(始めてから10日間の編集後記)

noteを始めて10日あまりが経ちました。
この間、「バイブコーディング」でいくつかのアプリを開発した過程を記事にしました。

単に「AIでアプリを作りました」という成果報告であれば、GitHubにコードを公開すればいい。しかし、あえてnoteというテキストメディアを選んだのには意図がありました。

開発と並行して何を考え、読者の皆さんに何を伝えようとしたのか。振り返ってみようと思います。

「完成品」ではなく「プロセス」を売るためのドキュメンタリー

noteでの始めての連載で取り上げたのは「高機能音声入力アプリ」の開発ログでした。

ここで意識したのは、技術的な正解を示すことではありません。あくまで「素人がAIとどう対話し、どこで躓き、どう乗り越えたか」をリアリティをもって見せることでした。

「月額1,000円の既存ツールが高い」という、多くの人に共感してもらえそうな動機からスタートし、エラーに頭を抱える様子も隠さず描写する。

そうすることで、私と同じく非エンジニアの読者の皆さんに「すごい技術の話」ではなく、「自分ごとの話」として捉えてもらいたいという狙いがありました。「コードが書けなくても、日本語で対話ができれば、自分だけのツールが作れるかもしれない」。心理的なハードルを下げることを最優先しました。実際にこのところのAIの進化で、ハードルがすごく下がっているのは紛れもない事実です。

「浮かれた素人」と思われないための楔(くさび)を打つ

バイブコーディングは本当に魔法かと思えるほど楽しく、ついその熱量だけで突っ走ってしまいがちです。しかし、それをそのまま発信することには危うさも感じていました。実際にAPIキーの入力を求められると、大丈夫なのかと身構えてしまうものです。

そこで、アプリ開発の記事と並行して、あえて早めに「セキュリティリスク」に関する地味な記事を投下しました。生成AI界隈にありがちなハイプ(過度な期待)から一歩引き、「リスクを理解した上で遊んでいる」というスタンスを明確に示すためです。

また、元記者として、そしてビジネスパーソンとして、楽しい側面だけでなく、守るべき最低限のガイドラインを提示する責任があると感じた、というのもこの記事を書いた理由の一つです。

技術を「個人的な物語」に変換する

次に記事化した「画面記憶アプリ」は、技術的に見れば既存のスクショ機能とOCRを組み合わせたに過ぎません。しかし、これを単なる機能紹介にはしませんでした。

「忘れっぽい自分の記憶を、AIで補完する」という、個人的な悩みを解決するストーリーとして落とし込みました。便利なツールとしてではなく、「自分の弱点を補うパートナー」としてAIを描くことで、同じようなマルチタスクの限界を感じている読者の皆さんに共感していただけるのではないかと思いました。

また、プライバシー保護機能をどう実装したかという「人間側の判断」を強調することで、技術に使われるのではなく、主体的に使いこなす姿勢を示そうと試みました。

息抜きの「ノイズ」が信頼を作る?

AIやテック一辺倒の記事が続くと、どうしてもアカウントのトーンがドライになり、人間味が薄れてしまいます。

そこで、合間に「今年買ってよかったガジェット」や「金魚・イモリの飼育」といった、AIとは無関係な趣味の記事を意図的に混ぜ込みました。

AIツールを作りながら、一方で金魚のフンを掃除して、水換えもしている…ややアンバランスな「生活感(ゆらぎ)」を見せることで、「AI情報ボットのようなアカウント」ではなく、等身大の人間として親近感を持ってもらいたい。そんな意図を込めた「ノイズ」の配置でした。

編集者としてのバイブコーディング

この10日間で痛感したのは、「AIはコードや文章を書けるが、納得感のある物語(ナラティブ)を作り込むことは(まだ)できない」ということです。

何を作るか、なぜ作るか、そこにどんな物語を見出し、誰に届けるか。

バイブコーディングにおける「口を出す(プロンプト)」という行為は、新聞社のデスクが記者に指示を出し、記事の方向性を決めていく作業に似ています。

今後も、あくまで「文系編集者」の視点で、AIというツールを使って何を作って、何を表現し、読者の皆さんにどんな「気づき」をご提供できるか、試行錯誤していこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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