⏳コスパは、あとから変わることもある
最近、若い社会人と話していて、
「コスパ」という言葉を何度も聞いた。
コスパのいい仕事がしたい。
彼らの話を聞いていると、
不満や愚痴が次々と出てきた。
話をまとめると、
「そこそこの給料で、
できるだけ無理なく働きたい」
ということだった。
この感覚自体は、
今の時代では自然なものだと思う。
長時間労働や
過度なストレスへの反省もあるし、
頑張っても報われるとは限らない。
会社が人生を守ってくれる保証もない。
そう考えれば、
「できるだけ条件のいい環境を選びたい」
と思うのは無理もない。
実際、自分だって、
できるなら楽に、条件よく働きたいと思う。
ただ、彼らの「コスパ」という言葉を聞いていて、
少し気になったことがある。
それは、
「その経験が本当に無駄かどうかを、
今の自分は判断できるのか」
という視点が抜け落ちやすいことだ。
若いうちは、
どんな経験が後から効いてくるのかを、
まだ判断しきれないことが多いと思う。
当時は意味がないと思っていた仕事が、
あとになって別の場面で役立つこともある。
逆に、
「楽で効率がいい」と思っていた環境が、
振り返ると何も積み上がっていなかったと
気づくこともある。
コスパは、固定されたものではない。
何を価値だと感じるかは、
その人の経験や、
置かれた環境によって変わっていく。
だから、
「今の自分にとって楽かどうか」だけで判断すると、
見えなくなるものもあるのだと思う。
もちろん、ただ苦労すればいいわけではない。
忙しいだけで何も残らない環境なら、
それは成長ではなく、
ただの消耗かもしれない。
無理を続けて自分を壊してしまうなら、
環境を変えることも必要だと思う。
ただ一方で、
最初から「楽で条件のいい仕事」だけを
基準にしてしまうと、
自分の可能性を狭めてしまうこともある。
特に若いうちは、「今の快適さ」よりも、
「あとで自分の選択肢を増やしてくれるか」という視点も
大事なのだと思う。
半年後、一年後に、
自分にできることが増えているか
他の環境でも通用しそうな力が身についているか
任される範囲が広がっているか
そうした実感があるなら、
その負荷には意味がある可能性が高い。
振り返ると、自分にも
「なんでこんなことをやっているんだろう」と
思っていた時期があった。
逃げたほうが楽だと思ったこともある。
それでも続けた経験の一部は、
あとになって、自分の選択肢を広げてくれた。
もちろん、当時の自分には、
その価値はよく分かっていなかった。
だから、
「コスパばかりを考えるな」とは思わない。
ただ、
「それが本当に無駄かどうかを
判断できるだけの経験値が、今の自分にあるのか」は、
一度考えてみてもいいのではないかと思っている。
コスパは、最初から決まっているものではない。
経験や視点が変わることで、
あとから見え方が変わっていくものなのだと思う。
最後までおつきあいいただきありがとうございます。☺️
この「ある話」シリーズ は、ジャンルなしのエッセイです。日記のようだったり、童話のようなたとえ話など、いろいろです。
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