アメリカ10日目:Steady Co.訪問記
アメリカ10日目:Steady Co.
2025年10月10日。オクラホマ州7日目。昨晩はCity Cyclesとの楽しいグループライドとご飯を満喫し、そのままTulsaで一泊しました。今日はStillwaterへ戻ります。オクラホマ州に来てまだ7日しか経っていませんが、もうStillwaterに自分の家があるような感覚になってきました。TulsaからStillwaterまでは車で約1時間。朝ごはんはTulsaで食べることにして、昨日に引き続きElaineおすすめのPONY COFFEEへ向かいます。
PONY COFFEEという場所
PONY COFFEEはTulsaダウンタウン、South Main Streetにある人気のコーヒースポットで、地元の人にも旅行者にも愛されている“穴場的存在”のカフェ。かつて自転車屋さんだった建物を活かしたリノベーションで、ゆったりとした席の配置、屋外パティオ、2階スペースまであり、コーヒーを飲むだけでなく滞在そのものを楽しめる空間です。待ち合わせをしている人、勉強している人、それぞれが自分のペースで過ごしていて、強いコミュニティ感があります。ヴィンテージ感のある内装に、自転車パーツなどのオブジェがさりげなく置かれていて、独特で居心地の良い“家っぽさ”も印象的。朝早めに行ったにもかかわらず、隣接するパーキングはすぐにいっぱいになるほどの人気ぶりでした。コーヒーもパンもとても美味しく、Tulsaローカルを少し味わえた時間でした。

再びCity Cycles、そしてStillwaterへ
Stillwaterに戻る前に、もう一度City Cyclesへ。お店の人との写真を撮り忘れてしまったので、そのためだけに立ち寄ります。その後Stillwaterへ戻り、同じモーテルにチェックイン。このモーテルについては、また改めて書こうと思います。

Steady Co.のBryanと会う夜
今日はBurrito Houseで取り扱いのあるSteady Co.のオーナー、Bryanと夕飯を食べる約束があります。今回オクラホマを最初の目的地にした理由のひとつが、彼と会うことでした。最初はその予定しかなかったのに、そこから少しずつ予定が増えて、今では毎日誰かしらと会っています。ありがたいことです。待ち合わせ場所は、すでにお馴染みのDISTRICT BICYCLES。以前のブログにも書きましたが、DISTRICT BICYCLESがディレクションしているThe Mid Southのアートワークを手がけているのがBryanです。彼はSteady Co.というハンドメイドバッグブランドを運営しながら、フリーランスのブランドデザイナーとしても活動しています。

ローカル解釈の“World Champs”
彼が最近手がけたデザインのひとつが、NBAオクラホマシティ・サンダーの優勝記念キャップ。2025年のNBA優勝に合わせて制作されたもので、いわゆる「公式マーチャンダイズ」ではなく、ローカル解釈のチャンピオンキャップです。オクラホマシティのMent Apparelで仕上げられ、ツバ裏はクラシックなグリーン、素材はコットン。大量生産ではなく、短期間・少量のみのプレオーダー。記念品でありながら、「その瞬間の熱」を大切にした作り方です。
ここで少し文化的な話をすると、アメリカには「公式=唯一の正解」という発想があまりないようです。リーグ公式やチーム公式のマーチャンダイズとは別に、「私たちなりの祝福の仕方」「この街のノリで祝う」という余地が、最初から許容されています。特に優勝や大きな出来事の後は、公式発表を待たずにローカルのプリントショップやアーティスト、アパレルブランドが一斉に動き出す。Tシャツ、キャップ、ポスター、ステッカーが、数日から数週間というスピード感で生まれます。重要なのは、それらが「偽物」や「非公式だからダメ」なのではなく、「別のレイヤー」として認識されていること。公式マーチはチームの歴史に刻まれる正史であり、こうした非公式アイテムは、その瞬間に街がどう熱狂していたかの記録。役割が違うだけで、どちらも並立しています。だから「World Champs」という強い言葉を使っても、誰も目くじらを立てない。むしろ「分かってるな」という評価になることすらあります。特にオクラホマシティのような街では、この文化がより顕著に感じられました。
帽子をプレゼントされるということ
印象的だったのは、この帽子が“公式ではない”ことを隠していない点です。どこで作られ、なぜこの仕様なのかをきちんと語っている。コピー品ではなく、「これは私たちの解釈だ」という宣言に近い。そしてこの帽子を、Bryanはプレゼントとして手渡してくれました。「オクラホマに来たなら、これを被らないと」。今までの説明が、この一言にすべて詰まっている気がします。

Empire Slice Houseとタトゥー割引
夕飯はBryanお気に入りのEmpire Slice Houseというピザ屋さんへ。このお店にはとても面白い取り組みがあって、「公式タトゥーデザインを入れると一生ピザが半額になる」というもの。Instagramでその話を知っていた私は、そのことをBryanに伝えました。すると彼も当然知っていて、実はそのタトゥーを入れようと考えているとのこと。Bryanファミリーはこのピザが大好きで、いつも通っているので、入れる価値は十分あるそうです。公式サイトを見るとルールも明確で、認定デザインをダウンロードし、好きなアーティストに彫ってもらい、そのタトゥーと身分証明書などを登録すると、1日あたりホールピザ最大2枚、またはスライス12枚まで半額になるとのこと。デザインもなかなか良くて、正直、オクラホマに住んでいたら私も入れるかもしれません(笑)

会話の余韻とSteady Co.の存在感
Bryanとは、ブランドの話、好きなバッグブランド、今後のことなど、かなりいろいろな話をしました。ピザの後は、別のお店でドリンクを飲みながらさらに続きます。Steady Co.としての活動はいまはスローペースですが、今後また拡大するようであれば、Burrito Houseでもぜひ再度取り扱いたいと思っています。バッグに限らず、何かしらのデザインもBryanにお願いできる関係になれたら、という話もしました。すると彼は、Burrito Houseと取引を始めた頃、「自分だったらこういうロゴにする」というブリトーのスケッチを描いていたと教えてくれました。温かい話です。
そうそう、オクラホマに来てから何度も「なんでオクラホマに来たの?」と聞かれました。それだけ海外からの旅行者、特に日本人は珍しいのかもしれません。そのときに「Steady Co.のBryanに会いに来た」と答えると、みんなすぐ納得する。その反応を見て、Steady Co.がこの土地の自転車カルチャーの中心にいる存在なんだなと、改めて感じました。
明日はオクラホマ最終日。少しのんびりと過ごす予定です。
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