バター湖は実在するのか|ペンネームの地名さがしてWEB旅
私の名前は「バター湖」。
お菓子作りをする際、溶かしすぎた「室温に戻した無塩バター」がガラスのボウルでちょっとした湖みたいになるのが好きで、この名前にした。パッと聞き人名っぽい響きもあり、気に入っている。
ふと「バター湖」という地名が世界に実存しているのだろうかと気になって、好奇心の赴くままにちょっと調べてみることにした。
◆まずはGoogle Maps
調べ学習とはいっても私には大したリサーチスキルなどなく、もっぱらGoogle頼みである。
迷いなくGoogle Mapsアプリを立ち上げ、バター湖を検索する。
バター湖を英語表記するときは”butter lake"。ワールドワイドに、両方から調べていこう。
すると、世界中にバター湖が点在していることが早くも判明した。

バター湖(Butter lake)で調べて出てくるものはいくつかのパターンに分類できる。
・パターン①
湖ではないが地名が「Butterlake」
・パターン②
湖だがスペルは異なる「バターlake」
・パターン③
湖かつスペルが「Butterlake」
パターン①湖ではないが地名が「Butterlake」
まず湖ではなく、地名としての「Butterlake」(ブターラケ)ならドイツに存在していた。そういえば自分がバター湖(Butterlake)を名乗り始めたとき、ややこしい被りが無いかだけサっと調べてブターラケの存在は認知していたことを思い出した。

行ったことないけど、変わらぬブターラケがそこにあり安心。久しぶりだなブターラケ。
Butterlake図書館とかButterlakeショッピングモールとかを期待したものの、小さい町らしくそれらしい建物は登録されていなかった。
湖に囲まれた美しい土地のようだが、いずれもButterlakeという名前ではなさそうだ。

ドイツのWikipediaによるとこう書かれている。
Butter Laake
バターラーケ集落の北東に位置する湿地帯です。バターラーケは、同名の町名を持つ、歴史的には氷河の融水路の一部です。(中略)バターラーケの地域は農業に広く利用されている。(中略)バターラーケの湿原土壌は豊作であることで知られている。
翻訳サイトによりブターラケ・バターラーク・バターラーケが表記揺れしている。実際の発音はどちらに近いのだろうと調べたところ、ドイツ語の単語ひとつひとつの正しい発音を収録したYoutubeチャンネルが見つかっておもしろかった。
それぞれバラバラに聞いた感じだと「ブター」「ラーク」が一番近い音に聞こえた。たしかに、「ブ」は「バ」寄り、「ク」は「ケ」寄りの発音だ。ドイツに行ったとしたら、私はペンネームでの自己紹介だけやたらと発音が良い日本人となるのだろうか。
また、氷河の融水路ってのが馴染みなくて、日本には氷河無いからかな?と思ってたら全然日本にもあった。ミツカンが機関紙『水の文化』なるものを出していて、氷河にまつわる号の関連記事がおもしろかったのでこれも貼る。
パターン②湖だがスペルは異なる「バターlake」
さて、お次は本当に湖の名前だが、綴りが"Butter"でないパターン。
カナダのサスカチュワンに位置するバター湖の綴りは”Batter Lake”だ。

周辺地域は湖だらけ。

調べるとサスカチュワン州は"Land of 100,000 Lakes"と形容されるくらい多数の湖が存在しているらしい(そもそもカナダには200万の湖があるとのこと)。それだけ湖があればひとつやふたつくらい「バター湖」があっても不自然ではないなと思うなどした。※この見出しで取り上げてるのは"Batter Lake"だけど、カナダにはほかの場所にも"Butter Lake"があった。
カナダに湖が多いことの理由は複数あるけど、氷河の影響で土地が削れたり溶けた水が溜まったりして湖になるらしい。湖のことを全然知らなかったが「氷河の融水路」の次は「氷河湖」という言葉を覚えた。
氷河湖
氷河湖とは、氷河および氷河作用に関係し形成された湖のことである日本にはU字谷に淡水が入り込んでできた氷河湖の例はない(氷河によって運ばれた岩石(モレーン)によってせき止められた湖としては豊似湖がある)が、ヨーロッパやアメリカ大陸などには氷河湖が多く存在し、アメリカ大陸の五大湖も全て氷河湖である。
検索履歴がこども科学電話相談っぽくなってきたな。

パターン③湖かつスペルが「Butterlake」
最後は「湖」かつスペルも同じの「Butterlake」。
見つけられる限りでは、カナダのオンタリオ州とアメリカのコロラド州にあった。



なんとアメリカのバター湖は、「スコー山」と「ヤフー山」と「ビーバー山」に囲まれている。……いいね!なんかうらやましい。
バター湖は特に観光地化していない湖が多いからか、同名のマップ地点があっても口コミや情報が基本ない。しかし、このアメリカコロラドのバター湖には口コミが1件ついていた。

