見出し画像

福岡PayPayドームで生まれて初めてプロ野球観戦した時の神秘的な経験

私は、福岡PayPay(ヤフオク)ドームでソフトバンクのホームゲームを観た一回きりしか、ドームというものを体験したことがありません。

しかしそれは、ほとんど神秘的とも言える経験でした。

プロ野球というのが、基本的に「音の饗宴」の空間であることを実感しました。

そこには、アナウンスと巨大スクリーン映像を除いては、人工的な音声やPAで増幅された音声は存在しません。

打球の音、客席の歓声、応援団の打ち鳴らす太鼓や鐘や楽器、全部「生(なま)」なわけですね。

それが見事な「立体音響」で響いてくる、最上級のクラシックのコンンサート大ホールですら味わえない、圧倒的な音世界でした。

私はファースト寄りバックネット裏の席にいました。

ホームチームの応援団の音は、右寄り近くから聞こえます。

これに対して、ビジターの応援団は、対角線の彼方、一番奥からかすかに聞こえてくることになります。

この「立体感」は、ドルビーサラウンドの映画館など子供だましに過ぎなくなる、圧倒的「臨場感」のある、マルチチャンネルサラウンド立体3D音響空間なわけです。

ここで不思議なことが私の視覚に生じ始めました。一番遠いはずの、グラウンドを挟んで対角線向かいになるビジターの観客席の観客の姿に、私の目のピントがはじめたのです。

******

私は浜崎あゆみの代々木体育館の常連でしたから、1万3千人収容の代々木体育館で米粒のようなayuを体験するのに慣れていました。

幸い、ステージからわすか30メートルという席を引きひき当てたことがありまして、その時は、アンコールの"SEASONS"の小太鼓が鳴りだした途端にそれを察して「あゆーーー!」と声を上げたら、あゆがはっきりとこちらをまっすぐ向いて手を振り返してくれる、という、ファンとしては忘れられない経験をしています(ツアーの落日の日でしたから、その時の収録ブルーレイ、発売されているはずですが)。

でも、たいていの時はそうはいきません。

あゆは米粒。
そこそこ立派な双眼鏡は持参していましたが、眼鏡も通して覗きますので、当然映像は歪みます。どう調整してもピンボケになりかかる。

******

ところがソフトバンク戦を観戦した時の一番遠い客席の観客の見え方は違いました。

双眼鏡も所持していないし、私の眼鏡矯正視力は、せいぜい1.0のはずです。
なのに、数万収容の一番対角線向かい側の客席のひとりひとりが、くっきりと識別できる。

これは神秘としか言いようがない体験でした。

恐らく、PAの入ったライブコンサートでは生じなかったでしょう。

打球音、観客席からの声援、応援団の打ち鳴らす楽器の音、それにあわせて観客が手に持ったプラスティックのバットを打ち鳴らす音、それらがすべて「生(なま)」であり、完全に自然な「無限マルチチャンネル3Dステレオ音響」であったからこそ、私の神経の感度が上昇し、アフリカ大草原のピグミーのような視力にまで、一時的に「実際に見えるようになった」のだと思います。

*******

実は、これって、以下の記事で書いた、「マクロス」の監督の河森正治さんの体験した、チベットのネイティブの人が今でも可能な「1キロ離れたコミュニケーション」の話と、きれいに符合するのです。

驚きました。


いいなと思ったら応援しよう!