激辛インスタントラーメン、どう売上を伸ばしますか?【コンサル面接解答集/戦略立案】
はじめに
ケース面接対策道場のケース侍田中です。
ケース面接対策でうまくいかないことが続くと、「自分は頭が悪いんじゃ…?」と自己嫌悪に陥ってしまうことってありますよね。
私も、以前そうでした。
自分がケース面接対策で苦労した経験から、わかりやすい丁寧なケース面接対策のコンテンツを発信しています。
この解答例は良問を選んで、解答したものです。
実際の面接のディスカッションを想定して作られており、各ポイントも記載されています。
一連の流れ、考え方をぜひケース面接対策の参考にしてみてください。
こちらは前回の記事になります↓↓↓
問題2:激辛ラーメンメーカーの売上向上戦略
面接官「では、次にケースに移っていきます。最近食べたのはどんなカップラーメンでしたか?」
田中「最近は辛いものにはまっていて、辛めのインスタントラーメンを食べました」
面接官「では、激辛ラーメンメーカーを想定いただき、売上向上戦略を考えてください。何か質問ありますか?」
(1)前提確認
田中「分かりました。激辛のカップラーメンですと、まず辛ラーメンを想定したのですが、辛ラーメンを製造している企業の売上を伸ばすことでよいでしょうか」
面接官「それでよいです」
田中「辛ラーメンは韓国の食品メーカーと考えていていますが、今回の提案は日本支社長への提案として日本市場を想定することでよいでしょうか?」
面接官「はい」
★ポイント
検討対象となる企業、店舗等は面接官と必ず擦り合わせよう。
「とあるxx」と出題されたら、具体的な設定がポイントになる。
どこにでもある一般的な仮定で検討を進めると検討が深まらないからだ。
今回、田中の確認は先日食べた韓国メーカーの辛ラーメンを想起し市場を日本国内とすり合わせた。イメージの齟齬をなくすため、思考時間前に面接官と擦り合わせしよう。
田中「次に、目標感ですが中計を物差しにして5年程度で日本市場で1.5倍増と考えていますが、こちらでよいでしょうか」
面接官「それでよいです。他に何か質問なければ5分で考えてみてください」
★ポイント
数値・期間といった目標の定義の認識合わせしよう。数値・期間によって、検討事項や打ち手が変わってくるためだ。
田中「わかりました。」
―――5分後―――
(2)結論と結論に至る検討事項を述べる
面接官「いかがでしょうか」
田中「結論としましては、既存の辛ラーメンの購買客に対して、辛ラーメンのリッチな中食や冷凍食品を販売します。500~600円程度の中価格帯として単価を向上させ売上向上を図ります。結論に至るまでの流れを取り巻く環境、大方針、打ち手に分けて説明します」
★ポイント
まず結論から述べ、そのあとに結論に至る検討事項について述べていこう。
これから何を説明していくか面接官の頭の中に目次を作るイメージだ。
(3)取り巻く環境(=現状分析)を述べる
田中「まず、辛ラーメンですが、日本では辛いカップラーメンと認知されており、辛い者好きのニッチ層に刺さる商品と理解しています。つまりは、辛いもの好きな人には刺さるが、そうでない人には刺さらないといった商品です。
また、辛い食品市場の需要側を考えると、少子化による人口減少で市場の絶対量は縮小方向にある一方、健康志向や韓国食文化の浸透で辛いもの好きの裾野はやや広がっています。両者がほぼ相殺されると考え、横ばいと仮定します
そのなかで、辛ラーメンは辛いカップラーメン市場で知名度が高く、全国のコンビニで購入できるといった販売チャネルも構築されている。辛いインスタントラーメン市場ではトップシェア企業と仮定します」
(4)大方針(戦略の方向性)を述べる
田中「そういったなかで、売上向上の大方針としては既存の辛いもの好きの消費者のニーズを更に叶えていくか、辛いもの好きではないマス層にも広げていくかが考えられます。
既存の辛いもの好きファンはすでに辛ラーメンへの愛着があり、スイッチングコストが高いと考えます。新規獲得より離反リスクが低く、投資対効果が高い層です。まずこの層を深掘りする方針をとります。なお、後者のマス層に拡げるとカップヌードルといった強い競合と戦う事が想定されるうえ辛ラーメンの良さもぼやけるため、この点からも辛さの特徴を活かして、他に強い競合が少ない辛い食べ物市場を掘っていくことにします。
辛ラーメンの売上=販売数量(新規顧客+既存顧客)×単価、と分解できるなか、今回は単価向上を優先して考えました。
販売数量増も検討しましたが、既に辛ラーメンの認知は高く、辛さという特性上でもターゲット拡張には限界があり、広告投資効率も低いと考えました。そのため、既存顧客向けに、より確実性の高い単価向上にフォーカスしました。
なお、カップラーメンのカテゴリで戦うとPB商品や日清のカップヌードル等の既存競合との価格競争が激しく、100円単位の値上げはスイッチング(離反)を招きやすいと考えます。
(5)打ち手を述べる
田中「具体的な打ち手ですが、既存のカップラーメンカテゴリだと競争が強く価格競争を避ける為、辛ラーメンをカップラーメンのカテゴリで戦うのではなく、具材も入った中食や冷凍食品としてリッチにし販売を提案します。既存の辛ラーメンファンはすでに辛ラーメンを『好きで買っている』層です。この層に対して、より満足度の高い食体験を提供できれば、単価が上がっても支払い意欲はあると考えます。