どれどれ、どんな内容だろう。

わ〜ごめん。特に不法侵入したわけではないけど口コミをのぞいてごめんという気持ちになった。私有地なのね。
遠く離れた土地に住む人が、周辺の口コミを複数書いてるのを見てその土地での暮らしに想いを馳せるのは結構楽しかったりする。
そんなわけで世界中のさまざまな「バター湖」が存在していることがわかった。"butter"という綴りの関係上、同じゲルマン語派のドイツ・北米に分布するのは分かるとして、なぜ"Butter lake"という名称になるのだろう。由来を知りたくなった。
◆あとはAIと三人四脚
今度はAIの出番だ。私は普段Chat GPTに課金して仕事やプライベートでAIの人格を分けて設計しており、一般論を聞いたり横断した調べ物のソースを出してもらったりしている。
外国語のWEBサイトまで調べるのってなかなか難しいから、正しいかちゃんと最終判断するのは必要として、見当をつけてもらえるだけでも助かる。
ちょうどこの記事を書いていたら、Google Gemini主催の投稿コンテスト「#AIと自由研究」が始まったため、普段Chat GPTを使用しているところ今回はGeminiも活用して調べてみることにした。
「バター湖」地名の由来
課金のChat GPTと無課金のGemini、どちらも同じ質問を投げかけてみた。

どちらもDeep Reserch的な機能を使って調べてもらったのだが、まとめ方や持って行き方は違えど結論は似た感じになった。Geminiに関しては歴史背景なども含めて10000字ものレポートを出してくれているため、一生懸命要約してみる。
結論、直接的に”Butter Lake”の地名の由来は文献として見つからなかった。イングランド北部の"Buttermere"という地名の由来が文献として残されているので代わりにそこから、”Butter”という言葉が含まれる土地は、バターを作るのに適した肥沃な牧草地であった可能性が高いということが推測される。
スペル違いの”バターLake”に関しての由来は文献が残っているもの・残ってないものがあるが、その土地に関連した人名説が強いらしい。"Butter"がつく人名というのも、そもそもが酪農家や農家など職業に由来するものが多いのだとか。

参照したサイトを読むと肥沃な土地でバター作りに適した牧草地、という記述にしっくり来る一方で、冷涼で土地が痩せてる酪農を行うという記述も多くあり、「どっち?どっちも!?」という気持ちにはなった。時代とか気候とかで一概に言えるものじゃないのかもしれない。
日本のバター湖的な地名
主にヨーロッパや北アメリカにおいて、“Butter Lake"が酪農・農業向きの土地やその近辺の湖に名付けられる傾向(可能性)にあるとして、日本でもバター湖に相応する地名はあるのだろうかとこれも調べてみた。
今回はGeminiちゃんにソロで調べてもらう。さっき初めて使ったとき、必要以上の要約で端折られることが少なく、調べ物に向いているなと感じた。
これも結論、直接的にバターがつく伝統的な日本の地名はない(そりゃそうかも)。乳製品が古くから暮らしに根付いていたヨーロッパに対して、日本では近代に至るまで一般の人々にとって一般的な食料品や広範な農業生産物ではなかったためだ。
ただ、“バター”がつく土地が酪農・農業などの土地利用関連から名付けられる地名という前提で日本において同等の役割を持つ地名を探るならば、主に馬や役牛にまつわる畜産関連の土地利用を反映する「牧場」を指す「牧」や「場」がつく地名が近いのではないかとのこと(牧之原や駒場など)
なるほどな〜〜牧かあ、たしかに近いニュアンスはあるのかも。あと、アメリカだと職業名が名字によくなってると言うよね(鍛冶屋:Smith、パン屋:Bakeなど)。日本にもっと早い段階でバターが浸透してたら違った部分もあったかも。日本風に“牧湖”とか”バタ屋”とかで名乗ろうかな。
さいごに
軽い気持ちでGoogle Mapsでペンネームと同じ土地を探すところから始まったこのWEB旅も、最後は日本に帰ってくることができた。
小さなガラスボウルの中で誕生したバター湖も、氷河とその融水が作りだした肥沃な大地にルーツを感じ、想いを馳せたことだろう。
この記事を書いていて思ったことは、「AIを使って調べること」と「AIで調べたことを記事にすること」の間には大きな隔たりがあるということだ。自分の頭の中で情報を繋げてなんとなく知った気になっても、実際書いてみると記載の情報だけで言い切れることは少なかったりする。
それらの情報を整理し、理解を深めることは「大人の自由研究」ともいえる豊かで楽しい時間だった。
この記事を読んでくださった方、「ペンネームと同じ地名が実在してるかどうか」という究極に自分ごと(他人事)の記事を読んでくれてありがとう。夏休みはぜひ好きな言葉が使われた土地をGeminiで調べてみてはいかがでしょう。
おすすめ記事
