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熊の被害、どうやって減らしますか?【コンサル面接解答集/戦略立案】

はじめに

ケース面接対策でうまくいかないことが続くと、「自分は頭が悪いんじゃ…?」と自己嫌悪に陥ってしまうことってありますよね。
私も、以前そうでした。
自分がケース面接対策で苦労した経験から、当時の自分がつまずいたポイントや、知りたかった考え方を発信しています。

この解答例は良問を選んで、解答したものです。
実際の面接のディスカッションを想定して作られており、各ポイントも記載されています。

一連の流れ、考え方をぜひケース面接対策の参考にしてみてください。
こちらは前回の記事になります↓↓↓

面接官「最近、気になったニュースはなんですか?」

田中「(えっ、何だろうな…あんまり最近ニュース見てなかったし…)
そうですね、、、たまに山登りするのですが最近熊の被害が多く取り上げられていることが気になっていますね(こんな回答でよいのだろうか…)」

面接官「分かりました。では、熊の被害を無くすには?というお題で考えてみてください。何か質問ありますか?」


(1)前提確認

田中「(あ、こんなケースのお題もあるのね)分かりました。まず確認させて頂きたいのですが、熊の被害ですが、熊が田んぼ等の耕作地を荒らす被害と人に危害を加える被害があると考えています。重要性の観点から今回は後者の熊による人への被害を優先して無くしていくと考えてよいでしょうか。」

★ポイント
「熊の被害」と一括りにせず、何の被害を対象にするか最初に定義し面接官との目線を合わせにいく。

面接官「はい、そちらでよいです」

田中「承知しました。また、今回のお題の依頼元ですが、熊による人の被害を減らす責任やミッションを持っている機関を想定します。
具体的には存じ上げないのですが、人身被害が多発している自治体、たとえば北海道や東北の被害多発自治体の首長への提案でよいでしょうか。
予算については住民の安全性から必要に応じて国からも援助があるとして一定の予算額を裁量をもって対応できると仮定します。」

面接官「分かりました。」

田中「また、期間ですが、首長の任期を想定し概ね4〜5年とします。目標は、人身被害(接触による重症・死亡)について、直近5年平均から死亡や重傷を0件に近づけることを目指します。熊被害の発生件数自体を完全には0に出来ないと考えた一方で、首長の立場からすると命に関する死亡や重傷は0を目指すと考え、こちらで仮定したいと思います。」

★ポイント★
お題の提案者を想定し、取り組む期間や目標感を具体化する。想定の主体は正確には間違っていてもよい(知っているかどうかになり評価は薄い)ので具体的に想定すると考えやすくなる。

面接官「分かりました。他に質問ありますか?なければ、5分で考えてください。」

田中「承知しました。」

――5分後――

面接官「5分経ちましたので、発表してもらえますか」

(2) 結論と結論に至る検討事項を述べる

田中「はい、発表します。
結論としては、熊被害を減らすためには、『熊と人の接触確率を下げること』が最重要だと考えます。
熊と遭遇した後に被害を完全に防ぐのは難しいため、まずは“接触しない状態”を作ることにリソースを集中すべきと考えました。
そのうえで、短期では『接触回避』 、中長期では『熊と人の生活圏分離』 を進めます。
具体的には、短期ではゴミ捨て場のゴミボックスを金属性への置き換えや電気柵設置による接触回避、中長期では森林側での餌環境整備を行います。
こちらの結論に至る迄を、➀人身被害が発生するまでのプロセス、②要因分析、③打ち手と説明していきます。」

★ポイント★
これから何を話すかを示す。そうすることで、聞き手の情報処理負担を減らす。

(3) 人身被害が発生するまでのプロセスを述べる

田中「まず、人身被害が発生する迄のプロセスを3段階で分けました。
➀熊が人の生活圏へ近づく→②人と遭遇する→③人身被害が発生する
このうち、人が熊と遭遇した後に正面から戦う選択肢は現実的でないため、いかに『遭遇しない』状態を作るかが重要と考えます。
また、熊被害が増えている背景として、熊そのものが急激に凶暴化して被害が増えたというより、餌を求めて人間生活圏へ近づく機会が増えて接触が多くなっているためと考えました。そのため、今回は“どう生活圏への侵入を減らすか”に注目します。
よって、『①熊が人間生活圏へ近づく』のフェーズを抑制することを今回は重視します。」

(4) 要因分析を述べる

田中「更に、『①熊が人間生活圏へ近づく』ことが増加している要因を分析していきます。
要因としては次の3点を考えています。
①熊の個体数増加
②気候変動等による森林内での餌不足(熊が山から出る要因)
③街・耕作地に熊にとって魅力的な餌がある(熊を引き寄せる要因)
なお、『①熊が人間生活圏へ近づく』ことが増加した要因は上記①~③の複合的に考えられますが、『①熊の個体数増加』は急増しているニュースは聞かず、一旦、『②気候変動等による森林内での餌不足(熊が山から出る要因)』、『③街・耕作地に熊にとって魅力的な餌がある(熊を引き寄せる要因)』の要因が大きいと考え、活動範囲が広がり人との接触機会が増えたと仮定します。」