500~600円位に単価を上げ既存の辛ラーメンファンに販売していくのがよいかと考えました。一旦、発表は以上です」
(6)面接官との議論で考えを進める
面接官「わかりました。既存顧客と一口に言ってもいっても広いですね。ターゲットは具体的にはどんな方のイメージですか?」
田中「失礼しました。既存の辛ラーメンファンの方でもストレスを発散したく刺激物を好み調理の手間を省きたい20~40代の就労されている方をイメージしました。外食より安くプレミアム感を味わいたいというニーズに訴求していきます。仮定ですが年齢を重ねると徐々に胃腸が弱くなるので50代以降の辛いニーズは減ると考え40代までとします。」
面接官「なるほど。中食・冷凍食品への参入する場合、具体的にどのチャネルで販売することを想定していますか?」
田中「販売チャネルは既に取引関係があるコンビニを起点に考えます。コンビニは20〜40代の単身就労者の購買頻度が高く、ターゲットとの親和性が高いためです。」
面接官「分かりました。価格帯を500~600円にすると商品のカテゴリが変わりますよね。そのカテゴリでは、どの様に戦えると思いまいますか?」
田中「500~600円は既にインスタントラーメンのカテゴリから外れ、お弁当や中食のカテゴリになりますが、そのカテゴリで辛い食品の第一想起はないなかで辛ラーメンのブランド力で戦えると考えます。また、辛いラーメンを食べると蒙古中本の様なラーメン屋さんにいき1,000円位かかると思いますが、近くのコンビニで近接性高く購入でき、かつラーメン屋よりも安い価格面でも訴求できると考えます。」
(7)他には?
面接官「分かりました。他にはどういった取り組みが出来そうでしょうか?」
田中「単価増で先程は考えましたので、販売数量増でも考えたいと思います。辛ラーメンは一定認知があるとはいえ、美味しい調理方法は消費者が好きな作り方になっていると思います。韓国発の商品なので、恐らく韓国の方の舌に合うような辛ラーメンの調理方法はあると思いますが、日本人向けにした調理方法をYouTubeやSNSで発信し、販売数量を伸ばすことが考えられます」
★ポイント
打ち手の羅列ではなく、構造を示す(単価から販売数量で移行)ことで、何を話しているか分かり易くする。
面接官「他にはどうでしょうか?」
田中「そうですね、辛いのが好きな人向けに商材の用途(オケージョン)を広げることが考えられます。辛ラーメンというブランドがあるので、例えば、辛ラーメンのスープを鍋スープで販売したり辛いスナック菓子としてスピンオフすることが考えられます。」
面接官「他には?」
田中「(え、まだあるかな…)少々お時間をいただけますでしょうか」
★ポイント
一定の納得感を持った回答が難しい場合は、考慮時間をもらい仮説を立て議論していこう。焦って思い付きベースで話してしまうと突っ込まれ続け引き返せなくなる。
――――30秒――――
田中「お待たせしました。他には、健康志向が高まっているので辛ラーメンの健康に効く面を訴求、もしくはヘルシーな商品を作って単価を上げるのがよいかと思います。」
面接官「健康志向と一口に言っても広いですよね。具体的には?」
★ポイント★
「健康志向」など抽象的な言葉は深掘りされる。抽象的な言葉を言った後に一言、具体的例を入れる印象が変わる。今回の例だと、「健康志向、具体的には唐辛子のカプサイシンによる代謝向上・ダイエット効果の訴求を想定していきます」といったイメージだ。
田中「失礼しました。そうですね、辛ラーメンの特徴を踏まえて訴求となると唐辛子のカプサイシンだと考えます。カプサイシンによる代謝向上でストレス発散、ダイエット効果を訴求するのがよいかと考えました。」
面接官「なるほど。健康志向の話がでましたが、今後健康的な方に寄せるか、中毒性ある罪悪感(ギルド)に寄せるか、どっちがいいか?』ともし辛ラーメンの社長に問われたら田中さんはどちらがよいと考えますか?」
田中「そうですね、幅出ししながら考えさせて下さい。➀市場の魅力は?、②自社のケイパビリティが活かるか?、③競合と比べ価値を出しやすいか?を考え、そのうえで、どちらがよいかを考えてみます。
まず、➀市場の魅力ですが、健康志向は高まっており健康訴求の市場はますます魅力的になっていくと考えます。
次に、②自社ケイパビリティですが、辛ラーメンはやはり辛いインスタントラーメン群でのニッチトップであり認知や味が市場に受け入れられている事が特徴です。最後に③競合との優位性を考えると、健康志向の商品は市場が大きい事は魅力ですが、完全栄養食やカロリーオフの食べ物が群雄割拠であり、辛ラーメンは後発になります。一方で辛い食品群ですと辛ラーメンの優位性が考えられます。
以上を考えると、売上2~3倍増といった大幅にストレッチした目標でなければ、辛くて中毒性ある方向に寄せるのがよいと思います。
その上で、先ほどの中食でも辛い×コッテリといったスタミナをつけるラーメンでもよいと考えました。健康志向を捨てるのではなく、健康志向のなかでもヘルシーもあればエネルギッシュにスタミナをつけたい志向性もあります。なので、辛ラーメンを食べればエネルギッシュになるという商品イメージのポジションニングを狙います。」
面接官「分かりました。本日は以上になります」
田中「有難うございました。」
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