ことりのことば ② poems 2024-2026
これまでのわたしのエッセイの中の、詩のような言葉を集めました。
それらはすべてわたしの日常の延長線上にあります。表現している言葉は経験してきた感情で、溢れたままに記しています。
2024年7月以降 2026年現在までのnoteの記事の中からまとめました。
以前にまとめた ことりのことば① poems 2021-2024 (〜6月まで)の続きです。
最後には新しい一篇を掲載しましたので、いつも読んでくださっている方にもお楽しみいただけたらと思います。
***
『憧れ』
どこへ向かって行くのだろう
どんな音楽を聴くのだろう
どんな本を読むのだろう
どんなことを学んでるのだろう
どんな思いを巡らせるのだろう
ほんのわずかな時間に生まれた憧れは
さわやかな風のようで 心地いい
『記憶』
一年がすごく早いな って思うのだけど
この春先のことを遠いむかしみたいに感じるのはなぜなのだろう
夢でも幻でもなかったはずなのに
手放したものが はじめからなかったような錯覚もする
確かにずっとそばにあったはずなのに
あんなものがあったな
あんなことがあったな
あんな人もいたな
案外すぐに薄れて 忘れてしまうものなんだな
忘れていても悲しくはない
忘れてるんだから悲しくはない
それでいいんだと思う
今 目の前にあるものを大事にできていれば
それでいいかなと思う
循環しながら 少しずつ変化していく
ほんとうに必要なもので満たされていく
またもしも ふっと記憶が蘇ったときには
懐かしんだりするかもしれない
『恋色』
恋色
いまあなたは
どんな色を思い浮かべましたか
あなたの恋色は
何色ですか
初恋
いまあなたは
どんな景色を思い浮かべましたか
あなたの初恋は
いつでしたか
窓の外の空は
遠いあの日の
恋の色をしていました
『まちどおしい』
くるかな
まだかな
きっとくるよね
そろそろくるよね
いまどのあたりにいるの
まいごになっていないかな
わたしはここでまってるからね
『春の朝』
朝がいい
春は晴れた朝がいい
静かな朝の春がいい
空は広々としていて 鳥は悠然と風に乗る
山は大らかで 水は清々しい
さえずりとせせらぎに心を委ねながら
花の道をのんびり辿る
陽が高くなるにつれて人影も増す
それぞれがそれぞれを求め合う
人や言葉が行き交えば そこにも小さな風が生まれ
微かな摩擦は温度となる
透明だった空気は渦を巻き 混沌としはじめると
その場所をあたためながら しだいに色を帯びてゆく
自然だな
自由だな
幸せだなとため息がこぼれると
それもまた風や温度や色となって
見上げた花の一部になった
『栄養』
元気なものを取り入れると
元気になります
優しいものを取り入れると
優しくなります
食べ物も
言葉も
人も
『うまくいかない』
うまくいかない
ああしてみても
なんかちがって
こうしてみても
やっぱちがうし
どうしてみれば
いいっていうの
『めんどくさい』
しぼんだためいきが
めんどくさいといっている
ちっちゃいくせに おもくてにがい
『ほんもの』
ほんものがほしい
ほんものだけでいい
ほんものを ほんのすこし
ほんとに自分の求めてるもの
ほんとに自分に合ったもの
ほんとに自分に必要なもの
食べ物も飲み物も
洋服もアクセサリーも
愛情も友情も
表情も言葉も
わたしはとてもちいさいから
わたしがかかえきれるだけ
もうたくさんはいらないから
ほんものだけを ほんのすこしだけ
『オレンジの空』
いつからだろう
オレンジの空を見ると
慰めてくれてるのかなって
思うようになったのは
いつからだろう
オレンジの空を見ると
あの人は泣いてないかなって
考えるようになったのは
そうだ あの時も
オレンジ色の空だった
そうか あの時もあの時も
オレンジ色の空だった
『原点』
わたしはここにかえってきた
あったものがなくなっていて
なかったものがそこにあった
『川のほとり』
川のほとりを歩く
川のほとりに座る
川のほとりで耽る
川のほとりで詠う
あの日と変わらない川のほとりで
変わったもの変わらないもの
未来のかたちを思い浮かべる
『青い春』
一輪の青い花は
ずっとお花畑に憧れていました
一面の青い花たちは
ずっとわたしの憧れでした
一途な青い花たちの
青い春がやってきました
『ともだち』
あなたが辛いとわたしも辛い
あなたが痛いとわたしも痛い
あなたが哀しいとわたしも哀しい
一緒に泣きたい
一緒に笑いたい
一緒に乗り越えたい
そばにいたくて
力になりたくて
守りたくて
そんな気持ちになったあなたを
そんな気持ちをくれたあなたを
ともだちと呼んでもいいですか
『月のひかり』
泣いています
月を見れば泣いていました
祈っています
月を見れば祈っていました
涙は光って落ちました
つるりとすべり落ちました
祈りは光って回ります
くるりとなんども回ります
なんどでも なんどでも
くりかえし くりかえし
月の弧をなぞるようにして
あなたの笑顔が見えるまで
***
先週のブルームーンはご覧になりましたか。
わたしの窓からもきれいな月が見えました。
夜が更けてゆくほどに、月のひかりも冴えていきました。
『蒼い月と小鳥』
見ていますか
見えていますか
見ていますよ
見えていますよ
小鳥の言葉を知らない月は小鳥のことを
月の言葉を知らない小鳥は月のことを
ただ静かにじっと見つめて
また会えたことを喜びます
蒼い月と蒼い小鳥はほほえみました
月から ほのかな光がこぼれ
小鳥は ちいさく歌いました
きれいですねと伝えるように

