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焼肉屋、どう売上を伸ばしますか?【コンサル面接解答集/戦略立案】

はじめに

コンサル転職対策道場のケース侍田中です。
ケース面接対策でうまくいかないことが続くと、「自分は頭が悪いんじゃ…?」と自己嫌悪に陥ってしまうことってありますよね。
私も、以前そうでした。
自分がケース面接対策で苦労した経験から、当時の自分がつまずいたポイントや、知りたかった考え方を発信しています。

この解答例は良問を選んで解答したものです。
実際の面接のディスカッションを想定して作成し、各ポイントも記載しています。

一連の流れ、考え方をぜひケース面接対策の参考にしてみてください。
こちらは前回の記事になります↓↓↓

問題2:焼肉屋の売上向上戦略

面接官「先ほど推定して頂いた焼肉屋について、売上向上戦略を5分で考えてみて下さい。何か質問はありますか?」


(1)前提確認

田中「承知しました。
改めて対象の焼肉店をすり合わせ出来ればと思います。対象はxx駅近くの肉問屋直営でリーズナブルで質がよい肉を提供している焼肉店です。都内で4、5店舗展開しているチェーン店ですが、伸ばす売上は想定した1店舗でよいでしょうか。また、提案先は経営者という理解でよろしいでしょうか?」

面接官「はい、そちらでよいですよ。」

田中「目標は、中期経営計画を物差しに3年で売上1.2倍を目指す前提でよろしいでしょうか。」

面接官「結構です。他に質問なければ5分で考えてみてください」

田中「承知しました。」

★ポイント
数値・期間といった目標の定義の認識合わせしよう。それらにより、検討事項や打ち手が変わってくるためだ。

―――5分後―――

面接官「いかがでしょうか。」

(2)結論を述べる

田中「結論として、売上を伸ばす施策を2つ考えました。
まず、①ランチタイムを活用した焼肉弁当のテイクアウト販売です。
次に②肉問屋直営の強みを活かした家庭で楽しめる焼肉セットのや、自家製タレ・キムチ等の物販事業への進出になります。
いずれも店内の席に依存しない『店外』の稼ぎ口となります。
結論に至る迄を、まずは対象企業の事業の特性を整理し、そのうえで方向性と打ち手を説明します。」

★ポイント
まず結論から述べ、そのあとに結論に至る検討事項について述べていこう。これから何を説明していくか面接官の頭の中に目次を作るイメージで話、聞き手の情報処理負担を下げていく。

(3)事業の特性を整理する

田中「まず、焼肉店という業態を俯瞰します。
大きくは、①叙々苑のように内装にこだわり接待にも使われる高級店、②昔ながらの炭火・パイプ椅子で味に特化した専門店、という両極があります。当該店はその中間となる、内装が小綺麗で、リーズナブルにおいしい肉が食べられる店、と位置づけます。
同じ商圏にも焼肉店は複数ありますが、当該店の特徴は肉問屋直営ならではの『質がよく肉をコスパよく提供する』ことを引きにしつつ、清潔感があり入りやすい雰囲気で、友人・職場の同僚・家族層が気軽に来れます。また、混雑時は2時間の時間制をしいています。」

★ポイント
競合のなかでの立ち位置(ポジショニング)と、相対的な自社の強み(肉問屋直営)を先に押さえる。これが後段の打ち手の拠り所になる

(4)方向性と打ち手を述べる

田中「そうしたなかで、売上を伸ばす方向性を考えます。
焼肉店は店舗ビジネス=キャパシティ商売なので、まずは稼働率に伸び代があるかを見ます。時間帯を、アイドルタイム=平日昼(ランチ)、ピークタイム=休日夜(ディナー)、その中間=平日夜・休日昼、と整理します。
最も稼働率が空いているのは平日昼です。
ただし、焼肉はガッツリした食事で時間もかかるため、ランチの主要ターゲットであるビジネスパーソンの“店内”需要は敬遠されがちと考えます。
裏を返せば、“時間の制約”さえ外れれば一定の需要はあると考え、ここを焼肉弁当のテイクアウトで取りにいけます(打ち手①)。
なお、稼働率が中間の時間帯(平日夜・休日昼)は、一定の客入りがあり伸び代は限定的と考えます他に客数を上げるには、『オンライン順番受付』や『ディスプレイ・QR注文』といったオペレーションの改善で回転数を早める取り組みは視野にいれつつも、一定顧客が入っており改善余地は限られると考えます。