(5)打ち手を述べる

田中「そのうえで、餌を求めて活動範囲が増えている熊に対する打ち手として2点考えました。
『➀そもそも活動範囲を拡げずとも餌にありつける様にする』
『②街中に餌を求めてもない(手に入れられない)様にする』

『➀そもそも活動範囲を拡げずとも餌にありつけること』は、熊の生息エリアに熊の餌となる木の実や鮭を計画的に育てていくイメージです。

育てるのに数年単位の時間を要する場合は、熊の餌場等を作り、人力で管理するのもありかと考えます。人の手で運ぶのが危険なエリアではドローンで運ぶことも考えていきます。3~5年の中長期的な取り組みになるイメージです。

もう一つの『②街中に餌を求めてもない(手に入れられない)様にすること』は、熊は生ごみを餌と考えていると仮定し、森林付近の住宅のゴミ捨て場に金属性のゴミボックスに置き換え、熊のエサとしての生ごみが無いようにすることを考えました。同時に、耕作地に電気柵を設け熊が入れない様にして街中に餌が無いとすることもありだと考えます。一旦、発表は以上になります」

(6)面接官とのディスカッションで考えを進める

面接官「ありがとうございます。では、プレゼンを基にいくつかディスカッション出来ればと思います。熊の活動範囲を抑えるのは理解出来ましたが、今回は人命の危機があるなかで、即時的に効く施策が街中での金属性のゴミボックスの設置は弱いようにも思います。他に何かできますか?」

田中「(うっ、確かに即効性が薄かったか…)初期アウトプットでは、熊側の観点で考えていましたので、人側の観点でも考えてみます。熊に遭遇しないのが最良ですので、森林と街中でカメラを設置し、熊が下りてきた際には近隣住民が把握できるようにスマホ等での熊アラームで出現エリアと危険を知らせて対応を取れるようにすることが考えられます。また、データの蓄積が必要ですが、熊が出現したエリア、時期を集めて熊の行動を予測し事前に近隣住民に周知することも考えられます。」

★ポイント★
自分が今何の観点で話しているか理解しておこう。熊側から人側で視点を移し視点の広さをPRできるうえディスカッションでも話が拡がっていく。

面接官「なるほど、他には何ができそうでしょうか?」

田中「そうですね、他には特に熊の生息する森林と近い高リスク地域の住民に熊鈴をつけてもらうことでしょうか。行政側から住民への無料で配布や日常的にも持ち運びたいようなデザイン性を高めて携帯の割合を高めてもらうことが考えられます。
また、これまでは熊に出会わないことを考えてきましたが、万一遭遇した際の被害回避として、熊スプレーの普及も考えられます。持ち運びしやすい手のひらサイズの開発と、登山者・農家など被害シーンの近い人への重点配布が現実的かと考えます。」

面接官「他には?」

田中「(うっ他にあるかな…?)承知しました。30秒程考えるお時間をいただいてもよいでしょうか。」

★ポイント
納得感を持った回答が難しい場合は、考慮時間をもらい仮説を立て議論していこう。焦って思い付きベースで話してしまうと突っ込まれ続け引き返せなくなる。

面接官「大丈夫です」

―――30秒後―――

田中「お待たせしました。アイデアベースになりますが、他には、『熊そもそもの頭数を減らす』、『物理的に熊との接触を遮断する』が考えられます。
まず、頭数を減らすのは、文字通り駆除です。ただ、こちらは動物愛護団体からの反対や森林の生態系への影響を考慮する必要があります。
加えて、実行主体である地元ハンターが高齢化・減少しているため、ハンター育成自体が中長期の時間軸になりえます。
物理的な遮断は、森林の出口や耕作地、家の周りに電気柵を設ける取り組みです。費用対効果と人への安全性を踏まえて導入する形になります。」

面接官「分かりました。いろいろ打ち手を仰っていただきまいたが、どの様な構造で整理できそうですか?」

田中「初めにお伝えした熊被害の各プロセス(①熊が人間生活圏へ近づく→②遭遇する→③(遭遇しての)被害発生)に紐づけられると考えます。『①熊が人間生活圏へ近づく』を抑制する打ち手は頭数削減や接触遮断、『②遭遇』を回避する打ち手はアラート配信や熊鈴の配布、『③(遭遇しての)被害発生』に対する打ち手は熊スプレーの配布、となります。」

面接官「分かりました。では、ディスカッション含めて色々仰って頂いたと思うので、最後に改めて施策を纏めていただきますか?」

田中「分かりました。今後5年で熊による人身被害を減らしていくために短期では接触回避、中長期では生活圏分離を進めることで、“遭遇後に対処する”のではなく、“そもそも遭遇しない”状態を目指します。
まず、即効性のある1~2年の短期的な施策としては、熊出現アラートや住宅や森林出口に電気柵を設け熊との接触を回避します。特に、熊出現アラートは比較的短期間・低コストで導入可能であり、接触機会を一定程度削減できると考えます。これにより熊との遭遇を減少させます。
次に、3~5年の中長期的な取り組みとしては、森林の熊の生息エリアでの餌管理による熊の行動範囲の狭小化を図ります。この森林環境整備の効果は大きい一方で、植生回復等に数年単位を要するため、中長期施策として位置付けます。熊と人間の棲み分けを再構築します」

面接官「分かりました。本日の面接は以上です。」

田中「ありがとうございました。」


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