基礎疾患なし・10代の死因、「播種性血管内凝固症候群(DIC)」への疑問
「さいたま市で、新型コロナに感染していた10代の男子学生が死亡」、という報道がありました。このニュースに心を痛めた方も多いと思います。死因とされる「播種性血管内凝固症候群」とは、どのような症状なのでしょうか。
TBS NEWS「さいたま市 コロナ感染の10代学生が死亡」
TBS NEWSのサイトから、記事を引用します。
さいたま市 コロナ感染の10代学生が死亡
TBS NEWS 2022年2月16日 20時08分
さいたま市は、新型コロナに感染していた10代の男子学生が死亡したと発表しました。埼玉県内で10代の新型コロナ感染者が死亡したのは初めてです。
さいたま市によりますと、今月9日に死亡したのは市内に住む10代の男子学生で、基礎疾患はなかったということです。死因は新型コロナ感染症に伴う、血栓ができ、体内に出血を引き起こす播種性血管内凝固症候群で、新型コロナ以外の合併症の可能性も考えられるということです。
男子学生は今月2日に発熱し、3日に医療機関を受診したところ新型コロナの陽性が判明し、自宅療養していました。男子学生は、40度を超える発熱が続き、今月7日に意識がなくなるなど容態が急変したことから、市外の医療機関に入院していました。男子学生は去年10月、ワクチンを2回接種していたということです。
新型コロナ感染による死亡は、厳密な死因を問わない
「新型コロナ感染による死亡」のニュースを見たり、聞いたりしたときには、「厳密な死因を問わない」ということを知っておく必要があると思います。すでにご存じの方は、ここは読み飛ばしてください。
厚労省は各都道府県等に宛てた事務連絡(2020年6月18日付)に、新型コロナウイルス感染症患者が死亡した場合、どのような状況のときに厚労省に報告すべきか、下記のように回答しています。

(答)
○ 新型コロナウイルス感染症を原死因とした死亡数については、人口動態調
査の「死亡票」を集計して死因別の死亡数を把握することになりますが、死因選択や精査に一定の時間がかかります。
○ 厚生労働省としては、可能な範囲で速やかに死亡者数を把握する観点から、感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、亡くなった方を集計して公表する取扱いとしています。
○ したがって、事務連絡中の「新型コロナウイルス感染症患者が死亡したとき」については、厳密な死因を問いません。新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については、都道府県等において公表するとともに、厚生労働省への報告を行うようお願いいたします。
厳密な死因を問わず、新型コロナウイルス感染症の陽性者で、入院中や療養中に亡くなった方を「新型コロナ感染による死亡」として報告するようにお願いしています。これを速報値として集め、後から修正するようですが、いつ修正するのかはわかりません。

以前、事故死した10代が感染者の死亡として報告され、「10代感染者の死亡を確認 死因は“事故”」というおかしなタイトルのニュースもありました(下記参照)。
例えば、交通事故で病院に運ばれて亡くなった人が、PCR検査で陽性だったら、コロナの感染者が死亡したと報告されるということです。ですから、毎日テレビで報告されている死亡者数の中には、そのような事例が含まれている可能性があります。
播種性血管内凝固症候群とは
前述の記事では、死因は「播種性血管内凝固症候群」とされています。
死因は新型コロナ感染症に伴う、血栓ができ、体内に出血を引き起こす播種性血管内凝固症候群で、新型コロナ以外の合併症の可能性も考えられるということです。
「新型コロナ以外の合併症の可能性もある」と書かれていますが、播種性血管内凝固症候群は、どのような症状なのでしょうか。調べていたら、厚労省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル」(血液)にありました。

