みたらい渓谷へ
【過去の記録◆2021年6月15日①】
奈良盆地を南下して橿原市に入ってから三輪山へ向かって走り、明日香村を通って奥深い山に入りました。

分かれ道で右へ行けば街中を通って天河神社に着けるけれど、左を選んで、まず「みたらい渓谷」へ向かったのです。
「天ノ川(てんのかわ)」沿いに走れば、車椅子ユーザーのわたしにも杖で下りられる川辺が見つかるかと。
すぐに視界が巨岩に占められて驚きました。
上流から転がってくるには大きすぎたため。
硬い川床を清洌な水が勢いよく下り、数万年の間に巨石を切り出したのかもしれません。
山から差し出た緑の陰になる細い道を進み、そこから先は徒歩でしか行けない涯で車を止めました。
そして、崖と崖の間に渡された高い橋から下をのぞいて、流れ落ちる水の美しさに見入ったのです。

橋の先のトンネルに続く道がどこへ向かうか知らないので、そちらではなく来た道を戻りました。
梅雨のさなかの平日ですから、対向車とすれ違う方法を考えなくてもよかったのでした。

途中、車1台分の幅を空けておけそうな場所をみつけて、はるか下方の写真を撮りました。
ガードレールはあるけれど足指の先は「空(くう)」ですから、気が遠くならないよう注意をしながら。

川へ向かって張り出した巨岩の下は透き通った深碧色で、動かない水にさえ濁りがないことに驚きました。
渓谷に関する記事に『深いエメラルドグリーンに輝く清流』とあったけれど、実際に見られるとはおもっていなかったのです。


巨大な屋根となった岩の奥は、見えないがために洞の入り口のようにも感じられ、少し心が冷やされるのでした。
下方を水に削られ続ければ、時の涯てで流れの中に落ちるのだろうか、とおもいました。その轟をひとは聴けるのだろうかと。
[2022年9月21日に追記]
腕や指の力も足りなくてカメラを構えられなかったため、この日まで何十年も写真を撮ったことがありませんでした。
杖なしで立てる時間が数秒だったため、この日にもまだ、たくさん撮ることはできませんでした。
[2022年9月28日に追記]
車を止めた所に、「みたらい渓谷」という案内板があったので、記事にはその題名をつけましたが、地図ではもっと北の方に「みたらい渓谷」という表示が出る、と気づきました。
当時の写真をよく見ると、案内板には矢印も描かれていたので、わたしが立っていた所は「天ノ川」の川辺だったようです。
「みたらい渓谷へ向かった車椅子ユーザーが見られた景色」として、題名は「みたらい渓谷へ」に変更いたします。
再訪できたら「杖ユーザーが見られた景色」を撮りたい、と願います。

[2年後に再訪]