次に、単価の伸び代を考えてます。粗利率の高いアルコールは既に提供済みで、そもそも“肉のコスパ”に惹かれて来ている客層なので、商品単価を上げるとターゲット層が変わってしまい得策ではないと考えます。
そう考えると、店内での売上の上積みは限られそうですので、肉問屋直営(=仕入れ・加工)といったケイパビリティ取を活かした店外での稼ぎ口を拡げられないかを考えます。具体的には、ホームパーティーでも本格的な焼肉が楽しめる焼肉セットのテイクアウトや、自家製タレ・キムチ等の物販です(打ち手②)。
いずれも席数の制約を受けず、既存の仕入れ・加工力をそのまま使えます。

一旦、発表は以上です。」

(5)面接官とのディスカッションで考えを進める

面接官「売上を伸ばす方向性は分かりました。では、それらは費用や利益の面ではどうですか。売上が増えても利益が残らなければ意味がありませんよね。」

田中「先程の2つの施策は売上だけでなく利益の面でも筋が良いと考えます。理由としては、まず肉問屋直営で肉の原価が低いため、弁当も物販も粗利を確保しやすいことです。加えて、アイドルタイムの人員を有効的に使える点も魅力的です。ランチの焼肉弁当や自家製タレ・キムチ等の商品は午前中やお昼から夕方にかけての日中の隙間時間に取り組め、固定費(人員や設備)を有効利用できます。」

面接官「いいことづくめな気もしますが、取り組みで留意することはありますか?」

田中「はい、追加されるオペレーションの実負担と在庫リスクは見なければいけません。これらを織り込んだうえで利益が残るかを確認していくことになります。」

面接官「他に、費用削減できる余地はありますか?」

田中「幅出ししながら考えます。
費用はバリューチェーンで整理し、紐づく費用項目を出して改善余地を見ます。①仕入れ(原価)→②加工(人件費)→③集客・広告(広告宣伝費)→④店頭での提供(人件費)、ここに共通費用として家賃・設備(減価償却費)・水道光熱費が乗ります。
大きいのは原価と人件費です。ただ原価は肉問屋直営で既に抑えており、安い肉に替えれば品質と集客力を損なうので避けるべきです。
人件費削減は、先ほどのオペレーション効率化の他は外国人材の活用位と考えられ削減余地は限られます。
広告宣伝費は、もともと派手に広告を打つ業態ではなく、食べログやホットペッパー等への出稿程度です。もしWEB予約媒体に費用をかけているなら、チャネル別の費用対効果を精査し、申し込みの少ない媒体を解約する余地はあります。家賃・設備・光熱費は短期では下げにくいです。
以上から、費用削減の余地は限定的と考えます。
改めて、利益を伸ばすにも『店外での稼ぎ口を増やす』、先程の売上増の方向が本筋になると考えます。」

★ポイント
費用削減を問われたら思いつきで科目を挙げず、全体感(例バリューチェーン等)を示したうえで費用項目を洗いだし削減余地を検討する。
【参考記事】
第二十一話 費用を網羅的に考えられず斬られる
https://note.com/case_samurai/n/nc700309f147a

面接官「なるほど。では、観点を変えて売上サイドの改善余地は他に出来そうなことはありますか?」

田中「先程は店外の施策を主に挙げたので、今度は観点を変え店内の売上向上余地を深掘りします。ポテンシャルがあるのは、稼働が中間の平日夜・休日昼です。ここは比較的時間に余裕があり、『がっつり焼肉を食べたい』という需要も一定あります。
これまでは団体客を想定しましたが、最近は焼肉ライクのような一人焼肉専門店が伸びており、一人客の需要が顕在化しています。
一人でも入りやすくする宣伝やメニュー開発(例:一人前メニューの導入)といった一人客の誘客はリーズナブルに取り組めると考えます。
また、焼肉店は固定費ビジネスなので『顧客が来た方が少しでも固定費を回収できる』という観点で、例えば混む前のオフピーク時間帯に限った時間帯で価格割引といったタイムサービスで来店を促すのもありかと考えます。」

面接官「他にはどうですか?」

田中「そうですね、視点を変えて改めて考えてみます。
これまで2C前提でしたが、2Bでも考えられます。アイデアベースですが、精肉の卸をしているケイパビリティを活かした近隣の飲食店への肉の販売です。ただし、自店の『良い肉が安い』という差別化を競合に渡さないよう非競合の業態を中心に展開するのが前提です。」

面接官「わかりました。本日は以上にします。」


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