「がんや重症の感染症をきっかけに生じることが多いのですが、お薬によって生じることがあります」と書かれています。
マニュアルには、症状についても詳しく書かれています。
1.播種性血管内凝固(はしゅせ いけっかんないぎょうこ)とは?
播種性血管内凝固(DIC)は、体内のいたるところで血が固まり(血栓)、同時に血が止まらなくなる(出血)状態です。血栓は体中にばらまかれ、全身に生じます。血栓により血のめぐりが遮断され血管が詰まることにより、脳、肺、肝臓、腎臓など重要な臓器がダメージを受けます。そのため意識障害、呼吸困難、黄疸、尿量減少などの症状が出現します。
そして、本来血を固め止血するための要素(血小板や凝固因子というたんぱく質)が血栓をつくることに使用され減少することと、血栓を溶かす作用が生じることにより血を止めることができなくなります。つまり血栓ができると同時に出血しやすくなり、皮膚のあざや点状出血、鼻血、口の中や歯ぐきの出血、脳出血、吐血、喀血などが生じます。血栓、出血いずれの症状も重篤であり、ときに命を脅かします。
ただし、DIC はがん、白血病、重症の感染症など非常に重い病気の患者さんで、状態が悪くなるとともに発症します。ですので DIC の発症は通常の医薬品による副作用の発症とは異なります。
ワクチン接種後の副反応疑い報告を見ていると、よく出てくる症状が書かれていますが、「通常の医薬品による副作用の発症とは異なる」と書かれているので関係ないのでしょうか。
一方で、医療関係者向きのマニュアルには、下記のようにも書かれています。
(2)好発時期
医薬品による DIC の場合、医薬品の直接的な作用による DIC 発症の他に、DIC の基礎疾患となり得る病態を発生(肝機能障害など)、または修飾(急性白血病患者の腫瘍崩壊症候群や重症感染症など)することによる発症がある。
ワクチン接種によって、DIC の基礎疾患となり得る病態が発生した可能性はないのでしょうか。肝機能障害などは、副反応疑いの報告に多数あります。
前述の記事には、「男子学生は去年10月、ワクチンを2回接種していた」と書かれています。播種性血管内凝固症候群とワクチン接種の関係は、何らかの形で調べられたのでしょうか。
ADEの可能性
もう1点、多くの方が指摘していますが、私もADE(抗体依存性感染増強)の可能性が気になりました。厚労省HPのQ&Aには、下記のように書かれています。

「本当ですか?」と質問しているのに、「いいえ、そのようなことはありません」とは答えていません。この回答もYes、Noで答えずに、答えをずらしていくやり方です(下記参照)。
Q&Aの続きとして、ADEについては下記のように説明しています。
抗体依存性感染増強(ADE)とは、ウイルスの感染やワクチンの接種によって体内にできた抗体が、ウイルスの感染や症状をむしろ促進してしまうという現象です。これまで新型コロナワクチンを接種した方で、ADEが起こり重症化してしまったという報告は、臨床試験でも実用化後でも、現時点において確認されていません。
この「現時点において」というのが、いつの時点なのか書かれていません。さらに、「ADEが起こり重症化してしまったという報告」を確認していないというだけで、「ADEが起きないことを確認した」とは書いていません。
ファイザー社製ワクチンの特例承認に係る報告書では、「疾患増強リスク」として書かれています。

承認申請の報告書(2021年2月8日付)で「SARS-CoV-2 ワクチン接種による疾患増強リスクの有無は現時点で不明である」と書かれています。「不明」ということは、起きないことを確認したわけではありません。

さらに、臨床試験では「COVID-19 に罹患した患者が少なかった」ことと、疾患増強リスクの評価については長期の観察が必要なのに、「現時点で得られている情報は治験薬 2 回目接種後 1~3 カ月までのデータが中心」だったことが書かれています。つまり、評価に必要なデータが十分でなかったと読み取れます。そして、この時点でオミクロン株は登場していないはずなので、オミクロン株での影響を確認することもできないでしょう。
結論として、「本剤による疾患増強リスクを評価することは困難である」と言っています。
臨床試験の結果からは評価が困難だったのだから、ADEの可能性は否定できないはずです。
本剤のヒトでの疾患増強リスクについては、製造販売後に引き続き海外の情報を含めて情報収集し、新たな知見が得られた場合には速やかに情報提供を行うことが適切と考える。
「新たな知見が得られた場合には速やかに情報提供を行うことが適切と考える」と言っていますが、情報提供は行われているのでしょうか。提供された情報は、医師たちに共有されているのでしょうか。3回目の接種や5歳から11歳への接種を検討している人たちにとっても、必要な情報だと思います。
厚労省のQ&Aは、現時点がいつなのか明記し、ADEに関する最新の情報を公開するべきではないでしょうか。
